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散乱体の体積を考慮した散乱強度
電磁波がある立体角であるエネルギーに散乱される場合の散乱強度を散乱体の体積を考慮した場合にどのように表すことができるかを知りたいのですが、散乱体の体積を考慮するというところがよく分かりません。 単純に入射の強度と吸収の効果(exp(-mu×l))と微分断面積と微小立体角幅と微小エネルギー幅の積としたものではだめなのでしょうか? よろしくお願いします。
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- uhyohyohyo
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こんばんは、uhyohyohyoです。 なるほど、ash_efさんの疑問、分かりました。 結論から言いますと、最後の部分は"体積"考慮というわけではありません。 で、式もやや間違っていると思います。 単に表現を補足に書いたようにされただけかとも思いますが書き直させていただきますと、もっと一般的には N=(N0)exp{-(d^2σ/dEdΩ・ΔEΔΩ)ρ/Aμu} という感じではないでしょうか? A×uは標的物質の質量ですね。これと線吸収係数で密度を規格化しているので、これはすなわち、 「単位面積あたりの吸収を起こす原子(核)数」 を表現しているわけです。そして、そこにあるエネルギー幅、微小立体角を乗じたDDXを掛けていますね。従って、ある方向Ωの吸収の頻度を断面積の単位で規格化したものが{ }内の負号を除いた部分です。 物理過程ですので当然その"頻度"による指数関数で減衰が起こることを意味しています。 こんなんで、お分かりいただけたでしょうか?
- uhyohyohyo
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詳しくは分かりませんが、散乱強度を考える際には体積は関係ないでしょう。 理想的な場合(散乱体が無限に薄い)を除いては、体積、というよりは散乱体の幾何構造、その散乱体中での入射線束の消失、を考える必要がありますよね。その場合は体積というのも要素の一ではありますが、重要なのは標的粒子の密度ですから体積というのは本質ではないと思います。 ”電磁波”と言っているのでひょっとしたら波長が古典的な大きさになってくる領域においてのことでしょうか?
補足
考えているのはX線の散乱です。電磁波としたことで混乱を招いたようですいませんでした。 表記が複雑なので質問文には書きませんでしたが、次に挙げる式を理解するためにこの質問をさせていただきました。 (N)=0.36×(N0)×d^2(sigma)/d(omega)d(energy)delta(omega)delta(energy)×(rho)/(A)(u)(mu) ここで (N0),(N)は入射および散乱光子数 d^2(sigma)/d(omega)d(energy) は散乱の微分断面積(ただしdは偏微分の記号) (rho)は試料の密度 (mu)は線吸収計数 (A)は原子量 (u)は原子質量定数 (omega)は立体角 (energy)は散乱された電磁波のエネルギー delta(x)はxの微小部分 として、試料の暑さは1/(mu)であるとします。 はじめの0.36はeの-1乗したもので、これは試料の厚さを線吸収率の逆数とした場合の吸収による強度の減少を示していると思われます。次に入射粒子数、散乱の確立と続きます。 問題は最後の(rho)/(A)(u)(mu)です。ここが散乱体の体積を考慮したところなのかなと推測しているのですが、よく分かりません。確かに次元をあわせるにはこの(1/面積)という係数が必要なのはわかりますが。 もちろんこの式が正しいのかどうかも分かりません。
お礼
uhyohyohyoさんありがとうございました。 前回いただいた回答をよく見て考えると、確かに体積が問題なのではなくあくまで考えるべきものは確率であり、ρ/Aμuは物質中の散乱にかかわる原子の数密度になっているのだということが分かりました。今回その件も指摘していただき本当に理解に役立ちました。 しかし、いただいた回答中の式でd^2σ/dEdΩ・ΔEΔΩを指数の肩にあげていらっしゃいますが、すでにこれは散乱の確率を示すものです。一方試料の厚さと線吸収率の積は吸収の頻度を示すので指数の方にあげることで確率となるのではないでしょうか。 だから一般化して散乱体を通過する長さをLとすると、 N=(N0)(d^2σ/dEdΩ・ΔEΔΩ)(ρL/Au)exp(-μL) …(*) となり、L=μとすると文献の式と同じになります。 実はもうひとつ疑問があるのですが、ある教科書によると微分散乱断面積の定義は dσ=IsdΩr^2/I0 これから散乱波の強度は Is=I0(dσ/dΩ)/r^2 となります。ただしIs,I0は散乱波入射波の強度、rは散乱体から検出器までの距離です。 IとNは同じものを表しているのでよいのですが、rは文献中の式(*)にでてきません。式(*)が正しいとすると、散乱体と検出器の距離がどうなったのかがよく分からないのです。