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台車に載せた錘の運動方程式
滑らかな床に置いた質量Mの台車の上に質量mの錘をおきます. 台車と錘との間の摩擦係数はμです. 台車をδt秒間でLだけ移動させます. そのときの運動方程式をたてて,錘の運動を計算したいのです. 台車に外力を印加する場合では台車と錘の運動方程式(と呼ぶには簡単すぎますが)を作ることは容易ですが,上記では,ちょっとわかりません. 台車をδt秒間で移動…,で不十分なのであれば,台車にδt秒間 cos(ωt)の加速度を与える,ω=π/δt,としてもかまいません. ご教授をお願いいたします.
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この物理系は摩擦力という非線形要素を含むので厳密かつ一般的な表現としては通常の線形運動方程式では表現できません。そこで、δt の問題設定とは離れてしまいますが「錘の運動を計算したいのです」という目的については以下のような手法が可能かと思います。 台車、錘の物理量に a,b の記号をつければこの系の運動方程式は下記の様な連立非線形方程式となります。 Fa = M・d^2xa/dt^2 + m・d^2xb/dt^2 ------- (1) Fb = m・d^2xb/dt^2 --------------------- (2) Fb = G(dxa/dt-dxb/dt) ------------------ (3) この運動方程式の未知変数は xa、xb、Fb (m への摩擦力) の3つなので方程式も3つ必要です。また関数 u = G(v) は台車と錘の相対速度 = v の時の摩擦力 u を与える下記の様な特性を持つ非線形関数です。 u = + μ・m (v>0) --------- (4) u = 0 (v=0) --------------- (5) u = - μ・m (v<0) --------- (6) 蛇足ながら(1)に摩擦力 Fb が出てこない理由は摩擦力が内力であり台車と錘の運動系全体では打ち消されてしまうからです。 上記の運動方程式を解析的に解くのは困難ですがシミュレーションで解くことは可能です。ただその場合は関数 G を下記の様な滑らかな関数で近似する方が解が安定すると思います。この k を十分大きく取れば (4)~(6) の特性に近くなります。 u = (μ・m・2/π)・arctan(k・v) ------- (7) また、現実の問題としてシミュレーションに精度を求めるなら関数 G に(現実の摩擦状態を反映させて)静止摩擦係数の条件も入れる必要があります。
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- morimot703
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δt秒間で移動,,, とありますから、δt秒間の詳細は無視して、 おそらく、t>δtの錘の運動を出すのだと思います。 錘にだけ注目すれば、台車との相対速度をvとすると、(v=v錘ーv台車) t=0で v=0 t=δtで v=v1 (とおく) t>δtで v=v1-∫{摩擦力による加速度(減)}dt =v1-1/m∫μvdt t>δtの場合、 d v/dt = -1/m μ v v = v1 exp(-μt/m) 次に、v1を求めます。 δ秒時の台車の速度をv台車1、δ秒後の錘の速度をv錘1 とします。 (v1 = v錘1ーv台車1 です) δ秒間は、錘が受ける力は、摩擦によるものだけです。 したがって、 mdv錘/dt=μ・相対速度v 摩擦力による速度の増加は、dt秒で、1/m μvdt です。 したがって、0+dt秒での錘の速度は、1/m μvdt 題意から、0+dt秒がδt ですから、 v錘1=1/m μ・相対速度v・δt =1/m μδt(v錘1 - v台車1)/2 v錘1(1-μδt/2m )=μδt/2m v台車1 v錘1(2m-μδt)=μδt v台車1 v台車1=v錘1(2m-μδt)/(μδt) v1= v錘1 - v台車1=(μδt/(2m-μδt)- 1)v台車1 = -2m/(2m-μδt)v台車1 = -1/(1-μδt/2m)v台車1 また、外力によって台車は、Lまで移動するのですから、 L=∫[0toδ] v台車 dt v台車は、t=0で0、t=0+dt で v台車1 題意から、0+dt秒がδt ですから、 L=(v台車1)/2 δt v台車1=2L/δt ∴ v1=v錘1 - v台車1= -2L/{(1-μδt/2m)δt} 次に、速度を計算するため、運動量で考えます。 台車の運動量=M・v台車 錘の運動量=m錘v=m{相対速度 + v台車} (摩擦熱が持ち去る運動量=0 ・・・等方向に出るから) で、 d 運動量の和/dt = 0 =d/dt{M・v台車 + m{v1 exp(-μt/m) + v台車} } =d/dt{mv1 exp(-μt/m) +v台車(M+m)} =-μv1 exp(-μt/m) +(M+m)d v台車/dt これを解くと、 v台車= mv1exp(-μt/m) / (M+m) = v1 exp(-μt/m) / (M/m+1) v錘=v1 exp(-μt/m) + v台車 =v1 exp(-μt/m) - v1 exp(-μt/m) / (M/m+1)} =v1 exp(-μt/m){1- 1/(M/m+1)} あとは、 台車の位置=∫v台車 dt 錘の位置=∫v錘 dt
補足
t=0から錘が完全に停止するまでの挙動,を計算したいのです. ありがとうございました.
- chikin_man
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t=0のときx=0で下記方程式を解く。 m*d^2(x)/d(t^2)=m*cos(ω*t)-μ*m*g ---(1) さらにt=δt以上のとき上のx=xδの初期条件を入れる。 m*d^2(x)/d(t^2)=0-μ*m*g -----------(2) (1)(2)を解いてみてください。 解法は、x=α*cos(ωt)+βとかおいてやってみてください。 (あくまで近似解ですが・・)
補足
大変すっきりした回答ありがとうございます. 私としては,上記の(1)~(6)までの式を作ることはできていました. しかし,それを一貫した運動方程式として記述できない,ということが壁だったことも,自分自身でもようやくわかりました. しかも,なるべく解析的に解きたいという気持ちもあったので,ますます,行き詰っていました. この問題を数値計算するにあたって,不連続を連続として扱う式(7)の工夫も大変参考になりました.静止摩擦と動摩擦の切り替えにも使えるかもしれません. 重ねてありがとうございます. ようやく数値計算できそうです. この疑問は,趣味で「だるま落とし」の挙動を解析的に説明できないか…と考えていた過程で出てきたものでした.最終的にはだるま落としの任意の輪を叩いてその輪のみをはみ出せる…,さてどうすればよいのか…,ということを解決したいのです.