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デルタ関数の積は定義されませんが、変数が異なる時は

δ(x)の2乗などは、数学的に定義されないのは、知っています。 でも、量子力学の教科書には、(例えば、連続固有値の場合) 何とか=δ(x-x0)δ(y-y0)δ(z-z0) というような記述があります。 この場合、変数が異なるので、かまわないのでしょうか? それとも、数学的には、やはり誤っているのでしょうか?

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noname#221368
noname#221368
回答No.4

 #2です。ここでは1,2,3次元のδ関数を、δ1,δ2,δ3と書きます。  確かにδ3=δ1^3なので、値も(考えたとして)違いますよね。δ3(0)=δ1(0)^3です。  ええと、δ関数の開発経緯を言うと、   δ3(r-r0)=δ1(x-x0)・δ1(y-y0)・δ1(z-z0)   (a) が最初にあった訳ではないんです。とにかく最初は、3次元で#2の(1)と(2)を満たすものとして、δ3を考えました。ところが3次元の体積積分は累次積分として扱う事が多いので、δ3を累次積分用に分解できないか?、と考えた訳です。  そこで、1次元で#2の(1)と(2)を満たすものとしてδ1を考えてみると、δ3とδ1の結果を比較して、形式的に(a)が言える事がわかりました。これは後に、数学的に基礎づけられます。δ3とδ1は、厳密には、関数として別物です。  非常に乱暴に言うと、1次元の場合のδ関数の値は、特異点を含む無限小の1次元線素をdxとすれば、(1),(2)より、   δ1・dx=1   (b) を満たすものとして定義されます。(b)の言ってる事は、「δ関数の値を取るなら、常に線素とペアで使え」という事です。逆に言うと、δ3の値は、常に3重積分の中でしか意味を持たない、という事です(2重積分以下なら、無限大。4重積分以上なら0です)。   δ3・dxdydz=(δ1・dx)・(δ1・dy)・(δ1・dz)=1・1・1=1  (b)  直観的にδ関数は、何かの密度が1点に集中したものだ、というのはわかると思います。値δ1,δ2,δ3は、線密度,面密度,体積密度の単位を持ち、関数しては当然別物で、この順に「濃く」なります(←密度の定義です)。  δ3はδ1の3乗分濃いんだけれど、dxの3乗分で薄めて使えばOKよ(^^)、というのが、(b)の言ってる事です。  δ関数は、通常の微積操作などが全て可能なように、非常に巧妙に(実用的に)考えられたものです。実用的に使う事を目的として、δ関数はつくられました。  #2さんの仰るように、まずδ関数の形式的操作に慣れる事を、おすすめします(^^)。

morimot703
質問者

お礼

納得です!! ありがとうございました。

その他の回答 (3)

回答No.3

δ関数は量子力学の理論においてDiracが初めて導入しました.質問者様の仰るように位置演算子xの連続固有値x_0固有関数としてδ(x-x_0)を採用したのです: xδ(x-x_0)=x_0δ(x-x_0) これは一次元ですが,三次元になると,演算子は位置ベクトルr=(x,y,z)となり, rδ(x-x_0)δ(y-y_0)δ(z-z_0)= =({xδ(x-x_0)}δ(y-y_0)δ(z-z_0),δ(x-x_0){yδ(y-y_0)}δ(z-z_0),δ(x-x_0)δ(y-y_0){zδ(z-z_0)}) =({x_0δ(x-x_0)}δ(y-y_0)δ(z-z_0),δ(x-x_0){y_0δ(y-y_0)}δ(z-z_0),δ(x-x_0)δ(y-y_0){z_0δ(z-z_0)}) (x_0,y_0,z_0)δ(x-x_0)δ(y-y_0)δ(z-z_0) =r_0δ(x-x_0)δ(y-y_0)δ(z-z_0) となりますから,固有値はr_0=(x_0,y_0,z_0)で固有関数は一次元の固有関数の積 (☆)δ(x-x_0)δ(y-y_0)δ(z-z_0) となります. 数学的にはもちろん注意を要しますが,Dirac自身そんなことはお構いなく理論的な定式化を勧めました.それで物理学的に有意な結果が得られ,実験をも説明するなら数学的には未完成でも物理学的には成功したと言えるでしょう.現在の場の量子論も数々の成功を収めていますが,数学的に未解決な部分も多いのです. なお1次元の3つの固有関数の積は3次元のδ関数ととみなされ, δ(r-r_0)やδ^3(r-r_0)など と書くことが多いです.数学的にはFourier解析やGreen関数の理論にもよくでてくるので,とりあえずはDiracのように直感的にどんどん使いましょう.

noname#221368
noname#221368
回答No.2

>この場合、変数が異なるので、かまわないのでしょうか?  かまわないんです。というか、3次元のデルタ関数の標準的な分解です。1次元で一番いい加減にデルタ関数を定義すると、次のようになるのは、ご存知だと思います。x0をδ関数の特異点として、   (1)x≠x0なら、δ(x-x0)=0.   (2)x=x0を含む任意の区間で積分すれば、∫δ(x-x0)dx=1.  rを3次元空間の任意点として、r0=(x0,y0,z0)を特異点とする3次元のδ関数を、δ(r-r0)で表せば、   δ(r-r0)=δ(x-x0)δ(y-y0)δ(z-z0)  (3) と書けます。どうしてかと言うと(3)は、x,y,z方向のδ関数の積なので、   (1’)    r≠r0なら、x≠x0かつy≠y0かつz≠z0なので、(1)より、δ(r-r0)=0・0・0=0.   (2’)    r=r0を含む領域での積分は、累次積分にできるので、(2)より、          ∫∫∫δ(r-r0)dxdydz=∫δ(x-x0)dx・∫δ(y-y0)dy・∫δ(z-z0)dz=1・1・1=1. となり、(1),(2)と同じ性質を満たすからです。  まぁ~、強引な論法なのは認めますが、こんなところで納得して頂けないでしょうか?(^^;)。

morimot703
質問者

お礼

累次積分というのは、知りませんでした。 ありがとうございます。 でも、r0=(x0,y0,z0) の点では、δ(0)の3乗 に等しくなるのでは、ないのですか。 δ(x)の3乗は、定義されないが、δ(0)の3乗なら問題ないのでしょうか?

回答No.1

超関数には詳しくないのですが、デルタ関数はよく使います。 1次元の定義の自然な拡張なとしての3次元のデルタ関数が 無ければ、それはとても不自然に思えます。 数学的には厳密には「rigged Hilbert space」とかで説明するようですが 私には皆目わかりません(^^;

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