比熱について知っておきたいこと
- 比熱についての基礎知識や気体定数について説明します。
- 3次元空間と1次元運動の違いによる比熱の変化について考察します。
- 単原子分子理想気体の1次元運動における比熱の範囲について詳しく知りたい方への情報を求めています。
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比熱
3次元空間に分布している媒質(理想気体)の1次元方向に一様な運動,あるいはほぼ一様と近似できる運動を考察しています。 単原子分子理想気体では気体定数を R として,c_v=3/2×R(比熱比 γ で言えば γ=5/3)であることは古典的な気体分子運動論から知られている事と思います(観測等でも証されている事と思います)。 しかし,ここで「3/2」が出てくるのは「3次元空間での等方的な運動」の仮定から説明される事と理解しています。 1次元運動の場合,単原子分子理想気体の c_v が大体どういった範囲の値を取ると考えるのが妥当なのか,詳しい方,どうかご教授ください(また,多原子分子であればどうかも教えてくだされば幸いです)。
- mori_miko
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古典統計力学によれば、一般に1自由度・分子1個辺りの運動エネルギーがkT/2である事が知られています(等分配則)。 ここでいう自由度というのは、ミクロにみた時に分子がいくつの方向に運動できるか(並進・回転・振動)というのを表しています。 単原子分子理想気体では、x、y、zの3方向に運動できるので、mol辺りの運動エネルギーは3RT/2となります。今はポテンシャルはないと思っているのでこれが内部エネルギーです。内部エネルギーをTで微分した3R/2が定積比熱c_vとなります。 もしも、ミクロに見た時に、各々の分子がそろばんの珠のようにx軸方向にしか動けなくなっているような状況を考えているのであれば(自由度が1つしかないので)話は別ですが、質問・補足を見る限り、ミクロな視点で見れば分子はy、z方向にも自由に動けるような状況を考えていますよね。 もちろん、x軸方向に何らかのパラメータが変化しているような状況はもはや「熱平衡状態」ではないので、気体全体を一辺に扱うのは問題があると思いますが、パラメータの変化が無視できるほど十分小さな(しかし分子サイズよりは大きな)立方体を切り出したと考えましょう。この立方体の中が熱平衡状態(的な状態)になっているという事にすれば(そうでないのなら、例えば「温度」が定義できません)、この領域の中では普通の統計力学や熱力学をそのままの形で適用する事ができて、1mol辺りの比熱は3R/2という事になります。
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- eatern27
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>上記ご指摘の「そろばん」の様な状況ですと,回転・振動もしない単原子分子の c_v は(それが定数だと思うとしたら)R/2 であると思うのがやはり妥当でしょうか? 古典的な理想気体だと思えばそうなります。 しかし、実際に1次元系が作れたとしても、その系を古典論で扱っていいか言われるとちょっと怪しい気が。
お礼
よくわかりました。 いろいろとお教え頂き,どうも有難うございました。
- eatern27
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>3次元空間に分布している媒質(理想気体)の1次元方向に一様な運動,あるいはほぼ一様と近似できる運動を考察しています。 ん~、「風」が吹いているような状況(理想気体がマクロに移動する状況を考えているんですか? そうだとすれば、「風」が吹いていない時と変わりません。「風」に流されている人から見れば「風」は吹いていないのですから。
お礼
ご回答有難うございました。 恐縮ですが,私の質問文の一番大切な所の記述が悪かったと思いますので,以下訂正致します。 『3次元空間に分布している理想気体の,1次元方向のみの運動(他の2次元方向へは一様であるような運動)』 を考察しています。より詳しくは,例えば媒質中の各点(x,y,z),各時刻 t における密度や速度場などの物理量が,時刻 t 並びに1つの座標成分 x のみに依存する様な状況です。 仰るとおり,「風」に流されている観測者から見れば1次元方向の「風」は感じない事と思います。物理法則(あるいは基礎方程式系)が動いている観測者に対しても不変である事がその根拠であろうかと理解していますが,↑の様な状況(そもそも1次元的な流れ「しか」持たない媒質の観測)でもやはりそれはあてはまると考えてよろしいのでしょうか?
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