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公理と定義の違い

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回答No.4

No.2, No.3回答の「公理」「定義」の説明は,数学におけるスタンダードな解釈とは思えない(ものすごく特殊な解釈だと私は確信する)ので,鵜呑みにしないで慎重に受け止めてください.私は20年近く数学の研究に携わっていますが,「定義とは公理の集合である」と主張する数学の専門家に出会ったことはありません. そもそも,数学を離れて,一般に「定義」とは何でしょうか? 定義とは読んで字の如く「義」を「定」める,つまり,何かの「意味を定める」ことです. 蛇足ながら,英語の definition は define の名詞形ですが,define は「境目をくっきりさせる」(テレビやオーディオの high definition はこの意味),転じて「(言葉の)意味をはっきり決める」という意味です. 数学で何かを「定義する」というときには,通常,何か新しい用語なり記号を使おうとするときに,その用語をどのような意味で使うか(どのように解釈すべきか)を,すでに意味がはっきりしている用語や記号を使って書き表すことによって「定める」行為を指します. 「定義」という名詞は「意味を定める」という行為自体を指す場合もありますが,多くの場合,ある用語や記号の「定められた意味内容」のことを,その用語や記号の「定義」と言います. たとえば,数学の文脈で「対角線が直角に交わる平行四辺形を菱形という」と述べたとすると,「菱形」という用語の定義は「対角線が直角に交わる平行四辺形」である,といえます.もっとも,この定義には「対角線」「直角」「交わる」「平行四辺形」という用語が使われているので,定義の中に現れるこれらの用語もやはり定義されている必要がありますが. 「2乗して-1になるのを i とする」は,複素数の理論がすでに確立していることを前提とすれば,i という記号を「2乗して-1になる複素数」として定義していることになります(ただし,厳密には,2乗して-1になる複素数は2個存在するので,i という記号は「それら2個の複素数のうち『定まった一方』」とする必要があります). 「f(x) を x^2+x+1 とする」のように,その場限りの議論のために x^2+x+1 という式を f(x) という記号で表すのも,f(x) という記号の(その場限りでの)解釈のしかたを定めるという意味で,ひとつの「定義」です. 1^0=1 はちょっと難しいです.そもそも m^n をどう定義するかによります. ここでは,中学生にもわかる流儀で「m^n とは,m を n 回掛けて得られる値である」を m^n の定義としましょう.このとき,n が1以上の整数なら,この文で m^n が何であるかがはっきりするので,n が1以上の整数の場合について m^n は定義されました.しかし,この文だけでは m^0 を何と解釈すべきかがわかりません.つまり,この文だけでは m^0 は「定義されていない」状態です. そこで,n が1以上の整数のときの m^n の定義に付け加えて,「m^0 は 1 と『定めます』」と宣言することによって,m^0 とは何であるかを「定義」しましょう,という話になるわけです.この意味で,m^0 = 1 という式は「m^0 の定義」といえます. おおもとの質問文を読んで気になるので念を押しますが,「定義」というのは,必ず,意味を定めたい用語なり記号があって,その用語や記号の意味を説明して意味を定める行為です.だから,数学で「定義」というときには,必ず「用語○○の定義」「記号□□の定義」「『△△は▼▼である』という文の定義」のように,「『意味を定めようとする用語・記号』の定義」という形をとらなければなりません. 単に数学的主張を書いただけでは(本来は)それは定義ではなく,「これこれの用語・記号を『これこれの意味』と定めます」という宣言の形をとって,はじめて定義と呼ぶにふさわしい行為といえます. 1^0=1 は,その式だけでは「定義」の体をなしていなくて,「この等式をもって『1^0』とは何かを定めます!」と宣言しているとみなすことで,はじめて定義といえるのです. 数学における「定義」の意味(なぜ数学では「定義する」という営みが重要なのか)については,下記の本に明快な解説が書かれていますので,一読をお勧めします.第1章の表題がズバリ「定義とは何か」です. 新井紀子(著)「math stories 数学は言葉」(東京図書)

miki_rise
質問者

お礼

定義については前より理解できるようになりました。 公理はまだ調べています。 本も探してみようと思います。

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