火葬炉でそんなにたくさんの遺体は焼けない?
ごく一般的な、遺体の火葬焼却炉は、棺に入れたご遺体を燃焼炉一つ(これをマッフル炉と呼びます)に一体毎に火葬します。当たり前です。複数の遺体を入れて同時に焼いたりしたら遺灰の区別が付きません。
しかしかつて、この禁忌とも言えること実際にやった歴史が存在します。
ナチスドイツの強制収容所・あるいは絶滅収容所であり、代表的にはアウシュビッツ・ビルケナウキャンプです。
一日に何千人もユダヤ人を殺さなくてはならないので、その何千人を火葬炉で遺体焼却していたとされるわけです。
一つの燃焼場に15個のマッフル炉(内部は3つのマッフル炉が一つの炉を形成しているので炉としては5炉)があり、同じ規模の燃焼場がもう一つ、それより小規模の燃焼場が2つありました。野外火葬も行っていました。
さて、ここで、その15炉のマッフル炉で一千体の遺体を24時間で処理するとします。すると、
1000÷24÷15=約3体/1時間あたり/1マッフル炉あたり
と計算されます。ところが、いわゆるホロコースト否定派は「これは不可能である」と主張します。
なぜなら、遺体一体あたりの火葬時間は一般的に1時間かかるからだ、というのです。従って3体なら3時間かかることになり、科学的にあり得ないと主張します。
確かに調べると、遺体一体当たり約1時間というのは正しそうなのです。
でも、ナチスは一度に複数死体を1マッフルに投入していたとされます。順番に焼いていたわけではありません。
一体の燃焼時間が1時間ならば、まとめて焼いても1時間のはずです。こんなの小学生でもわかります。単に、遺体を並行して同時に焼いていると考えればいいだけだからです。
すると、否定派はこう言います、人の体の水分は7割もあり、先ず脱水させなければならないから燃料が膨大にいることになる、と。
これもまたおかしな理屈です。一般的に考えて、物を燃やすと火がつきます。ていうかそれ自体が温度が上がり発火する、それを燃える・燃焼というわけです。つまりは、複数同時にマッフル炉に入れているのであるならば遺体そのものが燃料になるはずです。
遺体には当然脂肪分だってありますから、脂肪分は即ち油ですから、一度発火したらむしろよく燃えるはずです。
ということは、極端な話、炉を最初に加熱する際に燃料が必要なだけで、後はどんどん遺体を連続投入していけば、追加燃料は理想的には不要のはずです。高温を維持できさえすれば良いのです。普通、マッフルにしろ窯にしろ、熱を逃さず高温を維持するために給排気を備えた閉空間になっているはずです。
そうすると、否定派は今度は、1マッフルにそんなに死体は多く入らないと言い出します。ですがこれもそんな訳ありません。そりゃ十体も二十体もは流石に入らないと思いますが、三体くらい余裕のはずです。何故ならば死体なんだから別に死体が苦しむわけでも動くわけでもないのだし、うまく重ね合わせればどう考えてもその程度なら入るはずです。それに焼却を続けていたら焼却遺体の体積はどんどん減っていくわけですから、開いたスペースに遺体を連続投入すればいいだけなのです。すると、1時間あたりの火葬率はどんどん上げられることになるはずです。その方が高温を維持できるわけですから、連続投入は不可欠です。
ほんとにごく普通に考えて、個別にものを焼くより一緒にまとめて焼いた方が速い、というのは誰でも知っている筈です。鮭の切り身をグリルでたくさん焼かなければならないのに、一つずつ焼く馬鹿な人はいません。時間もガス代も勿体ないわけですから。
ホロコースト否定派の理屈ってあり得ると思いますか? それとも私何か間違ってます?
お礼
はい、気をつけたいと思います。 実は学生時代に質問事項で示したことは日常的にやっていたんです。 が、会社に入って同じことをしようとしたら同僚に止められたので、 やってはいけないことなのかなと心配になり、 今回このような質問をさせていただきました。 メーカーにも一応同じ質問をしているところです。 お答え下さったお二人ともありがとうございました。