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一つの作品について作者と読者の持つ考え方

qandasokの回答

  • qandasok
  • ベストアンサー率42% (79/186)
回答No.2

経験から回答します。 私は学生時代、文芸を嗜んでいて、賞も取っています。 何らかの文芸賞に向けて作品を書くとき、私を含む殆どの作者は、 第三者に読んでもらうことを意識して文章を書きます。 何故ならば、文芸賞の審査員は、私達がどういう人間で、 どういった思考を持っているのかを知らないからです。 もし私が自分の思うが侭に文章を書いたとしたら、 審査員はきっと、その作品が何を言わんとしているか分からないと思います。 だから私は、個性や表現の欲求を敢えて抑え込み、 私を知らない大勢の人たちが最も理解しやすい形式で物語を綴ります。 そうすると、私が本当に言いたいことと、読者に伝わることとの間には、当然差が生じてきます。 そういった差が、「作者と読者の気持ちの違い」として現れてくるのだと思います。 しかし、そういったことは、殆どの作者は作品を描いている時点で、 意識しているかどうかは分からないけれども、"覚悟"しています。 自分と読者の意識の間に隔たりがあることを覚悟しています。 そしてさらには、そういった読者独特の解釈について、 殆どの作者は好意的に捉えているだろうと思います。 現在、日本の教育現場では、国語と称して、 「小説の登場人物はこの場面でどんな気持ちになったか」とか 「この作品の作者は、何を伝えたいのか」とか そういった設問を平気でテストとして出題しています。 しかしこれは、執筆する側からみれば、気持ちの悪い出題です。 こんなふうに、読者独自の解釈をさせずに、 まるで作品の解釈が一通りであるかのように示す教育は間違っています。 同じように、ある作品についての論評で、 「こんな解釈は作者の意図するところではない」とか したり顔でのたまう輩も気持ち悪いです。 作品の解釈や受け取り方なんて、人それぞれでいいんです。 『狐と葡萄』を読んで、「努力しないやつは馬鹿だ」と思う人もいれば、 「人間の動物に対する優越心が鼻につく」と思う人もいて良いんです。 「作者がどんな意図でその作品を書いたか」よりも、読者の独自解釈のほうが何倍も尊重されて然るべきです。

qmg7724
質問者

お礼

よくわかりました。この回答で疑問が解決できると思います、本当にありがとうございました。

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