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円に外接する多角形の周は、どうして円周より大きいのでしょうか
stomachmanの回答
- stomachman
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本当に鋭い質問で、舌を巻いています。 <Nakaさん。 果たして扇形の面積がこれで良いのかどうか、が議論になっているんです。扇形の面積=lr/2というのは、lが円弧の長さである以上、自明ではありません。(たとえば、もし円が細かく見たら歯車だった、というんだと、これは成り立たないでしょう?) つまり円周の長さとしてどんな測度を入れるか、要するに曲線の長さって何?という位相が本質的に重要になります。 stomachmanはまず「円を、Oを中心として任意の(実数値)角度だけ回転しても、もとの円と(測度も含め)合同である」ということを前提して「ゆえに中心角が∠POQ度である円弧の長さlは円周の(∠POQ/360)倍である」に持っていく論法を検討したんですが、結局は、曲線の長さの測度は微分法:「局所の直線近似」を基本にして定義されているのがそもそもアヤシイ(これを認めたらアルキメデスの議論も当然妥当)という議論に陥りました。等周問題もこの測度の上に成り立っているので堂々巡りです。 円弧が微分可能な連続関数でなきゃならん。どうしてかというと、まあコーシーでも一杯飲みながら、というながながとした議論をやらないと到底結論に行き着けない。 さて、三角関数を微積分も幾何学も使わないで定義する方法として、加法定理 f(x+y)=f(x)f(y)という関数方程式の解としてf(z) = a^zを求め、zを複素数に拡張して実部と虚部を分離することによってsin x, cos xおよびその性質全部を引きずり出す手があります。つまり f: C→C(連続関数) ∀z,w∈C;f(z+w)=f(z)f(w)かつz→0のときf(z)-f(0)=z から、 f(z) = f(x+yi)=(cos(y)+i sin(y))exp(x) の存在が証明できます。もうすこし詳しく見ると、{c[n]},{s[n]}を実数列として、 c[0]^2+s[0]^2=1 c[n+1]=√((1+c[n])/2),s[n+1]=√((1-c[n])/2) とするときに、加法定理 c(x+y)=c(x)c(y)-s(x)s(y), s(x+y)=s(x)c(y)+c(x)s(y) を満たすc,s: R→R n∈Nに対してc(β/(2^n))=c[n], s(β/(2^n))=s[n] が一意的に存在することが証明されます。z→0のときf(z)-f(0)=zを要請してここでβを固定し、かつc[0]=0, s[0]=1と決めてやる。それでやっと π=2β によってπが定義されます。(途中を思い切りすっ飛ばしているので、これだけじゃ全然わからんと思いますが)。 これでようやく、解析幾何学で円をsine,cosineで表現する(半径一定の曲線として)ことができるようになったわけですが、じゃあ円周の長さがこれと何の関係があるの? というわけで、ようやく円周の微分が可能であることが証明できる。微積分にお出まし願うのはこの後ということになります。 うわあ。数学基礎論のちょっとした難題ではありますまいか。
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