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お医者さんにお聞きしたいのですが

suzuchibi01の回答

回答No.11

精神科疾患がらみのものは、精神科医にとってどのようなものかは想像できませんが少なくとも身体科医師にとって「個」を優先するか「社会」を優先するか非常におおきな問題です。 医療は個人の疾患を治癒に導き生命を守ることが最大の目的であることには違いありませんが、社会と折り合いをつけながらこれを矛盾なく行うこともまた当然の社会要請として使命として併せ持っています。通常の社会では「個」を優先する場合には#9#10さんの言われるとおりにリスクに関する責任も個に負わされるものですが、精神科疾患をもつ患者の判断力は疾患によって一定低下していたり、通常から外れている部分があり、それが直ちには適用できない問題点があります。そのため医療の現場においてリスクはともすれば医療側に大きく投げかけられる傾向があるとともに裁量権という形で一部の権限も委譲されている(これでバランスをとっている)と考えるべきと思います(もちろん裁量の発揮には最大限クライアントの利益を確保する行動の原理を守らなければなりません。また医療者はそれを十分に理解していると思いますし理解するべきと思います。)。精神科治療において精神科医と患者を一体として扱う傾向や思考というのはこうした考えの延長であると思います。弁護士とクライアントの関係になぞらえて問題がないと思います。 事例のように<安易な家族への告知が患者さんの精神状態の悪化を招いた場合>とありますが、 こうした事態が起こっていること自体がすでに病態が悪化していることのあらわれであり、疾患の管理が上手くいっていないことの証明なのではないかと考えます。これは先の説明を援用すれば「精神科医との共同体」が個としての安定を逸した状況と言うことが出来ます。その場合、その不安定さがわかっている立場にありながら全てを(個としての安定性を欠いた)精神科医(と患者の共同体)に預けることは危険だし無責任であると考えます。もちろん前提はどうであれ、医師が自己の行動に関して責任を持たないことはありえません。医師の裁量として家族への説明が不可欠だと判断するからこそ説明に及ぶわけですので、その結果についての責任が問われることも承知の上のことです。繰り返しますが、その際の前提として、どの段階においても患者の精神背景を理解し最大限配慮しなければならないことに異存はありませんが、そこには社会性への最大限の配慮もまた求められます。だからこそ「患者への口止めを徹底する」「対象を必要最小限に留めて速やかに家族共々精神科主治医の指揮下に入る」ことを条件にお話するのです。これは医師に必要な最低限のバランス感覚とでも言うべきものです。 平時からリエゾン*の重要性は言うまでもありませんが、どのような形の連携であっても個々の医師にはそれぞれの責任分担が厳然として存在し、その範囲内におけるものはたとえ「精神科医が責任を持つから大丈夫」などといっても回避できるものではありませんし回避してよいものではありません。これは救急で運ばれた一件は別の診療契約として当事者間で成り立っているからですし、ともすれば個にかたより社会的な面を忘れるという医療に欠けている部分への対応義務でもあります。 救急に運ばれた段階では「このような状況に至らせてしまった責任と現状から復帰した後の再発防止のための厳格な治療の施行」が精神科医に、「この状況を打開し再発させないために必要な最低限/最大限のディレクションを行う責任」が身体科医に求められていると考えます。これは個々の医師がそれぞれの裁量に基づき満たさなければならないものです。また家族にとってはそれまでの精神科医と患者との間で結ばれ履行されていた内容に関して潜在的に不満や異議があることが当然考えられます(このような事態に至っているわけですからね)。これらをもって患者の現状が生命の危険に瀕する可能性がある場合には取り返しのつかない事態にいたる前の段階で最低限の説明による情報の共有は避けられない(それにより患者および家族の利益の総和を低下させないようにする責任がある)と断言しているのです。これは患者の疾患背景を配慮をせずに話していいといっているわけではないですよ。状態が安定しているならもちろん精神科主治医とは連絡をとるだろうし主治医へ状況を説明するでしょうし意向も確認はするでしょう、でも身体科主治医として必要と判断したら最後はその場での医師の裁量であり医師の裁量権は独立して認められるものだ(代わりに責任も独立して負う)ということを考えて話すわけです。そうした諸々の必要事項を満たした上で最後に残るものを考えての発言です。精神科主治医が駆けつけて対応をする時にそれを押しのけてするわけではありません。 私が最初の回答で「言うにもそれなりに事情はある」と結んだのは、端的に患者の意に反した説明が悪であり患者の権益を侵すものとして非難されるべきものであるという感覚に迎合できないことを表明したものです。結果として家族から患者に漏れて、望まない状況に至った事実はあったとしてもそれをもって患者の意に反して説明することが悪であるという論理は成り立ちえないということです。説明の必要性と説明に際しての配慮は別のものとして評価をするべきだという考えです。また自己の手を離れて起こっている緊急事態に際し、精神科医が専門だから…とする論理は緊急とか社会性というものを無視した理想論でしかないと感じます。必要最低限の社会的なバランスは保ちつつ速やかに専門家の手元に戻す…という論理であれば十分に納得がいきます。その速やかさが主治医への報告であり、家族への説明にも表れています。<必要最低限の社会的なバランスは保ちつつ>これを医療から外すことは絶対にできないものです。 *精神科特有の表現です。他科との連携、副科診療の意味合いで用います。

noname#9199
質問者

お礼

先生はとても命を尊重していらっしゃって、ご意見重く受け止めてます どんな方法にしろ患者の命を大切にしているのがわかりました すこし気が楽になりました お忙しい中本当にありがとうございました

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