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ドル危機とユーロ
アメリカは今、双子の赤字を抱えています。 さらに財政赤字の対GDP比率が、メキシコ危機時のメキシコ政府のその値に近づいてきています。 もちろんアメリカは様々な政策を講じてドル危機の回避に努めると思いますが、もしこのままずるずるとドル危機が起こってしまうと、世界の金融はどうなってしまうのでしょうか。 代わりの通貨としてはユーロが考えられますが、ユーロもまだまだ弱い部分を沢山持っていると思います。 みなさんはどのように思われますか?
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基軸通貨についてですが、当該通貨の経済圏が大きければそれだけでなれるわけではありません。通貨そのものがハードカレンシーであることに加えて、政治体制の安定、いざという時の防衛力などが総合的に評価されるものです。現在アメリカは世界唯一の超大国として存在しているので基軸通貨としての米ドルというのはたやすく崩れるものではありません。(だからこそ、巨額の双子の赤字を垂れ流せるのですが。) ヨーロッパは50年以上かけて欧州統合に向かっています。ユーロ導入はその一過程に過ぎません。もし、欧州が統一させたらその時はユーロも基軸通貨としての地位を確立していることでしょう。蛇足ですが、ヨーロッパにおけるユーロ導入を見にした一部の人が「アジアに円経済圏を」というようなことを言いますが、そう一朝一夕にできるものではないのです。100年がかり(いやそれ以上)のプロジェクトですよ。日本もアジアにおけるリーダー国のひとつとして、壮大な夢に向かったビジョンを提案できるようになればいいのですが。。。 さて、協調介入についてですが、特に先進国といわれる国々は為替相場の極端な値動きを嫌います。とくに一国の経済が深刻な影響を受けて、その影響が他国にも波及する可能性は大きい場合には真剣な対策を考えます。その直接的な対策のひとつが協調介入であり、効果も一時的には抜群といえるでしょう。
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- TANAKA1942b
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ドルが世界の基軸通貨になったのは、1944(昭和19)年7月1日、ブレトンウッズ体制(IMF体制)が発足した時からです。世界各国は金本位制を捨てて、管理通貨制度にした。アメリカのドルは不兌換紙幣ではあったが、外国政府からの要望があれば、金1オンス35ドルの交換比率で交換する制度だった。それが1971(昭和46)年8月15日のニクソン・ショック、ニクソン米大統領が金・ドル交換停止などを含むドル防衛策発表するまで続く。その後金との交換は停止されるが、ドルが基軸通貨であることは変わらない。しかし基軸通貨であること、管理通貨制度、変動相場制などは十分には理解されていなかったと思います。ニクソン・ショックの直後、変動為替相場制に移行したヨーロッパ諸国もすぐにまた固定相場制に戻り、最終的に変動制にに移行した。これは各国ともどうしたらいいのか迷っていた証拠です。 こうした経緯でドルが基軸通貨になったのですが、そのメリット、デメリットはかなり政治的・社会的な面が大きいでしょう。アメリカは政治的・経済的な世界の指導者であろうとしています。そのためにはドルが世界の基軸通貨であることは必要なことです。EUは違います。どのような表現がいいのか、適切な言葉が見つからないのですが、「アメリカはデモクラシーと市場経済を強力に世界に広めようとする」「ヨーロッパ諸国はアメリカより社会主義に近い「民主社会主義」で、他国へ自国のイデオロギーを押しつけようとしない」。こうした違いから、基軸通貨であることのメリットはアメリカに大きく、EUには小さいと思います。経済的な面だけ見ると………、まとめるのに時間がかかりそうなので「又の機会に」とします。
補足
TNAKAさんのおしゃりたいことは多分わかります。 EUとアメリカ、ユーロとドルは、なんというか根本的にその性質というか核の部分が違うんですよね、きっと。でもEUもアメリカのように世界経済の中心となって、世界経済をひっぱっていきたいとは考えていないのでしょうか?できたらやはり基軸通貨になることを望んでいるのでしょうか? 「又の機会」楽しみにしています!!よろしくおねがいします!
- exotic
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>先進各国はアメリカのため、というより自国のために強調介入するんですよね? やはりそれだけ基軸通貨としてのドルの各国経済への影響はすごいんですね。 で、質問なのですが、先進各国はどのような介入をすると思われますか?やはりいっせいにドルを買うのでしょうか?そしてその効果はどのくらいのものになると思われますか? 少々おかしな質問をしてしまいましたが、再びの回答をよろしくお願いします!! 今後$が下落した時の状況が現時点ではよく分からないので、過去の例を述べます。1998年の$売り協調介入は、当時小生は北米勤務だったんですが、記憶が曖昧で申し訳ないのですが各国市場が始まった毎に介入をしてたと思いますFEDも米国じかん8-9時頃に介入を始めていたかと、金額的には小額でしたこの時は額より一般的にいうアナウンスメント効果をねらったものだったと思います。またその日の相場への影響は、1.5-2.0%程度だったと思います。その後は投機筋のポジション調整を促し$高は是正されました。
補足
再び回答していただき本当にありがとうございます!! ドルの下落は今後どのように動くのでしょうね。 各国が協調介入を行い、ドル安をくいとめるのか、 それともドル危機になってしまうのか。そして、ドルの動きとともに円やユーロの地位はどのように変化していくのか。政治的・経済的要因がいろいろと絡んでくると思うので選択肢は2つとは限らないのですが、この先の国際金融の動きには非常に興味があります。 また何かありましたらアドバイスをよろしくおねがいします!!
- TANAKA1942b
- ベストアンサー率49% (25/51)
日本経済が成長するとそれに伴って通貨流通量も多くなる必要があります。これを「成長通貨」と言う。「成長通貨は公債の買いオペにより供給する」が日本の金融政策の基本です。ところで世界経済ではどうか?世界経済が成長するとそれに伴って、通貨流通量が増大する必要がある。ドルが基軸通貨なら、世界市場にドルが供給されなければならない。それはアメリカの貿易赤字によって供給される。アメリカ経済の経常収支が黒字になると、世界市場からドルがアメリカへ環流する。 2003年10月23日テレビ東京WBSでロバート・マンデル教授が言った、「ドルが世界の基軸通貨である限り、アメリカは借金をし続けることになる」と。アメリカの経常収支の赤字を懸念する向きも多い。しかしアメリカが経常収支赤字でドルを世界市場にばらまいているお陰で、世界経済の成長通貨が供給されている、という側面も忘れてはならない。ちなみに「円をアジアの基軸通貨に」との主張もあるが、これは「円をアジアの基軸通貨にするために、日本は貿易赤字を出し、アジアに日本の通貨=円を供給しよう」との主張になる。この人たちは「日本は輸出を促進すべきだ」と言っているのか?それとも「赤字を出して、アジアに円を供給しよう」と言っているのか?多分自分の言っている矛盾に気づいていないのだろう。
補足
>ドルが基軸通貨なら、世界市場にドルが供給されなければならない。それはアメリカの貿易赤字によって供給される。 すごくもしもなのですが、ドルに代わってユーロが基軸通貨となるには、上記のように、世界中の市場にユーロが供給されなければいけませんよね?ということはEU諸国は貿易赤字になってしまうんですね?そういった場合、EU諸国はユーロが基軸通貨となることを歓迎すると思われますか? やはり、基軸通貨としてのメリットが他にもいろいろある(基軸通貨発行特権など)ので大歓迎なのでしょうか?ユーロ加盟国には安定成長協定(一つは、公的債務を対GDP比60%におさえること)を守る義務があるので、やはり、貿易赤字やそれをファイナンスするための借金の増加は、ユーロ加盟国にとっては喜ばしいことではないように思うのですが… アメリカが多額の借金を抱えていても依然ドルが基軸通貨であり続けていることをみると、基軸通貨のメリットは借金を抱えるというデメリットよりも大きいのでしょうか? 私は国際金融について知識が乏しい(今勉強中です!)ので、よろしければそのあたりのことも是非教えて下さい!よろしくおねがいします!
- tuna-salad
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ご存知のように、スノー財務長官をはじめ現在の米政権の基本スタンスを文字通りに取ると、「強いドルは米国の国益にかなう。しかし、為替水準は市場に任せるべきだ」というものです。総合的な状況からこのスタンスは市場関係者のなかで、「米国内輸出産業の損益下支えのため、市場が穏やかにドル安を進めることを歓迎する。しかし、ドル安によって投資家がドル建て資産の保有を嫌い、米国及び米国内企業のファイナンスに支障が出るような事態にはさせない」と理解されているのではないでしょうか。現在の水準は公式にはECBも容認していますが、EUR高はドイツの輸出産業等にボディブローのように効いてきていますし、日本のJPY高に対するスタンスはご存知の通りです。結果として、米国のファンディングに支障をきたすようなUSD売りが生じた場合、EUR圏各国、日本のみならず、イギリス・カナダ・豪州を含むG7の協調介入が実施される可能性が高いのではないでしょうか?(もっとも現在、米国は景気下支えのための減税政策を取っており、この効果が経済指標にも表れています。企業部門もリストラが一巡し設備投資が増加するなど、他の主要各国(除・英国)と比べて堅調な景気回復基調にあると考えられています。こうした認識は米国への資金流入を下支えし、上記のような事態が発生することを抑制していると考えていいのではないでしょうか?)
補足
>米国のファンディングに支障をきたすようなUSD売りが生じた場合、EUR圏各国、日本のみならず、イギリス・カナダ・豪州を含むG7の協調介入が実施される可能性が高いのではないでしょうか ユーロ各国も協調介入するのですか…? ここぞとばかりにドル潰しにかかったりはしないのでしょうか?幼稚な疑問をなげかけてしまいすみませんm(__)m国際金融の理解がまだまだな証拠です。 もう一度各国による強調介入について詳しく教えていただけると非常にうれしいです! よろしくおねがいします!!
- exotic
- ベストアンサー率43% (13/30)
レベルによるのでは1$=50円、1Eur=2.5$とかになれば海外から多くの資金流入によって支えられている米国証券市場は混乱するでしょう、がしかし逆に言えば¥、Eurが上記のレベルまで上昇する確固たる理由も在るとも思えませんし、ブッシュ政権がいくら市場に任せるといっても、国益を阻害する水準まで$が下落すれば、ビリーさんがおっしゃるとおり、先進各国による協調介入等が考えられます。
補足
>先進各国による協調介入 先進各国はアメリカのため、というより自国のために強調介入するんですよね? やはりそれだけ基軸通貨としてのドルの各国経済への影響はすごいんですね。 で、質問なのですが、先進各国はどのような介入をすると思われますか?やはりいっせいにドルを買うのでしょうか?そしてその効果はどのくらいのものになると思われますか? 少々おかしな質問をしてしまいましたが、再びの回答をよろしくお願いします!!
- HAL007
- ベストアンサー率29% (1751/5869)
質問を読んで先ず感じたのは「今更何?」です。 アメリカの双子の赤字はベトナム戦争後から語られていることです。 日本が米国国債を買い続けている内は大丈夫でしょう。
補足
>日本が米国国債を買い続けている内は大丈夫でしょう。 日本の米国国債の保有額はアメリカの双子の赤字を完全にカバーしているのですか?どのくらいカバーしているのか教えていただけると幸いです!
お礼
ご回答ありがとうございます! やはり、ユーロが基軸通貨となるのは難しいようですね。でも今のアメリカは政治的にも社会的にも不安定な部分を持っていますし、世論の批判、世界の反米感情の高まりを見ると、今後ヨーロッパの政治面での統合が順調に進めば、ユーロの台頭もありえないこともないかなと思います。中東での石油取引もドルからユーロにシフトする動きもみせていますし・・・