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「ブデンブローク家の人々」の領事
「ブデンブローク家の人々」(円山修平・訳)にはブデンブローク自身を含め”領事”という人が何人もでてきます。別に他国からの外交官ではなくて、その土地の名士で商売などやっている人のようです。Konsulの訳だと思うのですが、どういう役割の人なのでしょうか。
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岩波文庫の「ブデンブローク家の人々」ではコンズル(名誉領事)となっています。名誉領事は広辞苑によると「本国から派遣されず、その国在留の本国人または接受国人の中から選任されるもの」となっています。「ブデンブローク家の人々」の場合、接受国がドイツでというのはすぐわかりますが、本国とはどこなのかを調べました。 Wikipediaのブデンブローク家の人々に以下の記述があります。 「1代目の当主である老ヨハン・ブッデンブロークは、現実的な性格を持って商会を立ち上げた人物であり、作中ではすでに引退して次男に商会をゆだねている。2代目ヨハンは商会を維持していきオランダ領事の名誉職も得るが、1848年の革命の影響で商会に多大な損害を与えてしまう。3代目トーマスは一家を誇りに思い家長としての威厳を保つように務めるが、その反面自分の精神的な弱さと一族の没落を察知しており、孤軍奮闘の末に心労で倒れる。残された4代目ハノーはすでに現実的な望みを失っており、音楽のみに情熱を傾けている。」 つまり本国はオランダということになります。ハンザ同盟の中心地リューベックの「ブデンブローク家」は貿易によってオランダとも関係が深く、オランダの依頼により名誉職である「名誉領事」を引き受けていたものと思われます。
お礼
なるほど。そういうタイプの領事があったのですね。わかりました。ありがとうございました。 その他にもブデンブローグ家の周囲にはデールマン領事、フリッチェ領事、クレーガー領事など領事なる人が沢山でてくるので戸惑ってしまいました。