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【民法】時効取得前の第三者と177条

  A--→B   |   +--→C (1)時効取得前の第三者と177条  AがBに甲土地所有権を譲渡した後、Cが甲土地を時効取得した場合は、一般に、Cにとって、時効取得前の第三者Bは、当事者類似の関係にあるから177条の第三者にあたらず、登記なくして所有権を対抗できると説明されます。  ここで、質問なのですが、Cは、時効によって目的物を占有時点に遡って取得するため、Aは登記を有する不完全な権利者となり、AがBに甲土地所有権を譲渡した売買契約は、二重譲渡であって、BCは対抗関係に立つと考えるのが自然であるように思えます。  ここで、177条の第三者が否定されるのは、むしろ、Cは、時効完成前に登記を取得し得ないからであって、Cにとって、Bが当事者類似の関係にあることが理由であるようには思えないのですが、この考えは、どのような理由によるものなのでしょうか? (2)遺産取得前の第三者と177条  AがBに甲土地所有権を譲渡した後、Cが甲土地の遺産分割を受けた場合は、一般に、遺産分割前の第三者Bにとって、Cは、当事者類似の関係にあるから、原則として177条の第三者にあたらないと説明されます。 (結論としては、909条但書が善意・悪意の区別がないことから、権利保護要件としての登記を要する。)  ここで、質問なのですが、Cは、遺産分割によって目的物を相続開始時に遡って取得するのが原則であるところ、第三者保護の観点からその遡及効が制限されますが、この考えからすると、遺産分割前の第三者BにとってCは、遺産分割によって権利を対抗できない無権利者と考えるのが自然であるように思います。 対抗できないだけで無権利者ではないのかもしれませんが、少なくとも当事者類似の関係ではないように思います。ここで、当事者類似の関係とする考えは、どのような理由によるものなのでしょうか? ご回答よろしくお願い致します。

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回答No.3

>このケースだと、持分を譲り受けたBは、遺産分割後も「第三者」(909但書)として保護されるため、BCは対抗関係にならないように思えるのですが、この点はどうでしょうか 失礼しました。そうでした。遺産分割前の第三者は対抗関係ではなく、909条で第三者が保護されるために登記が必要なのでした。 すいませんですm(_ _)m >この点なのですが、登記上も、時効取得時ではなく、占有開始時からと記載されるということなのでしょうか? 民法144条により登記原因もそうです。ちなみに占有開始日としないと初日が不法占拠になってしまうから、実務上、初日算入です。(登記研究574-1頁)

rapunzel22
質問者

お礼

本当に本当にご回答ありがとうございます。 別の質問でもご回答頂き、感謝しています。 大変、勉強になります。 是非是非、これからも、私も含めた質問者に勉強を教えてください! ありがとうございました。

その他の回答 (2)

回答No.2

> AがBに甲土地所有権を譲渡した後、Cが甲土地を時効取得した場合は、一般に、Cにとって、時効取得前の第三者Bは、当事者類似の関係にあるから177条の第三者にあたらず、登記なくして所有権を対抗できると説明されます。 まさにそうです。当事者「類似」というよりもまさに当事者関係です。 >Cは、時効によって目的物を占有時点に遡って取得するため、Aは登記を有する不完全な権利者となり、AがBに甲土地所有権を譲渡した売買契約は、二重譲渡であって、BCは対抗関係に立つと考えるのが自然であるように思えます。 たしかにそういう学説や考え方もあります。 >177条の第三者が否定されるのは、むしろ、Cは、時効完成前に登記を取得し得ないからであって、Cにとって、Bが当事者類似の関係にあることが理由であるようには思えないのですが、この考えは、どのような理由によるものなのでしょうか? BはAから所有権を承継し、Cと所有権の得喪関係の当事者であるので、時効取得したCはBに対し登記無くして所有権を主張できるわけです。 なんでこのようにCを保護するのかというと、まさにCは時効完成前には登記を取得し得ないからです。登記請求権も時効完成後でないと発生しません。それに対し、Bは時効中断措置を講ずる事ができます。Bは中断措置を怠り、Cの時効を完成させてしまったのだから、Bを保護する理由は無いんですね。 確かに、時効の遡及効によりAの所有時からCは所有権を取得しますが、これは占有開始時から所有権を取得したとしないと、Cは時効完成時まで不法占拠者となり、AとBから損害賠償されてしまったり、不動産からの果実も取得できない事になるからで、そうなると時効取得しても権利が弱くなってしまうからです。 Cは時効完成後に登記請求権を取得し、Bに対し移転登記請求し、物件変動にかんしてはA→B→Cとなり、所有権の効力は占有開始時となるんですよ。なので、上記のような事件になった登記簿は例えば・・・ 所有権移転  昭和20年1月1日売買   所有者A 所有権移転  昭和30年1月1日売買   所有権B 所有権移転  昭和25年1月1日時効取得 所有権C という順番で登記されています。 >AがBに甲土地所有権を譲渡した後、Cが甲土地の遺産分割を受けた場合は、一般に、遺産分割前の第三者Bにとって、Cは、当事者類似の関係にあるから、原則として177条の第三者にあたらないと説明されます。 相続開始前にBが出て来たのか、相続開始後に出て来たのかで当事者関係なのか対抗関係なのか違ってきます。 まず、上の事例の様になるには2パターンありますよね。 (1)A→Bと譲渡した後、Aが死亡して相続人C、Dが相続し遺産分割した場合。 (2)Dが死亡し、甲土地の共有者は相続人A、Cとなり、甲土地のA持分をBに譲渡した後、遺産分割協議により甲土地の所有権をCとした場合。 (1)のパターンではC、DはAの所有権移転義務を相続してますから、CとBは当事者関係というわけです。 では(2)のパターンではどうか。遺産分割協議終了時、Cは登記をA持分について備える事ができます。Bも出来ます。この場合、BとCは当事者関係ではなく、対抗関係です。

rapunzel22
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 すいません。不勉強のため、念のため確認させて下さい! >所有権移転  昭和20年1月1日売買   所有者A >所有権移転  昭和30年1月1日売買   所有権B >所有権移転  昭和25年1月1日時効取得 所有権C > >という順番で登記されています。 この点なのですが、登記上も、時効取得時ではなく、占有開始時からと記載されるということなのでしょうか? また、 >では(2)のパターンではどうか。遺産分割協議終了時、Cは登記をA持分について備える事ができます。 このケースだと、持分を譲り受けたBは、遺産分割後も「第三者」(909但書)として保護されるため、BCは対抗関係にならないように思えるのですが、この点はどうでしょうか? 重ね重ね申し訳ありませんが、ご回答頂ければと思います。

noname#94859
noname#94859
回答No.1

>「 AがBに甲土地所有権を譲渡した後、Cが甲土地を時効取得した場合は、一般に、Cにとって、時効取得前の第三者Bは、当事者類似の関係にあるから177条の第三者にあたらず、登記なくして所有権を対抗できると説明されます。」 と説明されるのが一般でしょうか? 177条関係の判例が新しく出てるならともかく(その点、不勉強で申し訳ありません)登記なくして所有権を対抗できるという考え方ができるという意味ですね。登記なくして所有権が主張できるのは、相手が背信的悪意者である場合でしょうね。これは判例からほとんど裁判上は確定してる考えだと認識してます。 Cにとって、Bが当事者類似の関係にあることが理由であるようには思えない、とありますが、私もそう思います。 Cが時効で取得してると主張する相手はAです。 未登記のBではありません。 Bの登記がされてない、つまり対抗要件を持ってないことについて、Cは背信的悪意者ではないので、AとBの関係を知ってても、時効取得主張の相手はAだと私は判断します。 Cが背信的悪意者ではないから、時効取得を主張できるのであって、AとBが当事者類似にあるから云々と言う理由は、なにかおかしな理屈だと、わたしは思います。 (2)について 当事者類似の考え方を持ってくるのは、どうした理由だと聞かれてる質問に、その考え方を持ってくるのが一般的だという事自体がおかしいという疑問を感じてます。 Bは売買当時者ですから、悪意です。登記がしてないから対抗要件を持ってないだけです。誰に対しての対抗要件かというとA以外の全ての者です。 どうして「遺産分割前の第三者Bにとって、Cは、当事者類似の関係にある」のか?そもそもBは売買契約で所有権移転を受けてるのであるから「第三者」ではないのでは。 ここでも「当事者類似」という語彙での説明がされて、わけがわからなくなります。 一般的だとされてる、とする判断を誰がしてるのかでしょう。 それに一般説は第三者がBになってみたりCになってみたりしてる気がしてしょうがありません。 どこかの問題集でしょうか。 又は「これが一般論だ」と提示して、どうしてこれが一般論足りえるのだ、おかしいのではないか、という反論を得るための教材的な問いかけなのでしょうか。 登記をしてないのですから、所有権を第三者に対抗できないというだけです。相続で所有権を得る人間が優先されるのが当然の理だと私は思います。 こうした法律理論でわけが判らなくなった場合「常識による」判断がいるのかもしれませんね。

rapunzel22
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 そうですよね。 確かに、一般的と言われている帰結の「理由付け」については、不思議に思う点が結構あったりします。 理由付けについては柔軟に考えた方が良いのかもしれませんね。 ご回答ありがとうございました。

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