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運動エネルギーと力
運動エネルギーと力の概念の違いが知りたいです。 もちろん公式が違うのはわかるのですが。 運動エネルギーをもつということは力があるということですよね? 物体Aに力がくわわるというとは物体Aは運動エネルギーをもつようになる。 この表現ってあっていますか?
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> 運動エネルギーをもつということは力があるということですよね? > 物体Aに力がくわわるというとは物体Aは運動エネルギーをもつようになる。 答えは「そうではない」のですが、どこが違うのかが知りたいのですよね。 以下に自分なりの説明を試みてみます。 たとえて言うならば お金持ち=口座残高が多い=金を使いまくる みたいな等式が成り立ちそうに思ってしまうけれども実際はそうではない、というようなものです。 「運動エネルギー(K)」と「力(F)」は両方とも「運動量(p)」に関係があるのですが、この3つは別のものです。 つまり K と p の間には関係があり、p と F の間にも関係があるのですが、 もちろん K と p は違うものだし、p と F も違うものです。 関係があるけど違うもの、という例は、たくさんあります。 物理の範囲に限ってみても「熱と温度」「電流と電圧と電力」などの例があるし、 円の面積と円周の長さとか、会社の資産と収入や支出とかもそうです。 > 運動エネルギーをもつということは力があるということですよね? まず「力がある」というのが物理の概念としてはおかしいです。 力というのは「受ける」ものであって「ある(持つ)」ものではありません。 力Fを受けるとは、時間Δtのあいだに運動量pΔtをもらうことを言います。 言わば「寄付を受ける」「年金を受ける」と同じ意味で「力を受ける」と言っているわけです。 もしこれが 「運動エネルギーをもつということは運動量をもつということですよね?」 だったら、それ自体は正しいと言えます。 もちろん「運動エネルギー」と「運動量」が同じという意味ではありません。 運動量はベクトルであるのに対し、運動エネルギーはスカラーであって、性格が根本的に異なるのですから。 しかし「運動エネルギーは運動量の大きさで決まる」ということは言えます。 三角定規の面積は(形が相似なら)底辺の長さで決まる、というのと同じです。 他方、運動量と力の関係は、口座残高と口座取り引きの関係にたとえられます。 さきほどの「年金を受ける」を例に考えてみましょうか。 仮に1年あたり100万円の年金を受けて、それを何にも使わず貯めておいたとすると、 5年たてば500万円の貯金ができるでしょうか? 答えは必ずしもそうとは限りません。 最初に200万円の借金があったら300万円しか貯金できないわけですから。 力というのはこれと似ていて、力を受けると運動量が必ず増えるかというと、そうとも言えません。 もう少し物理的に言うと「力や運動量には向きがある」という点を考慮する必要があります。 大きな慣性をもって東向きに進んでいる物体に、西向きの力を加えたら、 その力はブレーキとして働くわけですから、運動量の大きさはゼロに向かいます。 (もちろん長時間にわたって力を加えつづけたら話は別で、西向きの運動量を生じます。) このことと、上に書いたこととをあわせて考えると、 > 物体Aに力がくわわるというとは物体Aは運動エネルギーをもつようになる。 とは言えないことが分かります。 力がブレーキとして働く(運動量の大きさを減らす)なら、物体は運動エネルギーを失うわけだし、 また物体が最初から運動しているなら、力など受けなくても物体は運動エネルギーをもつのですから。 (力を受けない物体は等速直線運動を続ける、という慣性の法則を思い出してください。) では初期状態を静止に決めておいたら、大きな力は大きな運動量を生じるでしょうか? それもそうとは限らないですよね。 運動量の変化は力の時間的積算量(力積)だから、 力の大きさだけでなく時間の長さも関与するはずです。 100万円の年金を1年もらった場合と、10万円の年金を30年もらった場合を考えてみてください。 以上、式でまとめて書くと K = p^2 / (2m) Δp = F Δt という関係がなりたちますが 「Kはスカラーだがpはベクトル」 「pはFの積算量」 という点に注意して考えれば、K, p, F の違いが理解できると思います。
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- Mokuzo100nenn
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重量の大きな高層ビルの一階の柱には大きな力が掛かっていますね。 でも、エネルギーを消費したり作ったりはしていません。 力が懸かるだけでは、エネルギーの話しにはならないのです。 さて、大地震が発生しました。 地震のエネルギーで建物が揺れます(=動きます)。 この時、先ほどの高層ビルの一階の柱は少々曲がることで、エネルギーを吸収してくれます。 吸収された地震のエネルギーは熱エネルギーとなって空中に放射されてゆくでしょう。 そうですね、運動エネルギーは動きがあるときに、その大変さを表す概念です。 運動エネルギーは熱エネルギーや電気エネルギーなど別の形態のエネルギーに変換することができます。 それにたいして、力は、静的なもので、必ず運動しているとは限りません。 ですから、「物体Aに力がくわわるというとは物体Aは運動エネルギーをもつようになる。」でありません。
- hitokotonusi
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>運動エネルギーをもつということは力があるということですよね? 根本的に間違っていますね。 力が働いていない等速直線運動をしている物体でも運動エネルギーは持っています。 運動エネルギーは、運動している物体が静止するまでになすことができる仕事量です。 >物体Aに力がくわわるというとは物体Aは運動エネルギーをもつようになる。 力が加わっていても、等速円運動では運動エネルギーはかわりません。 力は運動の状態を変化させるある作用をさします。 そして、その作用=力が加わった結果、運動エネルギーは増加する事も、減少する事も、変化しないこともあり得ます。
お礼
だいぶん分かりました。不明な点もあるのですが。私はスポーツに携わっているのですが物理の必要性を感じ勉強しなおしています。おかしなことを聞くかもしれませんが今後も宜しくお願いいたします。回答してくださったみなさまありがとうございました。