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ブラックホールは完成していますか。
これは、あくまでも、ブラックホールを遠方からみたときの話です。最初から最後まで視点はそれにして、くれぐれも別の視点に変えないでください。 ブラックホールに物が落下するのを観察すると、事象の地平面(シュバルツシルト半径)の近くになればなるほど、強い重力のため物体の時間の進み方が遅くなり、落ち方はゆっくりになり、ほとんど動かなくなります。で、物体が事象の地平面に到達するためには無限の時間を要します。つまり、有限の時間では物体は事象の地平面に到達することはありません。 ここで、ブラックホールが形成されるときのことを考えます。ブラックホールになる前は、高密度の中性子星だったりします。その天体の中心から表面までの距離をRとするとRが有限の時間内にシュバルツシルト半径に到達できるのでしょうか。 ブラックホールというのは、天体の全てがシュバルツシルト半径の内側まで収縮したものだと思います。だから、収縮しているときは、その天体はブラックホールとは言えません。まだ、事象の地平面はできていません。 私は数学的なことはわかりませんが、ただ、最初からあるブラックホールに物体が落下する場合と、ブラックホールになろうとする天体が収縮するときの動きは計算が違うのは想像できます。 収縮するときは、天体の表面がシュバルツ半径の内側まで縮んでいこうとする段階で、この段階では、どこにも事象の地平面は形成されていません。つまりは、時間が止まっている場所は存在していません。 天体の表面は、そこまでいくと時間が止まる予定の面に向かって収縮していきます。いわば、縮み方がゆっくりになりつつあるだけで、縮み方が止まってしまう面は形成されていません。 こういう場合は、なにか、計算上の相殺みたいなことが起きて、無事に天体の表面はシュバルツシルト半径の内側まで入ることができるのでしょうか。 そうでないと、宇宙に完成したブラックホールは存在しないことになってしまいます。 どれも、形成途中のブラックホールということになってしまいます。どうなんでしょうか。 (あくまでもブラックホールの遠方からみての話です)
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- head1192
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ここで大事なことは、「観測者が見る世界」と「落下者が見る世界」は違う、ということである。 これは両者の時空の構造が異なり光すらその影響を受けることによる。 落下者から見て光が光速で直進しているとする。 しかし観測者から見ると落下者の時空はドーナツ状でしかもかなり押し縮められていたとしたら。 観測者から見たその光は円を描き光速よりも遅くなるはずである。 時空の構造は人間には感じられないからである。 ブラックホールに落下する物体も同じである。 無限遠にいる観測者から見れば、時空の歪みの関係で、落下者は次第に減速し時空の地平線上で静止する。 これは、特異点に流れ落ちる時空の速さが特異点に近づくにつれ速くなり、事象の地平線上で光速になるからである。 しかし落下者から見ればその歪んだ時空こそが正常の時空である。 落下者は特異点に向けて自由落下し、詳細は省くがシュバルツシルト半径も特異点に近づくにつれ縮小、特異点に達すると同時にシュバルツシルト半径も特異点に収束、落下者は有限時間内に特異点に激突する。 分かりやすい例を挙げる。 xy=1という関数がある。 y軸とx軸が漸近線である。 そして落下者はxy=1上をy軸に向けて等速運動するものとする。 これをx軸上にいる観測者から見たらどうなるだろう。 観測者には落下者の速度のx成分しかわからない。 落下者がy軸に近づくにつれ速度は急速に落ちてゆき、永遠にy軸にたどり着けない、という図になる。 実際のブラックホールでは落下者は有限時間内に特異点に激突するのでxy=1とは違う。 しかし「観測者が見る世界」と「落下者が見る世界」が違うというのは、そういう感じのことである。
- Nakay702
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>無事に天体の表面はシュバルツシルト半径の内側まで入ることができるのでしょうか。 ⇒面白いテーマですね。 シュバルツシルト半径周辺は、ある意味、いわば「臨界部」ですよね。そこでは、クオークやフォトンなどが対生成したり、対消滅したりすると言われます。そして、いろいろな物質・チリ・ガスが入り乱れ、あちこちで対生成と対消滅が頻発し、一部のものはブラックホールに吸い込まれ、別の一部は弾かれて宇宙の彼方に飛び去ってゆく…といった状況が彷彿されます。
補足
あくまでも、遠方の視点で、ブラックホールは完成するのかという質問です。 それはそれとして、 >落下者は特異点に向けて自由落下し、詳細は省くがシュバルツシルト半径も特異点に近づくにつれ縮小、特異点に達すると同時にシュバルツシルト半径も特異点に収束、落下者は有限時間内に特異点に激突する。 シュバルツシルト半径というのはブラックホールごとの決まった値だから縮小しないのではないでしょうか。縮小するのは落下者にとっての「事象の地平面」ではないですか。で、シュバルツシルト半径というのは無限遠の観測にとっての事象の地平面ではないですか。そういう定義の値で、それは固定ではないですか。事象の地平面は、観測者に対して光が、その面よりも奥から届かない面のことです。シュバルツシルト半径は、無限遠の観測者が事象の地平面となる位置を計算したときの半径だと思っています。違いますかね。