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国名を「日本」と決めたとき、「ひのもと」と発音していたのでしょうか。
国名を「日本」と決めたとき、「ひのもと」と発音していたのでしょうか。 それとも、「にほん」または「じつほん」と呼んだのでしょうか。 具体例です。 粟田真人以下の遣唐使が中国のある所に接岸したとき、中国側役人の「何処の使人ぞ」の問いかけに「日本国の使なり」と名乗ったそうです。 よろしくお願いします。 http://www.pathos.ne.jp/~nakamura/tanpopo/col02.html
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>>国名を「日本」と決めたとき、「ひのもと」と発音していたのでしょうか。それとも、「にほん」または「じつほん」と呼んだのでしょうか。 日本が、使われた早い例は 1。「日本之大和の国の鎭ともいます神かも」(万葉集319) 2。「日本乃倭の国は、言玉の富ふ国とぞ」(続後紀嘉祥二年) の二つが『時代別国語大辞典上代編』に出ています。いずれもヤマトと読む文字の前に出ているので、ヤマトではなく「ひのもと」と読んだと考えられています。 これは国内用の読み方ですが、ご質問のような国際的な場面では、「日本」の中国読みだったと思われます。 中古の中国音は nietpuEn (E は逆 e の音)と推測されています。遣唐使であるからには中国語の基礎はあった、あるはネイティブに近い通訳が同行したでしょうから、これに近い音が使われたと思います、
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- SPS700
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>>「中古の中国音は nietpuEn (E は逆 e の音)と推測されています。」とのこと、大変参考になりました。 今のところ、理解できませんので後日自分で調べてみます。 「日本」の8世紀(粟田真人のころ)の発音は下記のように、中国中古音だったと思われます。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%8F%A4%E9%9F%B3 僕が「日」を niet、「本」を puEn (E は逆 e)と書いたのは、董同(和の旧字で右側が禾、左側が龠(文字化けするかも知れませんので、上から人、口三つ、両方に出ていない冊の字)『上古音韵表槁』の再構音に従いました。 niet の頭子音 n は口蓋化された子音で、いわば n と j を足して2で割った様な音ですから「日」が「ニチ」と「ジツ」に分かれ、「人」が「ニン」と「ジン」に分かれる、理由がよく分かります。 だから当時の中国の役人を前に、粟田真人が言ったのは「日本」を中古音で niet puEn またはそれに近い発音で言ったものと思われます。「ニッポン」と似ていますね。 この「日本国」の発音が、後のマルコポーロによって西欧に伝えられる「ジパング」の元となり、ジャパン、など「j」を頭文字にするる伝統が始まったのではないかと思います。
お礼
わざわざ再度のご回答ありがとうございます。 「中国中古音」のことを全く知らずに質問したのですが、これを考えないと「日本」をどう発音したのか、解らないのですね。 質問するときに私が考えたあらすじは、国名を「日本」と決めたとき、やまとことばで「ひのもと」と呼んでいた。 粟田真人は、中国の役人に「ひのもと」から来たと言ったが、相手は初めて聞く国名でなんのことかさっぱり解らなかった。 書いて見せると中国の役人は「にっぽん(に近い発音)」と言った。 そこで「にほん」あるいは「にっぽん」と決まったのではないか、とつまらぬ想像をしていました。 >だから当時の中国の役人を前に、粟田真人が言ったのは「日本」を中古音で niet puEn またはそれに近い発音で言ったものと思われます。「ニッポン」と似ていますね。 そうですね。 親切に教えて下さったのでよい勉強になりました。
- char2nd
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「日本」を「やまと」と読んだのは、「やまと」にかかる枕詞が「ひのものと」だったからだという説があります(#2さんの事例にもありますね)。 これは「とぶとりのあすか」から「飛鳥」、「はるのひのかすが」から「春日」の読みが成立したのと同様の事だそうです。 従って、国号としての「日本」は成立当時はあえて「やまと」と読ませていた可能性が高いと思います。それ以前は「ひのもと」だったかもしれませんが。 http://park1.aeonnet.ne.jp/~yamak/nipponnkokumeikou2.htm ちなみに、「日本書紀」の成立当初の書名は「日本紀」で、当時は「やまとふみ」と呼んだという説もあります。 http://park1.aeonnet.ne.jp/~yamak/nipponnkokumeikou3.htm
お礼
ご回答ありがとうございます。 紹介された「山内研究室ウエブ・サイト」は、私の疑問にずばり答えてくれました。 大変読み応えがあり、しっかりと読みましたが、しかし、難しいですね。 大学教授でも悩む問題なのですね。 私の知識レベルでするような質問ではなかった、と思いつつあります。 このサイトによれば、私が質問の例に挙げた遣唐使・粟田真人の場合には、日本国を「にちほんこく」と読む、としています。 ただし、『続日本紀一』新日本古典文学大系(岩波書店発行)の訓読文の解説ですが…。 すばらしいサイトを教えてくださって真にありがとうございました。 重ねて御礼申し上げます。
「日本語での発音」を参考にしてください
お礼
ご回答ありがとうございました。 参考になりました。
お礼
こんなに早く、こんなに的確なご回答を頂けるなんて思ってもみませんでした。 『時代別国語大辞典上代編』の記載例から「日本」の読み方は「ひのもと」と推定できる、ということですね。 よく解りました。ご教示に感謝の気持ちでいっぱいです。 「中古の中国音は nietpuEn (E は逆 e の音)と推測されています。」とのこと、 大変参考になりました。 今のところ、理解できませんので後日自分で調べてみます。 ご回答真にありがとうございました。