判例に詳しい方、教えてください。

質問

山口県で起こった母子殺害事件のことを考えていて、ふと気になったのですが……

地裁、高裁で死刑以外の判決が出ても、最高裁で死刑判決が出たという判例には、どのようなものがありますか？

事件の通称名と判決のあった年だけでも結構です。ご存知でしたら教えてください。

回答No.3

noname#2543 · ベストアンサー

検察が、無期懲役を量刑不当として死刑判決を求める上告を行ったのは、昭和43年の「永山事件」の第一次上告審(最判昭和58年7月8日)が最初の例です。
この上告審で最高裁は高裁判決を破棄差戻、差戻審で死刑判決が下されます。そして、それに対する第二次上告審(最判平成2年4月17日)が棄却され死刑が確定しました。
そして、現在までのところ、確定事件では、高裁の無期懲役判決に対して最高裁が死刑相当と判断したものは、これが唯一の例です。

永山事件後、平成9年まで死刑判決を求める上告は行われませんでしたが、平成9年から立て続けに5件の上告を行っています。
そのうち4件が上告棄却(無期懲役)、1件が破棄差戻となっています。その破棄差戻事件がNo.2の方の指摘される事件で、おそらく死刑で確定することでしょう(最判平成11年12月10日)。

この他に、死刑判決を求める上告が行われたことはなかったと思います。
というのも、第一に検察官にしても上告までして死刑を求めるのは気が進まないでしょうし、第二に前記の永山事件で死刑の判断に関する判例が確定しており無理して上告しても無駄なことが分かっている場合が多く、第三に刑事訴訟法上、上告理由が制限されているためです。

結論としては、高裁の無期懲役判決に対して最高裁が死刑相当と判断したものは、永山事件と平成四年の広島の事件だけです。
ただし、６件中の２件ですから、逆転判決が稀であるという結論にはならないかと思います。

※なお、逆に死刑判決に対する上告に対し無期懲役となることも稀です。戦後に入って２例、この前、３例目が出てたかもしれません(ただし、逆転無罪となった事件は除きます)。

お礼

詳細な回答、ありがとうございました。

回答No.2

illustrious

まだ確定判決は出ていないと思われますが、
平成４年に広島県で起った、「無期懲役の仮釈放中における強盗殺人事件」について、一審・二審(広島高裁)はともに「無期懲役」の判決でした。
これに対して、最高裁判所(第二小法廷)は11年12月10日、「被告の責任は重大で、特別の事情がない限りは死刑の選択をするほかはない」として、無期懲役とした二審判決を破棄して、審理を広島高裁に差し戻す判決を出しています。
現在は恐らく、広島高裁で差し戻し審が行われているものと思われますが、「差し戻し審で死刑が言い渡される可能性が高くなった」(朝日新聞の記事による)と言われています。

お礼

この事件についてはまったく知りませんでした。
回答ありがとうございました。

回答No.1

shoyosi

地裁、高裁で死刑以外の判決＞
両方死刑以外で最高裁で死刑が確定したというのは、１９９３年以降の死刑執行者、現在、死刑確定者の中にはいません。（最高裁発足後の）戦後の事件も探してみましたがないようです。死刑関係は下の参考URLが充実しています。また、個別の事件については、下のＵＲＬのＧが充実しています。
（参考）
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/1901/climb.html

参考URL：

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/7136/linker.html

お礼

早速の回答ありがとうございました。
教えていただいたULR、たいへん参考になります。