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裁判長、裁判所長官、裁判所所長は、同じ意味ですか?
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裁判所法を読めばある程度わかる。 まず、裁判長というのは全く異なる概念なので後に回す。 裁判官というのは裁判権を行使する公務員の総称であるが、実際には色々な裁判官がいる。最も代表的なのは「判事」である。判事とは、裁判官として活動する資格のある国家公務員の一官名である。あくまでも公務員としての名称であり、裁判官としての権限を行使する側面から見れば裁判官となるのである。そして、判事以外にも裁判官として活動する資格のある国家公務員はいる。それが、最高裁判所長官、最高裁判所判事、高等裁判所長官、判事補、家庭裁判所判事である。 最高裁判所長官は最高裁判所の長たる裁判官であり、高等裁判所長官は高等裁判所の長たる裁判官である。よって、別途「所長」を設ける意味がないので、最高裁判所と高等裁判所には所長はいない。それぞれの司法行政事務は、裁判官会議で執り行うが、長官が総括する。 一方、地方裁判所、簡易裁判所、家庭裁判所には「長たる裁判官」がいない。しかし、司法行政事務を執り行う都合上、責任者とでも言うべき存在が必要である。そこで、地方裁判所、家庭裁判所では裁判官会議により司法行政事務を行うがそれを総括する役職として所長を置き、簡易裁判所に二人以上の裁判官がいる場合には、指名を受けた裁判官が司法行政事務を掌理することになっている。 つまり、「長官」というのは裁判官たる国家公務員の官名であり、同時にその裁判所の「長」であるわけであるので役職を示す職名でもあるが、「所長」というのはあくまでも役職を示す職名に過ぎない。官名は判事である。検察庁も似たようなところがあり、検事正というのは官名でなく地方検察庁の長を意味する職名である。官名はあくまでも(一級)検事である。検事総長は官名であり、同時に職名でもある。官名はいわば警察の階級(巡査とか警部とか警視とか)のようなもので、職名は警察の役職(部長とか署長とか)のようなものである(ただし、警察の階級はあくまでも上下の階級であるが、官名は少なくとも法律上は階級のような上下があるわけではない。)。なお、警視総監は、階級であると同時に、都警察、すなわち警視庁の長を意味する職名でもある(道府県警本部長は職名であるが、階級は警視監である)。 一方、裁判長は全く話が違う。裁判長とは、合議によって裁判を行う、つまり、複数の裁判官による裁判の場合にその裁判を行う裁判官の集合体を代表する裁判官のことである(ちなみにこの集合体を「訴訟法上の裁判所」と言う。)。最高裁判所の大法廷では長官が裁判長を行うが、小法廷では、長官が所属する小法廷の場合には長官が、そうでない場合には、各小法廷で裁判長となる裁判官を定める。下級裁判所では、支部、部などを総括する裁判官が裁判長を務めるのが通常である。 即ち、あくまでも、個別の裁判を行う場合に、それが合議体であれば、そのうちの一人を代表として裁判長とするだけであり、官名でも職名でもないのである。 参考資料として、裁判所法、法律学用語辞典などを読むとよいだろう。
その他の回答 (4)
所長・・・地方裁判所、家庭裁判所 長官・・・高等裁判所、最高裁判所 (注)「最高裁判所の長たる裁判官」というのが、 日本国憲法では使われています。 裁判長・・・合議制(3人の裁判官での裁判)のトップの裁判官 (真ん中に座っている裁判官)
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所長、長官の両方とも、その裁判所の長という意味で、裁判所の種類によって長の呼び方が違ったのですね。 一方、裁判長は裁判の長なのですね。 どうもありがとうございました。
- manno1966
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> 委員長と考えていいと思います。 少し訂正します。 各委員は生徒がやっているのですから、少し不適切と思いますので。 学校には複数の学年があり、各学年には複数のクラスがある。 各クラスには担任の先生がいる。 学校にたとえると、この各クラスの担任教師が「裁判長」にあたると思います。
- manno1966
- ベストアンサー率37% (1085/2875)
> 勉強していて ということですから、学校に例えてみましょう。 > 裁判長 裁判所には複数の法廷があり、複数の事件等を同時並行で処理しています。 その中の一つの事件等を担当する者ですね。 学校でいえば、図書委員とか保険委員、学級委員とかの委員会があり、その委員会の長、委員長と考えていいと思います。 > 裁判所所長 学校でいえば、校長かな。 > 裁判所長官 学校でいえば、文部科学大臣にあたるかな。
お礼
裁判長とは、通年の役職ではなく、裁判毎の役職だったのですね。 その他の役職についても、どうもありがとうございました。
裁判長:その裁判を担当する複数の裁判官のうち、主として活動するもの。 裁判所長官:最高裁判所および高等裁判所で一番偉い人。 裁判所所長:地方裁判所で一番偉い人。 よって > 最高裁判所所長とか、地方裁判所長官 は存在しません。
お礼
なるほど、最高裁判所所長とか、地方裁判所長官とかは存在しなかったのですね。 ありがとうございます。
お礼
詳しくありがとうございました。 これで、大方の謎は解けました。 長官というのは官名でもあり、役職名でもあったのですね。 一方、最高裁、高裁以外は長官がいないから、所長という役職だけがあって、それで名称が異なる訳ですね。 また、裁判長は役職名でも官名でもなく、それぞれの裁判毎に変わる訳ですね。 長官が大法廷の裁判長を勤めるため、長官=裁判長といったイメージがある訳ですが、必ずしも長官=裁判長ではない、と。 しかし、官名というのはややこしい制度ですね。 警察も、役職名だけにすれば、分かりやすくなるのだろうと思いました。 どうもありがとうございました。