• ベストアンサー

太陽電池について

太陽電池の電圧-電流特性がわかりません。与えてあるのは絶対温度、短絡電流密度、逆飽和電流密度が既値です。これに詳しいHPのアドレスでもかまいませんので、教えてください。

noname#4534
noname#4534

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • Umada
  • ベストアンサー率83% (1169/1405)
回答No.4

No.1でymmasayanさんが紹介しておいでのサイトは丁寧に説明してあると思います。敢えて申し上げますなら、ある程度知識がある人向けに書かれているため初歩の部分が少し省かれています。その部分を適宜補い、またモデルを少し簡略化しながら説明してみたいと思います。 太陽電池は基本的に半導体のpn接合でできており、大雑把に言えばpn接合ダイオードとです。ご存じかと思いますがpn接合ダイオードは、P型半導体とN型半導体がくっ付いた図1のような構造をしています。太陽電池の動作を知るためにはまずpn接合ダイオードのV-I特性を理解している必要があります。 ┏━━━┯━━━┓ ┨P型 │ N型┠ ┗━━━┷━━━┛ 図1 PN接合ダイオードの構造 さてダイオードの特性ですが、最初の段階では「順方向電圧をかけると電流が流れ、逆方向電圧では流れない」と定性的に取扱われます。これを電圧V-電流Iのグラフとして示すと図2のようになります。順方向では抵抗ゼロ、逆方向では抵抗無限大ということになります。(理想ダイオード)     ↑電流I     ┃     ┃     ┃     ┃ ━━━━┛───→電圧V     │     │ 図2 理想ダイオードの特性 しかし実際のダイオードの特性はこれから少し外れます。統計力学を使って計算するとpn接合ダイオードのV-I特性として次式が得られます。この式の導出は半導体物性や半導体デバイスの初歩の教科書に必ず出ていますから、必要なら読んでみてください。  I=I_0×[exp(qV/kT)-1]  (1) qは電気素量、Vはダイオードにかける電圧(正負両方あり)、kはBoltzmann定数、Tは絶対温度です。I_0については後述します(下付き文字を"I_0"(アイゼロ)のように表現しています)。exp(x)はご存じかと思いますが、指数関数e^xのことです。 (1)式の挙動として、次のことを押さえておいてください。 - Vを正の値で大きくすると、電流Iは急激に増加する - Vを負の値で大きくすると、電流Iは - I_0に漸近する(どこまでも増えるわけでなく飽和する) - 当然ながら、V=0でI=0となる このI_0のことを「逆方向飽和電流」といいます。koukさんのご質問の文章では代わりに「逆方向飽和電流密度」として与えられていますが、逆方向飽和電流密度×ダイオードの断面積=逆方向飽和電流の関係で換算できます。 これらの関係を図3に示してみました。表現の制約からあまり上手くは描けませんが、雰囲気は掴んで頂けると思います。     ↑電流I     │  *     │  *     │ *     │* ────*───→電圧V **** * │←ここが -I_0     │ 図3 実際のダイオードの特性 ではいよいよ、太陽電池の特性の話に移ります。 太陽電池は光を当てるとその内部で電子-空孔のペアが発生します。内部電界の存在により、電子はただちにn型半導体の側に、空孔はp型半導体の側に移動します。この挙動は電流源のそれに近いものです。また発生する電流は当てる光の強度におおよそ比例します。 よって太陽電池の粗い等価回路は、図4のようにダイオードDと電流源の並列接続として表現できます。I_sは電流源単体での出力電流で、出力端子A-B間を短絡すればそこに電流I_sが流れますから、これが短絡電流ということになります。なお先程と同様、短絡電流密度×断面積=短絡電流の関係が存在します。   I_s→ 出力端子A  ┌──┬─○←電流I  │  │D  (↑) ▼  ↑電圧V  │   ̄  └──┴─○→電流I       出力端子B 図4 太陽電池の(粗い)等価回路 この出力端子A-B間に電圧Vをかけ、Vを変化させながらA-B間を流れる電流がどうなるか考えてみましょう。 まず太陽電池がまったく発電していない状態(I_s=0)でのV-I特性ですが、この場合は電流源を取り除いても動作としては同じですから(電流源の内部抵抗は無限大として扱われる点に注意)、単にダイオードのV-I特性を測定していることになります。よって図3と同じ結果が得られます。 次に太陽電池に光を当てて発電させてみましょう。電流源はI_sだけの電流を発生しますから、端子A-B間に同じ電圧Vを掛けたとしても、流れる電流は発電していない時に比べI_sだけ減ります。(電圧源の内部抵抗はゼロとして扱われる点に注意) となると話は簡単でして発電している時のV-I特性は、図3のV-I特性をそのまま下にI_sだけずらせばよいのです。これを図に表したものが図5で、注目すべきはV-I特性の曲線が第四象限にかかってくるということです。すなわち「正の電圧がかかっていても、反対方向に電流が流れる」ということで、これは太陽電池(の等価回路)が外部に電力を供給していることを意味します。     ↑電流I     │  *     │  * ────│─*─→電圧V     │*     * **** * │←ここが -I_0 -I_sになる     │ 図5 発電時の太陽電池のV-I特性 これで大体お分かり頂けたと思いますが、図4の等価回路の場合、太陽電池のV-I特性は  I=I_0×[exp(qV/kT)-1] - I_s  (2) ということになります。koukさんは電流密度で質問しておいでですのでそれに沿った形に書き改めると、電流密度をJ、逆方向飽和電流密度をJ_0、短絡電流密度をJ_sとして、  J=J_0×[exp(qV/kT)-1] - J_s  (3) となります。 ymmasayanさんがご紹介のページは、内部抵抗や漏れ電流なども考えてもう少し精密にモデル化した等価回路で計算しているわけです。ただ初歩の段階ではそこまで考えると複雑ですし、既知の物理量が短絡電流密度、逆方向飽和電流密度、絶対温度だけだとすると上記の簡単なモデルで解く方法で差し支えないと思います。

noname#4534
質問者

お礼

返事が遅くなってしまいすみません!!Umadaさん、ここまで丁寧にありがとうございます。自分の知識のなさを感じました...本当にありがとうございました。太陽電池について少しですが理解できてきたとおもいます。どうぞ、これからもよろしくお願いします。私もがんばります!

その他の回答 (3)

  • moe225
  • ベストアンサー率62% (210/338)
回答No.3

koukさん、すみません ! ! ! ! たった今お返事を拝見しました ! ! > 単純な間違いをしているのでしょうか? ところで、まことに恐縮ですが、私どもでは今現在そこまで詳しいことが 解らない状態です ! そこでなんですが、もしかすると、もう少し待っておられると 私のような素人ではなく、その分野に詳しい専門家の方からの 丁寧なご回答があるかも しれません ! それか、もしお急ぎでしたら、再度、ここgooに改めてその旨書いて 質問されると、たまたまそのとき見ていた方からの よい回答が得られるかも…と思っています。 (なにしろ、ここはご存知のように人気のサイトですので、 たくさんの方からのご質問があり、分刻みでログが流れて行きますから) 本当に申し訳ありません。 どうかお許し下さい……… そして頑張って下さいね !

noname#4534
質問者

お礼

moe225さん、ありがとうございます。ここまで親身になって考えていただくとは思いませんでした。もう少し調べてみて駄目であれば、また投稿してみます!いい励ましもありがとうございました!!

  • moe225
  • ベストアンサー率62% (210/338)
回答No.2

koukさん、はじめまして。 すでにグッドな回答が届いていますが、それ以外に このあたりのサイトのうち、何か一つでも参考になればよいのですが。 (すでにご存知でしたら、すみません。) ちなみに、ここgooのサイトは専門的に詳しい方がたくさんおられるので このあとも、より適切なご回答が届きますようお祈りしています ! 頑張って下さいね。 http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%C2%C0%CD%DB%C5%C5%C3%D3 http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c2%c0%cd%db%c5%c5%c3%d3%a4%ce%c5%c5%b0%b5&hc=0&hs=0 飽和電流密度 http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%cb%b0%cf%c2%c5%c5%ce%ae%cc%a9%c5%d9&hc=0&hs=0

参考URL:
http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%C2%C0%CD%DB%C5%C5%C3%D3
noname#4534
質問者

補足

ありがとうございます!!太陽電池や太陽光発電についていろいろなことを知ることができました。ただ、電流の式に値を代入し電圧を変化させ、表計算ソフトを使って算出したところ、サイトにあるようなグラフにはなりませんでした。単純な間違いをしているのでしょうか?

  • ymmasayan
  • ベストアンサー率30% (2593/8599)
回答No.1

これが参考になればいいですが。

参考URL:
http://www.eko.co.jp/eko/a/sys040101.html
noname#4534
質問者

補足

やってみます!!

関連するQ&A

  • 太陽電池の電圧-電流特性

    太陽電池の電圧-電流特性を実験結果から、写真ようなグラフを得ました。電圧V=0の付近で電流密度が急激に上がる所があるのですが、こういうものなのでしょうか?それともやはり間違っているのでしょうか?回答よろしくお願いします。

  • 太陽電池

    太陽電池の温度特性について 太陽電池は温度が上がると開放電圧が下がりますが、 次の理論式からでは、温度が上がると開放電圧が上がってしまいます。 開放電圧Voc=kT/q*ln(Il/Is -1) お分かりの方がいましたら教えてください。 よろしくお願いします。

  • 太陽電池のモデル実験をしたいと思っています。

    太陽電池のモデル実験をしたいと思っています。 I = Iph - Is {exp(v/n*Vt)-1} - v/Rsh Iph;光電流、Is;逆方向飽和電流、n;ダイオード因子、Vt;kT/q(k;ボルツマン定数、q;電荷素量、T;絶対温度)、Rsh;シャント抵抗 という方程式を用いて、計算シミュレーションすることで、実験値と比較したいと考えています。 質問は以下です。 方程式を使用して、実際の太陽電池のIV特性を調べるために、その太陽電池の各パラメータが必要になりますが、その測定法がわかりません。 (1)光電流;Iphは太陽電池の端子に電流系を直列に接続し、測定する。で大丈夫でしょうか。 (2)逆方向飽和電流;Ishの測定方法は何もわからないので、どのように測定すれば良いか教えてください。 簡単な質問を。と思うかもしれませんが、インターネット等で調べたつもりですが分かりませんでしたので、初心者ということでよろしくお願いします。

  • 太陽電池の出力電流について

    太陽電池の出力電流について質問があります。 ●使用している太陽電池 秋月の1.5V 250mA 上記の太陽電池を2枚直列につなぎ、 緑LEDを20mAで点灯させようと思ったのですが、 ぼや~っと光る感じでとても20mA流れているようには思えません。 そこで電流計で太陽電池1枚の短絡電流を測定してみたところ、 だいたい17mAくらいの値が出てきました。 その時の開放端電圧は1.4V強でした。 そこで質問なのですが、 太陽電池に記載されている1.5V 250mAと言うのは  ◆最大出力電圧が1.5V  ◆最大出力電流が250mA と言う事ではないのでしょうか? 電圧はちゃんと出ているのですが、電流が 17mAではLEDひとつ光らせるのにやっとなので、 いまいち使い道がありません。 非常に困っているのでどなたか教えて頂けないでしょうか。 宜しくお願いいたします。

  • 太陽電池の測定方法(変換効率の求め方)カテゴリーを間違えたので再登録です(生物→物理)。

    太陽電池の変換効率を求める際、短絡電流と開放電圧のグラフI-V特性を求めるのですが、この短絡電流と開放電圧をどのように測定すればいいのかわかりません。回路を作るときどうすれば短絡電流が導きだされ、どのようなことをすれば開放電圧が出るのでしょうか?できれば回路や使う器具など詳しく説明いただければ有難いです。よろしくお願いします。

  • 太陽電池の発電について

    太陽電池の発電現象についての質問です。 (1)一般的に太陽電池に光を当てると電流が流れますが、太陽電池などの半導体だけなく、金属に光を当てたときも電流が流れる現象があると聞きました。(おそらくかなり微小なものだと思いますが。)この現象の名称が分かりません。 (2)また、蛍光灯、LEDライト、あるいはソーラーシミュレータ等の擬似太陽光のもとで、金属(主にAlやITO)はどの程度電流を流すのでしょうか。(μA?,nA?,あるいはもっと小さい単位なのでしょうか。)ちなみに表面積4cm^2以下のITO基板を使用しています。 (3)実際に太陽電池を光を当てて得られた電流が、金属層による発電ではなく太陽電池本体の層(有機物を使用しています)からの発電であることを証明するにはどうしたらよいでしょうか。現在文献を参考に作成しているのですが、大気暴露など非常に劣悪な環境下で作成しているため、本来ソーラーシミュレータを使って数mA/cm^2程度の短絡電流密度を期待しているところが、現状は蛍光灯から5cm離した距離で数十μA/cm^2程度の短絡電流密度にしかなりません。 以上3点についてお願いします。

  • 太陽電池の出力特性

    大学の実験で太陽電池の出力特性を求める実験を行いました。 実験方法は ・太陽電池に可変抵抗を接続する ・抵抗値を変化させて電圧と電流を測定する というものでした。抵抗を変化させることで電流が変化するのはわかるのですが、何故電圧も変化するのかがわかりません。 どなたかこの疑問に答えていただけませんでしょうか。よろしくお願いします。

  • 二次電池

    今二次電池の初期特性について調べているんですが、大体の二次電池は使い始めの2~3回はあまり電池の性能が発揮されないと聞きました。 そのため、二次電池の使い始めの2~3回より何回か充電してから使った方が電池の性能として十分発揮されるんですよね? 今、その二次電池の特性を測定しているんですが、その測定はおもに入力電圧を100Vから20Vずつ下げていったときの電池電圧と磁束密度を測定しています。充電方法としては一次側コイルから二次側コイルに電圧を誘導する電磁誘導を採用しています。電池はニッケル水素を使用しています。 その結果、電池電圧は入力電圧を下げていけば同じ時間だけ充電した場合にはその分電圧も下がるというまともな結果になりましたけど、磁束密度の方は入力電圧を下げていくと逆に大きくなっていきます。これは電圧が下がれば電流も下がるので磁束密度も下がるという結果のま逆になってしまいました。 そのため、この原因を調べているのですが、二次電池は充電初期はあまりうまく機能しないという初期特性(?)が原因なのでしょうか?そうだとしたら、その初期特性(?)というものはどういうものなんでしょうか?よければ教えて下さい。よろしくお願いします。

  • 太陽電池の電圧

    太陽電池から出る電流から太陽電池の出力電圧はどのように出したらいいでしょうか? 太陽電池の内部抵抗がわからないと電圧は出せないのでしょうか?

  • 短絡時の太陽電池の電力エネルギーについて

    こんにちは。 太陽電池の表面光学特性について質問させていただきます。 太陽電池を短絡させた際には、外部負荷で消費される電力が0になると思います。 このとき、本来発電されるべき電力エネルギーは、太陽電池の温度上昇に使われるのでしょうか。 それとも、太陽電池の表面光学特性が変化して、反射エネルギーの割合が大きくなるのでしょうか。 エネルギー収支を考えると、以上の2種類のどちらかになると思うのですが、実際はどうなるのでしょうか。 どうぞよろしくお願いいたします。