• ベストアンサー

ブラックホールでの時間消滅って時間が止まること?

ブラックホールに墜落したロケットのことを考えています ロケットの搭乗員自身には、一瞬でつぶされて死にますが、遠くの観察者には時空の境界線あたりで止まってみえますよね。実際に見えるかどうかは横に置いといて・・。 つまり搭乗者には一瞬でも観察者には永遠の時間て事ですよね。 ブラックホールの中心では、空間も時間も引き延ばされて、ついには消滅するのですよね。 時間の消滅って、時間が止まるって事とは意味が違うのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
noname#175206
noname#175206
回答No.1

>つまり搭乗者には一瞬でも観察者には永遠の時間て事ですよね。  その通りです。時間が止まっていると表現できるのは、時間が「在る」からですね。 >ブラックホールの中心では、空間も時間も引き延ばされて、ついには消滅するのですよね。  ブラックホール中心が点になっている最も単純なブラックホール(シュワルツシルトブラックホール)では、そういうことになります。  マクロな物理学では、この中心点は密度が無限大になってしまうため、物理学的な記述が不可能です。時間も空間も定義すら不可能です。言葉を変えれば、何でもありとなります。  こういう密度無限大のものを、数学から用語を拝借して、特異点と呼んでいます。  このため、まず「宇宙検閲定理」などと呼ばれる仮説では、特異点は必ず事象の地平面で覆われるとしています。事象の地平面からは何も出てこないので、その外では具釣り学法則が保たれ、ひいては安定した宇宙が保証されるというわけです。  さらに、その特異点は文字通り点であるため、ミクロな物理学、つまり量子力学で考える試みも行われています。ホーキング博士の見解では、時間が止まっているのではなく、文字通り消滅し、しかしあらゆる可能性を持つ「量子のあぶく」ではないかとしています。  ブラックホールが、回転している恒星からできた場合(ほとんどの恒星は自転しているので、ほとんどのブラックホールは回転タイプ)、カーブラックホールと呼ばれるものになります。  カーブラックホールでは、特異点は点ではなく、リングになります。そのリングの中は別の空間となる数学解が出るため、その先はホワイトホールかもしれないとか、別の宇宙が生み出されているとか、いろいろ想像されているようです(あくまでも想像の域を出ない)。  このリング状の特異点自体については、量子力学的な考察は、ほとんどないようです。リングの中のほうが興味深いからかもしれません。 P.S.  ただ、この宇宙には内部に特異点を持つブラックホールの存在は、ちょっと期待薄になりました。ブラックホールに落ちていくときに、外からは無限大の時間が必要なのと同じ理屈で、ブラックホールができるのにも無限大の時間がかかるのです。  そして、ブラックホールはホーキング輻射により質量を失っていくため、有限の時間で『蒸発』して消滅するとされています。これはブラックホールになりかけの天体でも起こるため、ブラックホールになりそうな天体も、有限の時間でなくなってしまうわけです。  これでは、無限大の時間をかけてブラックホールになる天体はないということになります。  もし、特異点を内部に持つブラックホールがあるとすれば、宇宙が誕生したときに既にブラックホールである天体で、ホーキング博士は、それに期待しています。

kidx
質問者

お礼

早速の回答ありがとうございます そうですか、ブラックホールって完成するのに無限大に時間がかかるんですか。なるほどですね。 でも輻射で消滅するのに有限時間なのは、ピンとこないなぁ。生成するのに無限時間かかるのだったら、消滅するのにも無限時間かかるのが普通の感覚ですよね。 『宇宙が誕生したときに既にブラックホールである天体』って137億年も前やから、当然『今』はなくなってますよね?宇宙に『今』って言葉は意味がないんでしょうけど・・。 それに100%の完成度でなくても、たった10%の完成度でも、今発見されてブラックホールはやっぱりブラックホールと呼びたい。 で、ブラックホールの話はさておき、確かに空間や時間の定義とか、その本質は究明されていないかもしれませんが、幾多の物理公式に時間の項目はあるんだから、現在の科学では、どんなものかわからないけど、時間はあるってことでみとめましょう。宇宙の膨張だって、そうでしょう。なんで、なにが原因で膨張しているのか不明でも、現実に膨張してるんだから。 『時間が停止する』『時間が消滅する』の二つの言葉の意味はなんだろうなってこの質問をおもいついたんですが、あなたの回答によると 『停止』=時間がある状態での、時間の進み方を表現する意味。当然『消滅』したら、意味をなさない。 ってことで理解していいですか? ありがとう

その他の回答 (4)

noname#175206
noname#175206
回答No.5

 ついでに補足。  ブラックホールに自由落下していく観測者を思考実験してみましょう。  ブラックホールはホーキング輻射がないとします。つまり、ブラックホールに永遠の寿命があるわけです。  外から、自由落下していく観測者を見れば、観測者は事象の地平面に近づくに従い、その時間の流れが遅くなり、事象の地平面到達には無限大の時間がかかります。  観測者視点では、事象の地平面のはずの位置には、有限の時間で到達します。ちなみに、その位置には特別なものは何もありません。  しかし、この自由落下する観測者が外の世界を見ると、事象の地平面の位置に近づくに従い、外の世界の時間の流れは速くなっていきます。  そして自由落下の観測者が、事象の地平面だったはずの位置に到達するとき、外では無限大の時間が経過していることを観測することになります。  さらに、この観測者はブラックホール中心に有限の時間で到達します。外の世界では、もう一度、無限大の時間が経過します。  シュワルツシルトブラックホールの特異点は点ですので、このタイプに落下したら、有限の時間で特異点に飲みこまれます。  カーブラックホールに『上手に』落ちることができれば、リング状の特異点を潜り抜けることが可能です。その先は、どこか分かりませんが別の空間です。そのため、カーブラックホールに落ちて、別の宇宙に行けると想像されたりしました。そのとき、元の宇宙では、2回も無限大の時間が経過するわけです。  しかし、それはホーキング輻射という理論的な発見により、無理になりました。  ホーキング輻射を加えると、ブラックホールに落下していく観測者は以下のような状況を観測します。  ブラックホールの事象の地平面であるはずの位置に近づくに従い、ブラックホールは光り始め、輝きを増して行きます。仮に、その猛烈な輻射に耐えたとすると、ブラックホールはどんどん小さくなります。事象の地平面は逃げていき、追いつけません。  そして、ブラックホールは無くなってしまいます。周囲を見ると、恒星は一つも輝いていません。それどころか、物質すら見当たりません。なぜなら、陽子は有限の寿命しかないからです。全ての陽子が消滅した宇宙を観測することになります(観測者は有限の時間しか経過していないので、陽子は無事)。  もっとも、現在の宇宙が加速膨張であり、今後も加速膨張を続けたり、あるいは収縮に転じたりするようなら、また状況は変わってきます。ただし、事象の地平面を超えることができないのは、同じです。

noname#175206
noname#175206
回答No.4

 お礼、ありがとうございます。#1です。 >でも輻射で消滅するのに有限時間なのは、ピンとこないなぁ。  実はホーキング輻射は重力がありさえすれば、起る現象なんですね。そのため、まだ事象の地平面が現れなくても発生します。  そして重力の強さではなく、重力の変化が強いほど起こりやすくなります。  真空中をミクロな物理学である量子力学で見ると、常に素粒子(ほとんどが光子)の対生成と対消滅が起こっています。至る所でエネルギー保存則を破ってペアになった素粒子が現れ、そして対消滅して元通りになっています。いわゆる不確定性原理に基づく現象です。  このとき重力が働くと(光子には電荷が無いため、主に働くのは重力)、対生成した素粒子が引かれます。星は球対象で、重力は星に近いほど大きくなります。  事象の地平面が現れそうな、事実上のブラックホールともなると、対生成したペアの素粒子の一方を、より強く引くことが多くなります。近いほど時間の流れも遅くなります。そのため、対生成したペアの素粒子の片方がブラックホール表面に留まり、もう一方がブラックホールから逃げてくるようになります。  これを、マクロにブラックホール表面から離れた位置から見れば、ブラックホールが光っているということになります。それはブラックホールがエネルギーを放出しているわけですから、質量とエネルギーが等価であるため、ブラックホールは質量を減らしていきます。  ただ、恒星由来のブラックホールでは、この効果は僅かです。ホーキング輻射を起こすのは、非常に接近した二つの場所での重力の強さの違いであるため、小さいブラックホールほど、ホーキング輻射が激しくなります。ブラックホールが小さいほど、事象の地平面がブラックホール中心と近くなるため、その付近での重力差は、少し位置が違うだけで大きなものとなります。  ただ、宇宙が現在137億年ということから、仮に宇宙の初期に恒星が重力崩壊して(疑似)ブラックホールになったとしても、ホーキング輻射を観測することは無理です。ホーキング輻射が弱すぎて、まだまだブラックホールがやせ細っていません。どうしても、星が重力崩壊できないほどの小さな質量のブラックホールでなければ、現在の宇宙でホーキング輻射を観測することは無理です。  そのため、特にホーキング博士は、宇宙が生まれた時点で小さなブラックホールが生まれた可能性に期待しています。それなら、質量の小さいブラックホールがあっても構わないわけで、確か富士山程度の質量だったと思いますが、そういう小さなブラックホールが宇宙開始時点で生まれていれば、ちょうど今頃は急速にホーキング輻射を強めることになり、観測できそうです。  恒星の重力崩壊によるブラックホールはというと、全ての恒星が核融合の燃料を使い果たし、宇宙が暗闇になって、さらに気が遠くなるほど時間が経過した頃、徐々に目に目る光を発し始めると予想されています。 P.S.  ホーキング博士は時間を複素数で考えようとしています。普通に時間としているものが実数の時間で、顕わではないけれど虚数の時間もあるということですね。  あるやり方で複素数の時間を扱うと、ビッグバン以前、つまり宇宙の誕生以前でも虚数の時間は存在できます。  ホーキング博士のこうしたアイデアには、博士が物理学から神の介在をできるだけ減らしたいという信念があるようです。  ビッグバン宇宙では、その開始が既存の物理学では説明不可能なため、「神の一撃」などと称したりします。内部に特異点が実在するブラックホールですと、特異点から何が出るかは分かりません。一応、特異点は必ず事象の地平面で覆われていて、特異点が外の宇宙に影響できないという仮説(宇宙検閲定理)はあります。  ホーキング博士は、そういうことも物理学から除いて考えたいようです。そのため、虚数時間でビッグバン以前にも物理学法則を模索したり、特異点はミクロの物理学では特異点ではなく、やはり物理学法則が通用すると試みています。  どうでもいいと言えば、どうでもいいようなことではあるんですけど、そこは博士のこだわりなのではないかと思います。私個人としては、そういうこだわりに、敬意を持っています。  そのこだわりは、アインシュタインが「神はサイコロを振らない」と述べたのとは、意味が全く違います。アインシュタインは確率が事象の本質ということに納得しなかっただけです。全てのことは確定しているというこだわりですね。  ホーキング博士のこだわりは、人間の理解力は限界がないということのようです。別に無神論とかは関係なくて、単に考えることが大好きなだけとも言えます。

  • foomufoomu
  • ベストアンサー率36% (1018/2761)
回答No.3

>No.1の人の回答によると、 No.1の回答は、私の回答とはまるで違うことを言っています。両者をむすびつけて考えないでください。 >『時間が停止』したなら 停止しません。外部の人からは、無限にゆっくり動いているように見えるだけです。 ロケットに乗っている本人は、普通に時間が流れていると感じます。 >ブラックホールが完成するのに無限の時間なのに、消滅するのには有限の時間がかかる ってのは不思議なので 私も、超ふしぎな回答と思います。

kidx
質問者

お礼

え~と、『時間が停止する』ってのは、一種の言葉の遊びとして捕らえてください。このロケットの中での1秒が外の時間では1兆年になるという場合でも、『時間は停止』していないと思っています。まぁ、これほどブラックホールの外と内側で時間の経過に差がでる場所では、『すでにロケットはロケットの姿を留めていない』という細かいことも抜きにしてです。 この質問をして、皆さんの回答を読んで、『時間が停止した』って事は『時間が消滅した』ってことだと、思いついたんですが、『それは違うぞ!』って意見だったら、教えてください。 消滅するのに有限の時間ってのは、1兆年の1兆倍の時間、あるいはそれ以上の時間 だったら 納得ですけどねぇ

  • foomufoomu
  • ベストアンサー率36% (1018/2761)
回答No.2

時間が消失・・・というのは小説での表現ではないでしょうか。物理学的な表現ではないですね。もともと時間なんてものが存在するのかどうかさえ明確にわかってないのですから。(人類は、1日を24等分する以外、時間については何も知らない) ブラックホールにロケットが墜落すると、ブラックホールの外側(シュバルツシルド半径の外側)にいるうちは、周りにいた人には、ロケットもその中の人も止まっているように(正確には超ゆっくり動いて)見えますが、ロケットの中にいる人は(生きていれば)、何事もなく時が過ぎているように感じます。自分にとっての自分の時間は変わらないのです。 シュバルツシルド半径の内側のできごとは、外にいる人には永遠にそこには届かないように見えるので、意味がありません。 ロケット内の人がどう感じるかは、想像するしかない世界です。 しかし、量子力学が成立するようなミクロの世界には届かないはずです。中心に近づくほど電磁気力(原子や電子の力)が急激に大きくなって重力に反発しますから。この領域では、たとえブラックホールでも、電磁気力に比べると重力はとても小さな力になります。

kidx
質問者

お礼

ありがとうございます No.1の人の回答によると、『シュバルツシルド半径の内側』ができるまでには、無限大の時間がかかるということですし、すでにこの宇宙に完成したブラックホールが存在するのは、ビッグバンの時から存在するブラックホールしか考えにくそうなので、しかも消滅するのに有限時間なら、宇宙誕生から137億年たった今では、とっくに消滅してるんでしょうね。 ちょっとつまんないですけど・・ 『時間が停止』したなら『時間は消滅』してるってことですよね。要するに、言葉だけの意味としては、全くちがうけど、表してる状態としては、同義語ってことですよね?時間がなくなれば空間も物質もなくなるんだろうしなぁ ブラックホールが完成するのに無限の時間なのに、消滅するのには有限の時間がかかる ってのは不思議なのでこれで新たに質問しようかなと思ったけど、回答がより専門的になりそうなのでやめます 以上

関連するQ&A