確率振幅の考え方

このQ&Aのポイント
  • 確率振幅を用いると、複数の光子が同時に検出器に到達した場合の状態を表現することができます。
  • 確率振幅を操作して確率を保存するための方法については、まだ十分に理解できていません。
  • 確率振幅を用いた計算は光の干渉や量子力学の分野で重要な役割を果たしています。
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確率振幅の考え方

光子をビームスプリッタBSに入射させ、検出器1,2 で検出するとします。     光源A      |      | 光源B――/――[検出器1]      |      |     [検出器2] 光源Aからやってくる光子の状態ベクトルは |A> = i √R |1> + √ T | 2> となります。iはBSで位相がπ/2 ずれることを表していて、 反射確率が R 、透過確率が T です。 |1> は検出器1に検出された状態、 |2> は検出器2に検出された状態です。 もし同時に、光源Aから区別できない2つの光子がやってきたとすると、 状態ベクトルは |A>A> = ( i √R |1> + √ T | 2>)(i √R |1> + √ T | 2>) = - R |1>|1> + T |2>|2> + i√(RT) |1>|2> + i√(RT) |2>|1> となります。ここで各複素振幅の自乗の和は1なので問題ありませんが、 最後の二項をまとめると |A>A> = - R |1>|1> + T |2>|2> +2 i√(RT) |1>|2> となるので、確率が保存しなくなります。つじつまを合わせるために、 二項をまとめたときの確率振幅を |A>A> = - R |1>|1> + T |2>|2> +√2 i√(RT) |1>|2> としてやると問題ありません。同じことを今度は光源Bから1個、 光源Aから1個の区別できない光子が同時にやってきたとします。 |B> = √T |1> + i√ R | 2> なので |A>B> = ( i √R |1> + √ T | 2>)(√T |1> + i√ R | 2>) = i√(RT)|1>|1> + i√(RT) |2>|2> + T |2>|1> - R |1> |2> ここまでは確率は保存しています。ところが最後の2項をまとめると |AB> = i√(RT)|1>|1> + i√(RT) |2>|2> + (T - R) |1> |2> となります。 この場合は、|1>|1> や|2>|2> のほうに√2 をつけて解決するようです。 つまり|1>|1> は検出器1側に2個の光子がある状態なので 光子数0にたいしてa^† を2回かけたものと同等として 強引に√ 2 を作り出して |AB> = i√(2RT)|検1に2個> + i√(2RT) |検2に2個> + (T - R) |検1,2に1個づつ> これで一応確率は保存されます。 確率振幅を確率を保存させるために操作するやりかたについて、 あまり理解できていません。ご教授頂けると幸いです。

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  • eatern27
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回答No.2

>でも今読んでいる本ではそれをまとめてしまっているのです。つまり >基底の変換を行っているのだと思います。 文脈がないと何を言っているのかさっぱり分りません。 ボソン(波動関数が粒子の交換に対して対称云々)とかの話が分っていれば理解できそうな話だと思うのですが。 例えば、 |1>|2> |2>|1> |A>|B>=( i √R |1> + √ T | 2>)(√T |1> + i√ R | 2>) この3つはいずれも現実の2光子系を記述する状態ではない事は分かるのですか?

Skynetwork
質問者

お礼

どうもありがとうございますm(..)m 「工学系のための量子光学」という本を読んでいまして、 使っている記号は違うのですが、ここで書きましたように |A>|B> を単純に計算して、|1>|2> と|2>|1>を説明無しにまとめてしまって、 最後に|1>|1> と|2>|2>の係数を調整する方法が載っていました。 なぜそのようなことをするのか全然わかりませんでした。 その本から離れてアドバイスに従いましてボース粒子の2粒子系を考えました。 最初に光源Aから2個の光子がやってくると、この場合は |AA> = |A>|A>以外にありえないので、 |AA> =(i √R |1> + √ T | 2>)(i √R |1> + √ T | 2>) = -R |1>|1> + T |2>|2> + i√RT |1>|2> i√RT|2>|1> ここで、 |φ> = 1/√2 (|1>|2> + |2>|1>) という状態を1つの状態(ボース粒子2個)とすると、 |AA> = -R |1>|1> + T |2>|2> + i√2RT |φ> となり、確率の合計はR^2 + T^2 + 2RT = (R+T)^2 = 1 となり問題ありません。 次に光源Aから1個、光源Bから1個の光子がやってきたとします。 状態が異なる場合の2つのボース粒子は |AB> = 1/√2 (|A>|B> + |B>|A>) = 1/√ 2 (( i √R |1> + √ T | 2>)(√T |1> + i√ R | 2>) + (√T |1> + i√ R | 2>)( i √R |1> + √ T | 2>)) と書かれます。計算すると 1/√2 (2 i√(RT) |1>|1> +(T-R) (|1>|2> + |2>|1>) + 2 i√(RT)|2>|2>) となります。ここで |φ> = 1/√2 (|1>|2> + |2>|1>) という(ボース粒子)状態を導入すると、 1/√2 (2 i√(RT) |1>|1> +(T-R)√2 |φ> + 2 i√(RT)|2>|2>) となり、確率振幅の二乗和を計算すると 1/2 (4 RT + 2 (T-R)^2 + 4RT) = (T+R)^2 = 1 となり問題ありません。 こんな感じでよろしいでしょうか?  読んだ本に振り回されすぎたような気がしてきました(^^;

その他の回答 (2)

  • eatern27
  • ベストアンサー率55% (635/1135)
回答No.3

まぁそんな感じです。 その本でどう説明したかったのかは知りませんが、少なくとも光子がボース粒子である事を考えれば√2のファクターが出てくるのは理解できるでしょう。 きちんと説明しようと思ったら、世の中にはボース粒子とフェルミオンがあって~、と色々な事を説明していかなきゃいけないでしょうから、そこの説明を端折って「とにかくこう計算すればOK」という事だけ書いたのでは。工学系の人向けだったらそれで十分な事も多い・・・のでは。 ところで、確率振幅の二乗和が1になる事を確かめて「正しい」かどうかの判断を行っているようですが、これが1になるように >|φ> = 1/√2 (|1>|2> + |2>|1>) >|AB> = 1/√2 (|A>|B> + |B>|A>) この辺で√2で割っているわけで、確率振幅の二乗和が1になるのは当然の話です。

Skynetwork
質問者

お礼

そうですね。工学系と断っている本なので、あまり 細かいことより使えればいいという考え方なのかも しれないです。 確率振幅の二乗和のことなのですが、これはその本の話の 展開として出てきていました。 |1>|2> と|2>|1>をまとめてしまった後で、 確率の和が1になっていないことに触れ、そして確率振幅の 調整を行うという説明になっていました。 量子情報関連をさらっと調べようとしてハマってしまいました。 どうもありがとうございました。助かりました。

  • eatern27
  • ベストアンサー率55% (635/1135)
回答No.1

|1>|2>≠|2>|1>です。

Skynetwork
質問者

お礼

どうもありがとうございます。 |1>|2> という状態と|2>|1> という状態は異なるということですね。 でも今読んでいる本ではそれをまとめてしまっているのです。つまり 基底の変換を行っているのだと思います。 最初の例では |1>|2> と|2>|1>を1つの状態(グループ)とみなしてしまい、 その際に確率が保存するように確率振幅を調整しているように 思えました。 ところが後者の例では、基底の変換をまた違った考えで 行っているようにも思えます。 もう少し考えて見ます。ありがとうございました。

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