• 締切済み

戦争を回避していたら

amlethの回答

  • amleth
  • ベストアンサー率13% (3/22)
回答No.8

どうも 傍目からすると 質問と囘答が うまく噛み合はないやうですが そもそもは 「62年前にアメリカと戰爭し 負けたことによつて 今日の樣な『經濟大國』『長壽國』への道が開けた」といつたやうな意見への 疑問といふ事でありませうか. つまり 「敗戰の結果 日本は ハル・ノートの要求以上に(朝鮮半島は含まれてをりませんので) 明治以降獲得した領土も利權も失つたにも拘らず 「經濟大國」「長壽國」となる事が出來た.それなら 戰はずして要求を呑んでゐたはうが 良かつたのではないか.さうすれば 空襲や原爆といふ 「ジェノサイド」の被害に苦しむ事も 無かつたであらうに.どうあつても ハル・ノートの要求を拒み 戰爭を仕掛けなくてはならなかつたといふ 尤もな理由は 存在するのか.戰はずしては 「經濟大國」や「長壽國」には 成り得なかつたのか」といふ事にでもなりませうか. さて noko さんに疑問を抱かせたであらう そもそもの意見自體は 所謂「ハル・ノート」の拒否や受入れの批判はさて措いて 現實に 敗戰により生じた我が国の 社會と經濟の面から見た樣々な變化が 今日の樣な「經濟大國」や「長壽國」といつた結果を齎[もたら]す上で 大變好都合に働いた と述べてゐるだけでは無いかと思ふのですが 如何でせうか. さうとでも考へぬ限り 「ハル・ノート」の取扱ひと「經濟大國」「長壽國」との關[かかは]りを 持ち出す人など をりますまい.その點を 質問者である noko さん御自身も やや誤解してをられるやうに 思はれるのですが どうでせうか. さて その上で. では 敗戰の結果 どのやうな變化が起つたのか.何が消え 何が生じたのか. なによりも まづ 着目すべきは 軍隊の消滅です.これは 否應も無い.その必要不必要を論ずる暇も無く ポツダム宣言の受諾に伴ひ 武裝解除のすゑ 完全に解散消滅いたしました. この點は ハル・ノートには無い 戰前との大きな違ひで その結果 それまで軍事に振向けてゐた 厖大[ばうだい]な國家財政上の負擔[ふたん]が 消える事となりました.(しかし この日本の存續にとつて 軍備が必要なかつた譯では ありません.今日までもアメリカが 日本や韓國に基地を置かざるを得ない事こそ その明確な證據であります.つまり アメリカ民主黨のルーズベルト政權は 日本に「ハル・ノート」といふ無理難題を突き附けて 戰爭へと追ひ込み 最終的に アジアの地から日本を閉出した結果 それまで日本が アジアの安定の爲に拂つて來た犠牲を 朝鮮戰爭などを通じ 自らに課す嵌めとなつたのです.ジョージ・ケナンは この事を はつきりと述べてをります.)そして また 明治以來獲得をした 海外の領土を失つた事も 國家の財政面からすると 大變に 負擔を輕減する役に立つた といふ事を意味します.いやはや 禍福は糾[あざな]へる繩の如し かな. なにしろ 日本と來ては 我が身にそぐはぬ 當時世界にも類の無い「植民地」經營を目指して來た爲に その財政上の負擔は 長い間 日本の國民に犠牲を強ひるものとなつてゐたからです.「植民地經營は 割に合はない」處ではありません.「植民地」を「自立させる」爲に 莫大な投資を行つて來たのです.果たして此れを 今日の目で批判して 「明治以降 日本は 西歐の帝國主義に做[なら]ひ 亞細亞の國々からの 収奪を目論んだ」 といふ樣な捉へ方で 一括りにして良いものでせうか.もはや それを 「植民地政策」などと 呼ぶことすら 不當な事でありませう.(まあ その中には 不心得な連中のゐた事は 慥かでありませうが 滿洲に侵掠し 殺人暴行 掠奪を欲しいままにした ソヴィエト・ロシアの「犯罪人部隊」などのやうに 國家が犯罪を助長する政策を 採つた事は ありますまい.) 「大東亞共榮圏」といふ標語其のものは 後々のものであるにせよ 既に日本の政策は まさに「共榮圏」の構築を念頭に 進められてゐたのです.調べてみれば すぐにも判ることであり 決して 戰爭を美化する爲の 苦し紛れの言ひ譯などではありません.たとへば サダム・フセインが灣岸戰爭の際 「アラブの大義」などを持出し 他のアラブ諸國の加勢や テロリストの手助けを引出さうとした姑息な手口などとは 全く異なる考へに基づいたものであります. しかしながら 日本の國力といつた點からしますと 餘りに過大な構想であつた爲に 樣々な無理の生じた事も確かなことで さうした面からの反省は 後の世の爲にも必要ではありませうが その意圖において 恥づる處は無いと言へませう. それは さて.   この結果 戰後の日本には 兵役も徴兵制度も無くなり 大東亞戰爭による戰傷や戰死の「損失」はあつたものの 民生品の製造に從事することの出來る若者や 壯年の者達が 大量に發生することと なつたのです.また 戰爭といふ非常事態を經た御蔭からか または 軍隊といふ 日本にとつては 當時の最先端を行く近代的な組織での經驗の爲からか 戰前とは打つて變り 彼等が 極めて勤勉な働き手に生れ替つてゐた事も 見逃せません. と言ふのも 日本の働き手が 會社に忠實で 勤勉であるというのは 戰後の特徴であつて 戰前からのものでは無いやうだからであります.殊に 所謂會社などといふ「近代的」な組織の下[もと]では 戰前は極めて怠慢な者も多く それを嘆いた經營者などの文章も 殘されてゐるほどです.随つて戰前には 會社員の「過勞死」などといふ言葉も「死に樣」も ありません.「過勞死」に當る事例があつたとしても 表沙汰には出來ぬ程 特殊な出來事であり 他人の持物である會社の爲に 命を縮めるなどは 同情の對象では無く もの嗤[わら]ひの種でありましたらう. ともかくも 戰中を經驗した者達は 極めて勤勉な 勞働者の豫備軍となつてゐたのです.極限の効率を求めざるを得無かつた 貧乏な軍隊での經驗が 思ひも懸けぬ處で 生かされたとも言へませうか.食ふや食はずの戰後の苦境を乘り切る爲にも 勤勉に成らざるを得無かつた事情もありませう.さてもさても これは 軍隊といふものの 思はぬ「効用」と申せませう.まさに禍福は 糾へる繩を 更にも糾ふ如し であります. かうした處に 降つて湧いたやうに起つたのが 北朝鮮の仕掛けた朝鮮戰爭に伴なつての 米軍からの「特需」であります.まさか 「侵掠を企てた 金日成樣樣」といふ譯でもありますまいが これに 日本は救はれたのです.いや 救はれもしたが 現實の處 日本以外に「特需」を熟[こな]せる國は アジアにはありませんでした.   なにしろ 戰爭といふ この世で最大の 消費イヴェントです.しかも 日本では 前[さき]の戰爭で鍛へられた勤勉な若者や壯年の者達と 明治以來(いや 吉田茂は 江戸時代以來と言つてをりますが)培つた技術の蓄積もあるとなれば アメリカ軍とて これに頼らざるを得ませんでしたし 日本人は それに十二分に應へたのです. それも その筈です.巨大なシステムの塊である戰艦であれ 一時は無敵を誇つた零戰のやうな飛行機であれ 自前で開發した國など ざらにあるものではない.ましてや アジアでは 他には皆無です.基幹技術は模倣に過ぎぬと 日本を貶[おとし]める向きもあるだらうが 模倣する技術すら 他では持ち合はせぬのが 當時の實情です.原材料さへ日本に豐富にあるならば 技術に關しては 歐米に さう劣るものではありません.それに 何より 當時のアジアの他の國民に較べ 勤勉でありました. かうして あらゆる技術を驅使して アメリカ軍を支へ 支へることで 日本の經濟も社會も 囘復していつたのです.「特需」が その後の日本經濟の 飛躍の切掛けを與へて呉れた事は 御存知のとほりであります. といふ譯で かうした側面から見た場合には 戰後日本が「經濟大國」なるものに成つたについては 戰爭に負け軍隊が消滅し 金食ひ蟲であつた「植民地」を失つた事が 大いなる契機となつたと言ふ事は 言へ無くは無い.實に皮肉な事ではありませうが. しかしながら 何事も 終はり良ければすべて良し ではありますが 誰かが總てを 巧んで成つた結果では あり得ません.ここで「ハル・ノート」を拒んで アメリカに戰爭を仕掛けておけば 敗戰にはなるものの 後々日本は「經濟大國」になるであらう などといふ豫言者も ゐた譯ではありません.また其の逆に 「ハル・ノート」を受入れさへすれば 數十年後にはどうなる とも 斷言する事の出來た人も 無かつたでありませう.はたして 人間は 既に樣々な柵[しがらみ]のある世の中に生を享け 時々の重大な決斷を迫られた折に どれ程の選擇の幅を持ち得るものか.歴史に學ぶ とは言ふものの 知れば知るほど 只々固唾を呑む思ひのみ 募らずには ゐられません.

関連するQ&A

  • 太平洋戦争は政治力で回避できましたか?

    先の戦争で亡くなった方は日本人で330万人と聞いております。なんと言う惨状でしょうか?今更なにも始まりませんが、避けられたのでしょうか? 回避はできたとしても理不尽な要求を呑んで日本人としてのプライドも無くなっていたのでしょうか?歴史に”もし”は禁句ですが、色々想像しています。

  • 日露戦争を回避することはできなかったのか

    タイトルにもあるのですが、日本はこの戦争で得たものはなにもありませんでした。賠償金もとれませんでしたし多くの人が亡くなりました。 では、日露戦争を回避することはできなかったのでしょうか?

  • もし日本が太平洋戦争をしていなかったら・・

    満州を放棄し、中国へ侵攻している全ての軍隊を引き上げて、 日米戦争を回避していたら、今頃(現代)の日本やその周辺国はどうなっていましたか? 例えば、 ・今頃、韓国、北朝鮮、台湾やグアム、サイパン、パラオなどはパスポートのいらない日本国内旅行ですか? ・フィリピンはアメリカ領、インドネシアはオランダ領、インドやマレーシアはイギリス領、ベトナムはフランス領のままですか? ・今のような、日本は経済大国になっていないのでしょうか? 考えてみたら、戦前の日本のほうが領土的に広いので、戦争していなかったら今とどう違っていたんだろうと、ふと疑問に思いました。

  • 昔は「戦争」が必要だったのでは?

    こんばんわ。 この前家族と話していた話題なんですが、 現在は戦争は絶対悪い事ですし 犠牲者が多く出てしまう悲しいものですが もし、この日本が 現在まで戦争をしたことが無ければ 一体どうなっていたんでしょうか? 戦争をしなくとも高度経済成長の波が来たんでしょうか? 戦争をしなければ、他の大国に 植民地として狙われていたかもしれません。 戦争という歴史があるから今の日本があると思うのですが・・。 私の考えは明らかに間違ってるのでしょうか?

  • 軍事戦争と経済戦争はどちらが怖いですか?

    日本がアメリカとの経済戦争に敗北し、金融破たんして数十年、自殺者が突然1万人増えて13年経過し、累計少なくとも10万人以上の自殺者が増えました。これは日米経済戦争の戦死者10万人であることは明らかです。 しかし、中国やロシアや北朝鮮の武力で戦死者が出たということはいまだにありません。ただし、拉致被害者には犠牲者がかなりいるとは思われます。日本政府の対応によっては、今後中国との領土紛争による犠牲者や、北朝鮮による武力攻撃による犠牲者が出る可能性はあります。 しかし、円高誘導が続いたための日米経済戦争の犠牲者となった民間人10数万人には遠く及ばないと思われます。 安倍政権による円高是正やデノミ対策はアメリカに対しても有効に機能しており、アメリカに対しても言うべきことを言う政権として応援できると思います。 しかし、現実的な軍事的犠牲者の少なさと、日米経済戦争戦死者数の多さからかんがみて、安保政策はもちろん重要ですが、それ以上に経済対策や日米経済戦争に対する対策が必要だとは思いませんか? これ以上、軍事的経済的犠牲者を増やす集団的自衛権とTPPで、日本のためではなくアメリカのためにさらに戦死者を増やす必要があると思いますか?

  • 日米開戦は回避できたか?

     はじめてここに質問します。  「戦争論2」を読んで日米開戦にいたる経緯を細かく知りました。石油の禁輸政策やハルノートを突きつけられれば、戦争もやむなかったと思ってしまいます。  ただ、このことで友人と話をしていたら「勝てないとわかっていながら戦争に踏み切ったのは無責任」、「幕末のときみたいに、戦争を回避することもできたんじゃないの?」といわれました。  質問は(1)本当に日米開戦は回避できたのか。     (2)回避したとして、その後歴史はどう動いたと思うか。 です。   (2)の補足として、回避したらアメリカの植民地になるだろうが、現在のように  自立した国家としての立場で高度経済成長は見込めたか、というような趣旨で  お願いします。

  • 新手の侵略戦争ですよね?

    40年程前まで中国側も日本領土と認めていた尖閣諸島を自国へ取り入れようという今回のデモは政府が意図して先導している新手の侵略戦争ですよね? 中国以外でもデモが広がりつつありますがこの問題に関して無関心な諸国は自己主張をしている中国が正しいと思い、経済大国で日本より外向きに経済を発展させ尚且つ常任理事国である中国が有利に動くと思います。 それをわかっててのこの行動、新手の侵略戦争としか思えません。

  • どうして日本はアメリカと戦争したの?

    歴史を振り返ると日本はアメリカに戦争に引きづりこまれたなんて記述もありますが、現代人ならあんな大国と戦争して勝てるはずがないと認識してますが、もしかしてあの当時の日本人はアメリカの国の広大さ国力などをまったく知らなかった人がほとんどだったということでしょうか? あの当時、国民は情報源はラジオ、新聞程度でしたから、国民はマスコミに焚き付けられたということでしょうか?

  • 太平洋戦争を回避できていたら

    太平洋戦争を回避できたとしたら、 満州や朝鮮半島はあきらめるとして、 サイパンやパラオ、マーシャル諸島、台湾、千島列島、南樺太などは現在も日本領だったでしょうか。

  • 太平洋戦争はなぜ起きた

    太平洋戦争で日本はアメリカに惨敗しましたが、戦争は回避できなかったのでしょうか? 当時、日本は石油や鉄鋼など重要な資源の半分以上をアメリカからの輸入に頼っていたので、兵糧攻めであっさり負けるのは誰の目にも明らかなはずですが、なぜ、日本は無謀な戦いに挑んだんでしょうか?