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スペクトラムアナライザで観測することの利点

先日、講義で任意の関数をフーリエ級数で展開して、 各周波数ごとにどれだけ電圧が加わっているかをスペクトラムアナライザを用いれば 観測することができる・・・みたいなことを教わりました。 そこでなんですが、 そもそもフーリエ級数展開してわざわざ正弦波だけの式に分けることの利点って何かあるんでしょうか? 時間軸に対する波形さえ分かれば特に問題が無い気がするのですが、 なぜわざわざ展開して、たくさんの正弦波の周波数の項に分けるのかなーっと疑問に思いました どなたかよろしくお願いします。

みんなの回答

  • joshua01
  • ベストアンサー率66% (222/333)
回答No.8

こんにちは。 フーリエ変換とスペクトルアナライザの「存在意義」についてのご質問ですね。 波(振動)の分析をするのに波形を見るだけでなく、「フーリエ変換により正弦波に 分解して見る」(周波数成分を分析する)ことの実際の意義についてのご質問とお見 受けします。 次のような例のご説明ではいかがでしょう。 基本的には、 ”「共振」を利用する「電波利用」の世界と「機械振動」の世界ではかなり重要な(大きなお金の動く)問題になります。” ここで「共振」とは、「ある長さの棒には振動しやすい周波数があり、その周波数の正弦波の振動を加えると全体が特に強く振動する。複雑な波形の振動を加えてもその波形のとおりには振動しないが、その波形に振動しやすい周波数成分が含まれていると、あたかもその周波数の正弦波のみが加わったように強く振動する」というものです。 ○ 電波利用の世界 電波利用の世界では文字通りの「周波数」をお役所から割り当ててもらいます。 例えば携帯電話の会社が、900MHz~910MHzの10MHzの幅をもらったとき、ある会社は1MHz幅×10chで使うこととし、別の会社は2MHz×5chで使うこととすると、前者は10組のお客さんが同時に通話でき、後者の最大5組までの場合比べてより多くの顧客を加入させることができます。 ところが、電波でデジタル信号(1・0)を送る場合にはその符号に応じて電波の波形を高速で変動させる必要があり(もっとも単純なものでは「1なら強い電波、0なら弱い電波」など)、その場合、電波のスペクトルが複雑に幅を持ってしまいます。 その分析や実験の結果、例えば「映像用の2Mbpsのデジタル信号では電波のスペクトル幅が1.2MHz必要」(上下で1.2MHz離れた正弦波成分がある)との結果となった場合、前者の会社は「映像の送れない劣ったサービス」として顧客から見放されます。 競争の激しい携帯電話の世界では、このような見落としが致命的となるので、「次の時代に期待されるサービスの種類とそれに必要な伝送速度とスペクトルの広がり方の関係」「加入が見込まれる利用者の数と通信の平均頻度」「お役所からもらえそうな周波数の合計幅」を本当に必死で比較・検討しています。 (なお、携帯電話会社が1つのチャネルを1MHz幅にするか、2MHz幅にするかの違いは、基本的には携帯電話に組み込まれた小さなガラス片の共振現象(クリスタル共振子)の利用方法の差(会社毎に異なる部品を使用する)だと理解すると良いでしょう・・実際には最近はコンピュータによる擬似共振処理が多くなっていますが・・・) ○ 機械振動の世界  例えば鉄骨組のタワーの上にエンジン付き発電機を置く場合、当然、エンジンの振動が鉄骨に伝わらないようなゴム(インシュレータ)を置きますが、波形ばかり見て振動をしっかり吸収させようとするとインシュレータばかりが大きく、高額になってしまいますね。 そこで、「どうせ住んでいる人がいるわけでない。エンジン回転速度は3000rpmで、振動波形を見たらやはり主振動50Hzなのはすぐわかったし、タワーは設計図からみた共振周波数が150Hzと220Hzで、静的強度も十分過ぎるほど余裕があるのだから、常識的なインシュレータでいいや」と決めて建築すると・・・ エンジンの振動波形をフーリエ変換(スペクトルアナライザで観測)してみたら、実は150Hzにも強い周波数成分が! これを見落とすと思いがけずタワー全体が150Hzで共振してエネルギーを蓄積してしまい、全体が思いもかけず大きく振動して大きな音が出たり、短期間で溶接が破断したりします。 (当然、事前にこれがわかれば予防できます。それも、「インシュレータをもっと高額な良い物に」ではなく、「静的強度に余裕があるので一部の鉄骨を少しだけ細くして、共振周波数を130Hzと190Hzになるようにする」など、コストがかからずに予防することもできるのです。なお、軽量化を限界まで突き詰めた航空機は、さらに詳細な検討が行われ、パイロットのマニュアルに「エンジンの回転数が○○rpmと○○rpmとなる飛行は機体の強度や乗客の乗り心地に影響するので短時間のみとする」などと記載され、燃費の良い回転数における振動スペクトルの一部と機体共振が一致してしまう場合には機体の一部にわざと重りを組み込んで共振を避けることさえ行われています。同様の工夫は自動車やエアコン等の設計でも行われます。) さてさて、長くなってしまいましたがいかがでしょう。 お役に立てば幸いです。

  • tadys
  • ベストアンサー率40% (856/2135)
回答No.7

No.1です。 フーリエ変換前の表現を時間軸表現、フーリエ変換した後の表現を周波数軸表現と呼びます。 周波数軸で表現することのメリットの一つは、表示のダイナミックレンジを大きく出来る事です。 例えば、1Vで1kHz の信号と1mVで1MHzの信号が加わった波形を時間軸で表すと1MHzの信号を認識する事はほとんど不可能です。 1Vの波形を10センチの振幅のグラフで表すと1mVの振幅は0.01センチです。 1kHzの信号の1サイクルの間に1MHzの信号は1000サイクル有ります。 この場合のグラフは単に少し幅の広い1kHzのグラフにしか見えません。 周波数軸で表現する場合の利点は振幅と周波数を対数表示できる事です。 1Vに対して1mVは-60dBですから1目盛を10dBで表すと1Vと1mVは6目盛の違いで表現できます。 直線表示では1000倍の差になりますね。 周波数軸(横軸)の表現についても同じ事が言えます。 例えば、1MHz、10MHz、100MHz、1000MHzの周波数を含む信号を表現するときに対数で表現すると等間隔に表す事が出来ます。(1目盛あたり10倍です) このように周波数軸で表現すると色々な周波数で色々な振幅を含む信号を上手く表す事が出来ます。 周波数軸で表現する事の欠点は位相情報が無くなる事です。 この為、従来のスペクトルアナライザでは時間的に変化が大きい信号を適切に取り扱う事が出来ませんでした。 このような信号の良い例は携帯電話の電波です。 このような信号を取り扱う為に、最近ではリアルタイムスペアナと呼ばれるスペクトラムアナライザが登場しています。 (従来型の)スペクトラムアナライザの説明はここが参考になるでしょう。 http://www.mits.co.jp/study/rohde_s.pdf

  • el156
  • ベストアンサー率52% (116/220)
回答No.6

何かの現象を見ようとするとき、横軸を時間にする方が良い時と、周波数軸の方が良い時があります。 時間軸の情報をフーリエ変換すれば周波数軸になりますが、逆に周波数軸の情報(位相も必要ですが)を逆フーリエ変換すれば時間軸の情報になります。固定観念を取り払えば二つは対等で、どちらが主でどちらが従ということは無いと思います。 人が直接感じる現象の場合、0.1秒程度より速い変化を時間軸で感じることは困難だと思いますが、音や振動として感じることは容易です。音の周波数は物の大きさや硬さに依存しますから、私たちが音を周波数軸で感じることができることは、私たちが環境を認識する上で意味のあることだと思います。 ほんの何十年か前までは、電気信号であっても100MHzを超えるような速さの信号を時間軸で扱うことは困難でした。しかし当時でも無線技術はそれよりずっと高い周波数の情報を周波数軸で容易に扱うことができました。今ではCPUがGHzで動いている時代ですから、ns以下でも時間軸の重要性が増していると思いますが、それでも赤外光ほどの周波数になれば時間軸で扱うことは困難だと思います。 周波数軸で見た場合、より速く振動する情報を扱えるという利点の他に、共鳴や反射といった現象を捉え易くなる点も重要です。さらに、ドップラー効果のようなことが起きない限り、周波数そのものが伝送によって変わることが無い、という所も周波数軸で認識することの利点だと思います。和音のそれぞれの周波数は空間内のどこの場所で聞いても変わることがありませんが、時間軸の波形は聞く場所が違えば全く違う形になってしまいます。 たとえ時間軸で動いているCPUを扱う場合であっても、共鳴や反射といった現象は避けて通れませんから、周波数軸で捉える必要が無くなるということは無いと思います。 人が認識できる情報の量は限られていますから時間軸の情報を捉えると言っても全てを見ることは不可能です。結局は時間を何処かで切り取って見ることになります。抜粋された情報のサブセットを見る場合に、目的に応じてそれは時間軸で見た方が有利なのか周波数軸で見た方が有利なのか、といった側面もあるかと思います。

  • se223
  • ベストアンサー率49% (49/100)
回答No.5

式から言うと、1つの波形は整数倍の正弦波の集まりです。 その整数倍の波形の電圧と位相がずれたりして加算されたのが現在見ている波形です。 三角波も矩形波も正弦波の集まりということです。 スペアナで高調波のレベルを見ていれば波形もある程度わかってきます。 更にどの周波数成分が多いかわかりますので、その周波数部分に対応するための部品 も選べます。整数倍の波形が他の機械の利用周波数を邪魔していることもわかります。 時間軸と周波数軸の両方から見ると色々な回路問題の解決策が見えてきます。 更に詰めていくとネットアナで位相も見たくなるのではないでしょうか。

  • misawajp
  • ベストアンサー率24% (918/3743)
回答No.4

質問者の実務経歴がないからです(もしくは学習が、その必要性を判断できるレベルに達していない) 実務に携われば、いかに便利なものかは実感できます

  • tohoho2
  • ベストアンサー率23% (16/68)
回答No.3

スペクトラムアナライザ(各周波数ごとにどれだけ電圧が加わっているか)とオシロスコープ(時間軸に対する波形さえ分かれば)の違いは、No1さんも言っているように、ダイナミックレンジです。 なぜ、ダイナミックレンジが違うのかというと、スペクトラムアナライザは狭帯域増幅器で信号を増幅(簡単に言えば、各周波数ごとに増幅して測定)するのに対して、オシロスコープは広帯域増幅器で信号を増幅(すべての周波数を同時に増幅して測定)するからです。狭帯域増幅器はバックグランドノイズが広帯域増幅器より少ないので、ダイナミックレンジ(信号とノイズの差を認識できる能力)が大きくなるのです。

  • dodoitu73
  • ベストアンサー率100% (1/1)
回答No.2

正しい使い方じゃないかもしれませんが実験的な側面から なんらかの計測をした場合必ずノイズがのります。 そしてノイズを消さないと実験というのは多くの場合なりたちません。 さて、ノイズ源はなんだろう・・・? と調べます 漠然と時間に対する波形を見ても何もわかりません。 しかし、それらをスペアナを通して周波数に対する波形をみたら50Hzの周波数成分が確認されました →交流電源由来のノイズが乗ってるのではないか? など由来判断に使えるのではないかと思います。 つまり、綺麗な波(電気回路とか)しか見なくていいような状況だったらオシロで十分だと思います。 でもいろいろな汚い波(電磁波とかなんでも)見るときはスペアナ欲しいですね

  • tadys
  • ベストアンサー率40% (856/2135)
回答No.1

使った事が無いとその有難味が分からないのでしょうね。 放送/通信関係の仕事をするには欠かせない道具です。 例えば、TV放送のように同時に何チャンネルもの信号が存在するときに、個々のチャンネルを分解して観測するのはオシロスコープではほとんど不可能です。 歪んだ正弦波の高調波成分がどれだけあるかを調べる場合、オシロスコープでは困難ですがスペクトルアナライザでは直接に観測できます。 オシロスコープとスペクトルアナライザの大きな違いはそのダイナミックレンジです。 オシロスコープの画面は8~10目盛ぐらいですから、画面から読み取れる分解能は100程度なのでデシベルで表すと40dB程度です。 スペクトルアナライザの画面表示は100dBぐらいのダイナミックレンジが有ります。 (実際に区別できる範囲は80~90dBぐらい) つまり、二つの信号のレベル差が40dB有る場合、オシロスコープでは観測できませんがスペクトルアナライザでは観測できるのです。 ちなみに、オシロスコープの画面はリニアスケールですが、スペクトルアナライザでは対数スケールです。

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