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ソクラテスは何故脱獄しなかったのか?

cyototuの回答

  • cyototu
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回答No.5

太平洋戦争敗戦直後に多くの日本の国民は食糧難で餓死寸前の状態になりました。そこで、人々は国の法律を破って、米を直接農家から買い始めました。その当時は米を国家の手続きを経ないで買うことは違法とされておりました。そこで、この違法で売買されていた米はヤミ米と呼ばれていました。違法なヤミ米を食べなくては人々は死んでしまう危険にさらされていたのです。ところがそんな状況で山口良忠という裁判所の判事は、 「自分はソクラテスならねど食糧統制法の下、喜んで餓死するつもりだ、敢然ヤミと闘って餓死するのだ、自分の日々の生活は全く死の行進であった、判検事の中にもひそかにヤミ買いして何知らぬ顔で役所に出ているのに、自分だけは今かくして清い死の行進を続けていることを思うと全く病苦を忘れていい気持ちだ」 という言葉を残して、ヤミ米を一切食べずに餓死しました。ソクラテスと山口良忠判事は法に関して同じ認識に立っていたのでしょう。 ソクラテスはいざ知らず、私は山口良忠判事を支持しません。もっとはっきり言って、烏滸だと思いまいした。 人類の歴史を振り返ってみると、混乱した時期に必要なのは言葉や理屈や論理ではないことを教えてくれております。良きにつけ悪しきにつけ、断固たる意思に基づいた強権を行使して新しい秩序を導入することで人々の生活の安定を保証することが、人々の幸福に繋がって来たことを人類の歴史は繰り返し実証してきました。そんな緊急時に「悪法も法なり」なんて言っていると、山口良忠判事の悲劇を繰り返すことになってしまいます。 きっとソクラテスはそんな緊急時に生を受けた方ではなく、法に従っていた方が人々が安心して暮らせるような恵まれた時代に生を受けた方なのでしょう。

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