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太陽電池のモデル実験に必要なパラメータの測定方法について
- 太陽電池のモデル実験において、IV特性を調べるためには、光電流(Iph)と逆方向飽和電流(Is)などのパラメータを測定する必要があります。
- 光電流(Iph)は太陽電池の端子に電流計を直列に接続し、測定することができます。
- 逆方向飽和電流(Is)の測定方法については、インターネット上では情報が限られているようです。初心者の方でも理解しやすい方法を探すなど、別の情報源を利用することをおすすめします。
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太陽電池の回路モデルは、添付図のように、シャント抵抗 Rsh だけでなく、直列抵抗 Rs を加えたほうがいいです。その場合の発電特性(V - I 特性)は、式で表すと式(1)、概形は添付図の右下のようになります。開放電圧 Voc での傾斜(dI/dV)から直列抵抗 Rs が求められます。短絡電流 Isc での傾斜(dI/dV)からシャント抵抗 Rsh が求められます(これは簡易法で、厳密には式(1)~(3)を連立させて解きます)。 >(1)光電流;Iphは太陽電池の端子に電流計を直列に接続し測定する 電流計を太陽電池の出力端子に直結するというのは、短絡電流 Isc を測定していることになりますが、太陽電池の直列抵抗 Rs が十分小さいのなら、その電流が光電流になります。 式(3)から Iph = ( 1 + Rs/Rsh )*Isc + Is*[ exp( Isc*Rs/n/VT ) - 1 } となりますから、Rs = 0 とみなせるのなら Iph ~ Isc --- (4) となります。上のように、電圧-電流特性の傾斜から Rsh と Rs を求めて、Rs/Rsh < 0.01 で、Rs*Isc < n*Vt ~ 0.1V なら、式(4)が成り立つと考えて構いません。 >逆方向飽和電流;Ishの測定方法 Ish でなく Is のことですね。 太陽電池は、光を当てないとき(Iph = 0 のとき)は単なるダイオードですから、逆バイアスをかけると(出力端子の+側に-電圧を、-端子に+電圧をかけると)、太陽電池に流れ込む電流は、シャント抵抗 Rsh に流れる電流と、飽和電流 Is の和になります。つまり逆電圧を V (V>0)、逆電圧を I ( I>0) とすれば I = Is + ( V - I*Rs )/Rsh → Is = ( 1 + Rs/Rsh )*I - V/Rsh で飽和電流を計算できます。実際の測定では逆電圧の大きさは1V程度としてください(逆電圧が大きいほど、測定される電流は、シャント電流に流れる電流の割合が大きくなって、飽和電流の測定精度が悪くなるし、逆バイアスが大きいと素子が壊れてしまうため)。また、完全に暗くして測定しないと、Iph が Is より大きいなって何を測定しているか分からなくなるので、暗くした状態で短絡電流 Isc を測定して、それが予想される Is より小さくなっていることを確認してください。
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- inara
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太陽電池に逆バイアスをかけて飽和電流 Is を測定する方法は、シャント抵抗が小さくて、シャント抵抗に流れる電流>飽和電流 となってしまう場合には適していません。その場合には、順バイアスでの電圧-電流特性から飽和電流を求める方法があります。添付図左側のように、電流の対数を縦軸とした電圧-電流特性を描いたとき、直線的に変化する部分が、シャント電流の影響も直列抵抗の影響も受けない部分です。この直線部分を下側に延長して、縦軸と交わる点の電流が飽和電流になります。直線的に変化する部分の適当な2点 (V1, I1), (V2, I2) から次式で計算することもできます。 n*Vt = ( V1 - V2 )/ln( I1/I2) Is = I1/[ exp{ V1/( n*Vt ) } - 1 ] 添付図の右側は、光を照射したときの電圧-電流特性を、回答2の式(1)を使ってシミュレーションした結果です。直列抵抗が大きいほど、開放電圧付近の傾斜がゆるやかになります。また、シャント抵抗が小さいほど、短絡電流付近の傾斜がゆるやかになります。直列抵抗が十分小さければ短絡電流と光電流は等しくなります。
- inara
- ベストアンサー率72% (293/404)
お礼
わかりやすい解説ありがとうございました。