- ベストアンサー
円に外接する多角形の周は、どうして円周より大きいのでしょうか
stomachmanの回答
- stomachman
- ベストアンサー率57% (1014/1775)
まだ手を抜きすぎのようですんで、もうちょっとだけ頑張ってみましょう。 (本気で読んで理解しようとしない方が良いですよ。あらすじだけ追って下されば幸いです。) ●Rを実数の集合とする。連続関数f:R→Rが、∀x∈R,∀y∈R;f(x+y)=f(x)f(y)であるならば、∀x∈R; f(x)=0 もしは ∃a>0; ∀x∈R; f(x)=a^xです。特にlim{x→0}(f(x)-f(0)/x = 1である場合、a=eになります。これを複素数に拡張します。 ●Cを複素数の集合とする。連続関数f:R→Cが、∀x∈R,∀y∈R;f(x+y)=f(x)f(y)、lim{x→0}(f(x)-f(0)/x = 1であるならば、∀x∈C; |f(x)|=0 もしは ∃a(a∈R∧a>0∧∀x∈C; |f(x)|=a^xです。ここで g(x) = a^(-x)f(x) という関数gを導入すると、連続関数g:R→Cは∀x∈R,∀y∈R;g(x+y)=g(x)g(y)、∀x∈R;|g(x)|=1である。そこでg(x)の実部をc(x), 虚部をs(x)と書くことにします。つまりg(x)=c(x)+i s(x)。するとc,s:R→Rは連続関数であり、 g(x)g(y) = (c(x)c(y)-s(x)s(y))+i(s(x)c(y)+c(x)s(y)) を満たす。故に、 |g(x)|^2 = (c(x))^2+(s(x))^2=1 であり、さらに加法定理 ∀x∈R,∀y∈R;c(x+y)=c(x)c(y)-s(x)s(y) ∀x∈R,∀y∈R;s(x+y)=s(x)c(y)+c(x)s(y) を満たさなくちゃならない。これらを満たすc(x),s(x)を求めよ、という問題です。 ●そこでまず、実数の無限列{c[n]}, {s[n]} (n∈N, Nは0を含む自然数)を以下のように定義します。 c[0]=0,s[0]=1 ∀n∈N; c[n+1]=√[(1+c[n])/2] ∀n∈N; s[n+1]=√[(1-c[n])/2] とすると、(c[n]^2+s[n]^2=1ですね。) このとき、{(2^n)s[n]}はn→∞で収束します。この収束値をαとしましょう。 ●次に、∀β∈R, β>0について、 ・加法定理を満たし、しかもc((2^[-n])β)=c[n]、s((2^[-n])β)=s[n]であるような連続関数s,c:R→Rが一意的に存在することが(なかなか手間が掛かるけど)証明できます。(従ってc(β)=0, s(β)=1です。)しかもそのs,cは ∀m∈Z (整数)、∀n∈Nに対して、x=m(2^[-n])βとおくと(c[n]+i s[n])^m=c(x)+i s(x) を満たすことが示せます。 すると区間[0,β]に於いてcは単調減少、sは単調増加であって、n→∞のとき、s((2^[-n])β)/((2^[-n])β)→α/βとなります。これをもとにして、 x∈Rに対して lim{x→0}s(x)/x=α/β が証明できます。そこでβをβ=αに固定してしまいます。(あとまだこちゃこちゃしたことをやらなくちゃいけませんが、)かくて ●cos = c、sin = s、π=2αと定義すると、 (cos(x))^2+(sin(x))^2=1 ∀x∈R,∀y∈R;cos(x+y)=cos(x)cos(y)-sin(x)sin(y) ∀x∈R,∀y∈R;sin(x+y)=sin(x)cos(y)+cos(x)sin(y) x∈Rについてlim{x→0} sin(x)/x = 1 ∀x∈R; e(ix) = cos(x)+i sin(x) その他、sin,cosの性質一式やπの値の計算方法などが導き出されます。 以上、冪級数は使ってないし、だから加法定理もすんなり出てきたわけです。 ●関数p:R→R×R、∀θ∈R; P(θ)=<cosθ, sinθ>を考えると、 ∀θ; |p(θ)|^2=(cosθ)^2+(sinθ)^2=1 です。ここでθを「角度」と呼ぶことにする。pを「単位円」と呼ぶ。そして円弧を実数の区間[η,ξ]のpによる像として定義します。 さらにsin,cosの微分。結果だけ言えば、ご承知の通り d(sinθ)/dθ=cosθ、d(cosθ)/dθ=-sinθ です。これで円の話はだいたいできた。 ●次に解析幾何学に於けるユークリッド距離の概念を構成しなくちゃいけない。 一般に曲線は連続関数u,v:R→Rによって、連続関数l:R→R×R, l(t)=<u(t),v(t)>を定義し、その長さを integral{t=x~y}|l(t)|dt と定義します。従って円弧の長さは integral{θ=η~ξ} |p(θ)| dθ と定義することになり、線分はu,vがtの一次式である場合に相当するわけです。 ●このようにして、図形のイメージを全然使わないで解析幾何学を構成していくと、ようやく等周問題を論じられるようになる。いやはや大変ですね。
関連するQ&A
- アルキメデスが円周率を計算したやり方は?
Blue Backs「パソコンで挑む円周率」で教えられたのですが、世界で最初に円周率を計算により求めたのはアルキメデスとのことです。彼は円に内接・外接する正96角形の周の長さから円周率の近似値を計算し、3.14までは正確に求めたとのことです。 大変ためになる情報ですが、残念ながら私には正96角形の周の長さを求めるやり方が分かりません。アルキメデスは三角関数を知っていたのですか? 三角関数を知っているとしても、それを計算できたのでしょうか。 たぶん簡単なやり方があるのでしょうが、どなたか親切な方、教えてください。
- ベストアンサー
- 数学・算数
- 円周率の理解は小学5年では厳しいと思いますか。
私は厳しいと思います。といいますのは,円に内接する正六角形と外接する正六角形をかきます。 円の直径を1としたとき,内接する正六角形の周の長さ(=3)は容易に求まりますが,外接する正六角形の周の長さ(=2√3≒3.46)は三平方の定理なしでは求まりません。 よって円周率の理解は中学3年でないと厳しいと考えます。
- ベストアンサー
- 数学・算数
- 円に内接する正n角形と外接する正n角形の面積比
タイトルの通りです。ある円に内接する正n角形及び外接する正n角形の面積比はいくらになりますか?答えに至る道筋も詳述願います。 *イメージでは→∞でどちらもそのある円に近づくので,面積比は当然1に近づくような解が得られると思いますが…
- 締切済み
- 数学・算数
お礼
stomachmanさん、ご回答どうもありがとうございました。 教えてgoo事務局から、新しい回答をいただいたお知らせのメールが どういうわけか届いていなかったので、stomachmanさんのご回答に 気づいていませんでした。 お礼を申し上げるのが遅くなり申し訳ございません。 私が勘違いしていたようです。冪級数でなくて、 指数関数の実部と虚部とで定義したのですね。 やはり、 lim{x→0} sin(x)/x = 1 は手でいれるしかないのですね。 これはユークリッド幾何の範囲内で証明のしようがないもの なのでしょうね。それがなぜかはうまく言えませんが。 その後の議論も大変勉強させられました。 どうもありがとうございました。