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炭酸の解離定数について
炭酸の解離定数について調べていたところ、疑問に思うことがあったので質問させていただきます。 理科年表や化学便欄等のデータでは、pKa1=6.34,pKa2=10.25あたりのデータでまとまっています。 しかし、ネットで調べてみたところ、1段階目が pKa1 = 3.60、2段階目が pKa2 = 10.25という記述が、Wikipediaをはじめ、いくつかのサイトで紹介されていました。 pKa1の値が違ってしまっているので、この理由を知りたいです。 単なるミスなのか、ネット上の情報は信頼できないということなのか、それとも理由がしっかりあるのか、詳しい方がいたら教えていただきたいです。 よろしくお願いします。
- siamshade0
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「炭酸」の解離といった場合に, 「純粋な炭酸」の解離を考える場合と「水が共存する炭酸」の解離を考える場合の両方があるんではないでしょうか. 水が共存する場合には H2CO3 ⇔ H^+ + HCO3^- HCO3^- ⇔ H^+ + CO3^2- という電離平衡のほかに H2CO3 ⇔ H2O + CO2 という平衡が可能なんですが, この平衡はかなり右に偏っています. 確か 1:600 とか, そのくらいの偏りだったと思います. この平衡を考えるかどうかで pKa1 が 3.60 になったり 6.34 になったりしているんでしょう.
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- nious
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#3ですがもう少し細かく考えてみます。 CO2 + H2O ⇔ H2CO3 ; [H2CO3]/[CO2]=K0=3.5*10^(-3) H2CO3 ⇔ H^+ + HCO3^- ; [H^+][HCO3^-]/[H2CO3]=K1'=1.3*10^(-4) HCO3^- ⇔ H^+ + CO3^2- ; [H^+][CO3^2-]/[HCO3^-]=K2=4.7*10^(-11) 分析濃度(全濃度)をCとすると質量収支は、 [CO2]+[H2CO3]+[HCO3^-]+[CO3^2-]=C、[CO2]についてまとめると、 [CO2]=C[H^+]^2/{(1+K0)[H^+]^2+K0K1'[H^+]+K0K1'K2} 1>>K0、K0K1'=K1=4.5*10^(-7) より式は、f([H^+])=[H^+]^2+K1[H^+]+K1K2と置くと近似的に、 [CO2]≒C[H^+]^2/f([H^+]) [H2CO3]≒CK0[H^+]^2/f([H^+]) [HCO3^-]≒CK1[H^+]/f([H^+]) [CO3^2-]≒CK1K2/f([H^+]) 1>>K0だから、[CO2]+[H2CO3]≒[CO2]と見做す事ができます。常に[H2CO3]は[CO2]の0.35%程度しか存在していません。 以上からK1=4.5*10^(-7)を使えば、[CO2],[HCO3^-],[CO3^2-]の3つの濃度で4つの化学種を近似的に表せる事が分かります。
お礼
非常に深く考えていただいてありがとうございました。 考えるのも、この回答を打ちこむのも大変だったろうと思います。 本当にありがとうございました。
- nious
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pK1=3.6の方は「炭酸:H2CO3」の酸解離定数です。 H2CO3 ⇔ H^+ + HCO3^-、[H^+][HCO3^-]/[H2CO3]=K'1=10^(-3.6) pK1=6.3の方は「炭酸ガス:CO2」の酸解離定数でしょう。 CO2 + H2O ⇔ H^+ + HCO3^-、[H^+][HCO3^-]/[CO2]=K1=10^(-6.3) CO2 + H2O ⇔ H2CO3 の平衡定数をK0とすれば、 K1=K0*K'1のように2つの平衡定数を掛け合わせたものと思われます。 するとK0=10^(-2.7)となり、だいぶ左に偏っている事になります。 また一般には6.3を使いますので本来なら「H2CO3」より「CO2+H2O」で表すべきだと思います。
- Kemi33
- ベストアンサー率58% (243/417)
「化学辞典」の炭酸の項に説明がありました。要約すると,次の様になります。 酸解離定数 K1=4.4x10^(-7) は K1=[H+][HCO3-]/{[CO2]+[H2CO3]} の値で,CO2 + H2O ←→ H2CO3 の平衡における [H2CO3]/[CO2]=0.0037 を考慮すると,H2CO3 の真の K1 は 1.3x10^(-4) となるそうです。 つまり,#1さんが回答されている通りですね。
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