微分方程式の級数解 a[0] * x^n
微分方程式
(d^2 y)/(dx^2) + (1/x) (dy/dx) - (n^2/x^2) y = 0 (x>0)
の級数解を、次の問いに従って求めよ。
ただし、n>0とする。
(1) 級数解を
y(x) = x^c * Σ[i=0,∞] a[i] * x^i
とおいたとき、指数cはどのように求まるか。ただし、a[0] ≠ 0であるとする。
解答
級数解を
y(x) = x^c * Σ[i=0,∞] a[i] * x^i
とおいて、項別に微分すると
dy/dx = x^c * Σ[i=0,∞] (c+i)a[i] * x^(i-1)
(d^2 y)/(dx^2) = x^c * Σ[i=0,∞] (c+i)(c+i-1)a[i] * x^(i-2)
これを微分方程式に代入して
x^c * Σ[i=0,∞] (c+i)(c+i-1)a[i] * x^(i-2)
+ (1/x) * x^c * Σ[i=0,∞] (c+i)a[i] * x^(i-1)
+ (n^2/x^2) * x^c * Σ[i=0,∞] a[i] * x^i = 0
x^c * Σ[i=0,∞] (c+i)(c+i-1)a[i] * x^(i-2)
+ x^c * Σ[i=0,∞] (c+i)a[i] * x^(i-2)
+ n^2 * x^c * Σ[i=0,∞] a[i] * x^(i-2) = 0
x^c * Σ[i=0,∞] { (c+i)(c+i-1) + (c+i) - n^2 } a[i] * x^(i-2) = 0
x^c * Σ[i=0,∞] [ (c+i) { (c+i-1) + 1} - n^2 ] a[i] * x^(i-2) = 0
x^c * Σ[i=0,∞] { (c+i)(c+i-1+1) - n^2 } a[i] * x^(i-2) = 0
x^c * Σ[i=0,∞] { (c+i)(c+i) - n^2 } a[i] * x^(i-2) = 0
x^c * Σ[i=0,∞] { (c+i)^2 - n^2 } a[i] * x^(i-2) = 0
x^(c-2)の係数について
(c^2 - n^2)a[0] = 0
でなければならない。
したがって、a[0] ≠ 0の条件から
c^2 = n^2
c = ±n
と定まる。
(2) 一般解を級数解で求めよ。
解答
x^(i+c-2) (i=1,2,3,...)の係数について
{ (c+i)^2 - n^2 } = 0
でなければならない。
c=nのとき、
{ (c+i)^2 - n^2 } = (n+i)^2 - n^2
= 2ni + i^2 ≠ 0
であるから、a[i] = 0 (i=1,2,3,...)となる。
すなわち、これに対応する解は
a[0] * x^n ←これが分かりません
・・・とまだまだ続くのですが、a[0] * x^nになる理由が分かりません。
自分で考えてみますと、
Σ[i=0,∞] { (c+i)^2 - n^2 } a[i] * x^(i+c-2) = 0
で、(i=1,2,3,...)はすべてa[i] = 0になると言ってるのだから、残るはi=0のみ。
i=0:
{ (c+0)^2 - n^2 } a[0] * x^(0+c-2) = 0
{ c^2 - n^2 } a[0] * x^(c-2) = 0
しかも、c=nなので
{ n^2 - n^2 } a[0] * x^(n-2) = 0
{ 0 } a[0] * x^(n-2) = 0
・・・x^(n-2)の係数について係数は0という結果になりました。これでいいんですか???
たとえ、{ (c+i)^2 - n^2 } = 2ni + i^2としても、i=0なので0ですよね?
このa[0] * x^nはどうやって導いたのでしょうか?
教えてください。お願いします。
お礼
ありがとうございます。 x^n + a_1*x^(n-1) + a_2*x^(n-2) + … + a_n = 0 の1つの解をαとする。 max[1≦i≦n]|a_i|=a とおく。 |α|≧a+1 と仮定すると、 α^n = -a_1 α^(n-1) - a_2 α^(n-2) - ... - a_n よって、 |α^n|=|a_1 α^(n-1) + a_2 α^(n-2) + ... +a_n| ≦|a_1||α^(n-1)|+|a_2||α^(n-2)|+ ... +|a_n| ≦a (|α^n|- 1)/(|α|- 1) ≦|α^n|- 1 これは矛盾するので、|α|<a+1 ところで、方程式の解の絶対値の評価はこれが最善ではないと思います。 たとえば、|α|=a+0.9になることはありうるのでしょうか? より細かく評価するにはどうすればよいのでしょうか。 上の式で等号が成り立つとき、係数はすべて同じで、 |α^n|=a (|α^n|- 1)/(|α|- 1) ここで、正の実数t=|α|とすると、 t^(n+1)-(a+1)t^n+a=0 この方程式の正の実数解をより細かく評価するにはどうすればよいのでしょうか。