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過剰防衛で相手を失明させたら
例えば街で暴漢から襲われ、逃げ場がなくなり相手に反撃して相手を失明させても正当防衛が認められれば、刑事・民事的にも一切責任は負わされませんよね。しかし、正当防衛が認められず、過剰防衛にされた場合は、刑事的には処罰が軽いかもしれませんが、相手からは莫大な慰謝料を請求されるんでしょうか?
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暴漢から襲われた人をAさんとします。 これはホントにケースバイケースでどうなるのかは一概に言えませんが、Aさんが女性の場合は正当防衛が認められる確率が高いですが、男性だと、過剰防衛どころかAさんが一方的な加害者に扱われかねません。しかし、暴漢が両眼を潰され、Aさんがそのまま立ち去り、目撃者もいなければ、Aさんを割り出すことが難しくなります。何しろ、警察のモンタージュ写真でAさんを割り出すことが不可能になります。それにしても、こういう場合、暴漢がその後どういう行動に出るでしょうかね。恐らく、誰かに助けを求め、自分が逆に暴漢から一方的に襲われたようなことを言うでしょうね。恐らく、失明した暴漢を助けた人が警察に通報するでしょうけど、そもそも殺人ではないので警察も真剣に捜査するかは疑問です。繰り返しますが、Aさんがそのまま立ち去ればAさんを割り出すのは難しいですが、ご質問のケースはではAさんが男性で警察で特定され、体格的にも暴漢と大きな違いがなければ、Aさんが一方的な加害者にされかねないことです。しかし、暴漢が連続通り魔の犯人だとしたら、Aさんが過剰防衛だとしても、暴漢の取調べと懲罰が最優先なので、Aさんへの慰謝料など後回しになります。恐らく、懲役を食らえば服役中に民事訴訟を起こすのは事実上不可能に近いので、刑期を終えてから訴訟を起こすことになるでしょうけど、それでは、訴訟の時効を過ぎているかもしれません。それに、訴訟を起こしても棄却されるでしょう。 それから#5のお礼で書かれた銀行強盗を失明させた行員ですが、銀行強盗は非常に重大な犯罪です。その行員は正当防衛が認められる確率が高く、仮に過剰防衛だとしても強盗を私人逮捕した功績も考慮され不起訴になるでしょう。この場合、強盗は強盗未遂罪で警察に現行犯逮捕されます。この時点では警察は行員を任意の事情聴取を求め、その上で調書を取り、検察に送検しますが、検察が過剰防衛と判断し傷害罪として起訴し、裁判で行員の有罪が認めなれない限り、行員が責任を負うことはありません。もっとも、検察が起訴する可能性は極めて低いですけどね。#6さんの仰る“「はじめから目を潰す目的で目を潰そうとしているわけでして、しかも武道の心得があるとくれば「他にいくらでも方法があったのではないですか?」”ですが、先ほど書いた行員の傷害罪の 裁判が万が一実現した時に検察側が主張するでしょうけど、この裁判自体 行われることは可能性が極めて低いと思われます。強盗側が慰謝料の民事裁判を起こすとすれば、刑期を終えてからになるでしょうけど、 棄却される可能性が極めて高く、控訴してもほぼ100%敗訴します。 それに、銀行強盗するくらいだからお金に困っているんだろうし、その上めくらでは何も出来ませんよ。誰も、そんな人の弁護士になる人はいませんよ。
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>民事と刑事は別物とありますが、例えば痴漢冤罪で刑事では有罪になって も、民事で冤罪の慰謝料請求も出来るんですか? #6です。 まず「請求できる」の意味をきちんとさせておきます。#6の回答に書いたとお り、「自然債務を除き、立証できることを前提に裁判所が請求認容判決を書い てくれる」です。であれば、この痴漢冤罪事件が本当に冤罪であるならばそし てそれが不法行為を成立させるものならば、実体法上「請求できるのは当然」 です。できないとする理由が法律上全くありません。 もっとも、刑事で有罪になるような場合に民事で冤罪であることを立証するの は相当困難なので実際には「立証ができずに敗訴する」可能性は高いです。し かしこれは訴訟法上の問題に過ぎません。「請求できるか」という問いの法律 的な答えとしては「本当に冤罪なら不法行為の要件を満たす限りにおいて請求 できる」です。 ちなみに逆はよくありますね。刑事で無罪で民事で賠償責任を負うというの が。ただ気を付けなければいけないのは、本当に無罪なのに民事では立証の差 で負けただけでしかないという可能性が常に少なからずあるということだけは 忘れてはいけません。民事裁判は「真実発見の場ではない」のです(これは 訴訟の目的や制度的な面を見れば明らかです)。 で、「銀行強盗事例」ですが、繰り返します。正解は「ケースバイケース」で す。銀行強盗がいかに悪質であろうとも「だからどんな反撃も許される」など と言うのは「判例通説に反して完全な誤り」です。目を潰すしか方法がなかっ たあるいは方法はあったが他の方法では自分が逆にやられる危険が高かったり して現実的な方法として目を潰すのは十分合理的だったというのなら正当防衛 になる可能性は十分あります。しかし、検察というのは正当防衛の成立につい ては結構厳しく解釈する面があり、たとえ強盗でも「回復不能な怪我をさせる ことをはじめから意図して行う」ような状況はかなり厳しく判断します。間 違っても「相手が強盗だから」という程度の理由で不起訴にするなどという安 直な判断をすることはありません。 同様にその場合の損害賠償請求が「100%敗訴する」などとも言えません。正解 は「ケースバイケース」です。自業自得なのでかなり厳しいのが事実だとして も「100%」などと言える事はそれこそ100%ありません。 願望を事実とすりかえてはいけません。 あるいは論理と感情をごっちゃにしてはいけません。 その区別のできない人は法律を語る資格はありません。
お礼
あれ、おかしいですね。質問は締め切っているはずなんですが。
まず最初に「刑事と民事は別もの」と言っておきます。「刑事で過剰防衛だから民事でも」などと言うのは、余りに安直で法律的には間違いと言うべき部類です。 損害賠償という話をするならこれは「不法行為に基づく損害賠償」が法的根拠になります。相手の不法な侵害行為に対する反撃について不法行為が成立しない条件として「正当防衛」というのがあります(刑事の正当防衛ではありません。民法独自の正当防衛です)。 民法720条 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。(以下略) この民法上の正当防衛の成否は、刑事の正当防衛と判断それ自体は似たようなものになるので「刑事で過剰防衛となる場合には民事でも過剰防衛となって不法行為が成立する」可能性は確かに十分あります。しかし、「絶対」というわけではありません。そもそも「認定する訴訟手続きが違う以上、片や過剰防衛で片や正当防衛という認定がないとは言えない」のですから。 その上で、(刑事でどうなるかに関わらず)民事上は反撃が過剰で不法行為は成立するという判断になれば#3の回答にある過失相殺の問題になります。もしも「不法行為が成立する」となればこの場合、賠償責任がなくなることはありません。過失相殺では賠償額全額を免除することはできません。賠償責任がないのは「不法行為が成立しない場合だけ」です。 いくら相手が不当だと言っても「だからどんな反撃をしてもいいことにはならない」のは言うまでもありません。反撃が正当でない以上、そこに不法行為が成立することは当然ですしそうなれば損害賠償責任を負うのも当然です。損害賠償を負うのがおかしいと思うのならそもそもそれは「不法行為になるのがおかしい」ということであって「過剰だから不法行為になるけど賠償責任を負うのはおかしい」などと言うのは法論理的には矛盾以外の何者でもありません。言い換えれば、「反撃は正当であって過剰ではない」と主張するのなら賠償責任を負わないという主張の根拠にはなりますが、「反撃は過剰だ」と言っておきながら賠償責任を負わないというのは全く論理的に整合しないということです。 ともあれ、正当防衛となって不法行為が成立しないにしろ、成立した上で過失相殺で賠償額をどの程度減額するかという話になるにしろ、「相手から莫大な慰藉料を請求される」かどうかは別問題(*)。そして、それが裁判で認められるかというのとも別の話です。 そもそも「正当防衛云々が問題にならない不法行為ですら、請求と実際の判決の間には少なからぬ差がある」のが普通ですから、請求が莫大かどうかと判決の認容額がどうなるかは、正当防衛など考えるまでもなく「ケースバイケース」としか言いようがないです。 (*)一般に「請求できる」と言えば、法律論では実質的な意味では「自然債務を除き、立証できることを前提に訴訟で裁判所が請求認容判決を書いてくれる」ということですが、その場合には「莫大な」とか「請求される」とかいう話にはなりません。なぜなら「請求できる」というのは法律的一般論であるが、「莫大な」というのは損害賠償額が「具体的に」いくらになるかという話でまさしく「ケースバイケース」ですし、「請求される」というのもあくまでも請求権者が請求しようと思って「現実に」請求するかどうかの問題で、これまたまさしく「ケースバイケース」な話ですから。つまり、本件設問は「法律的一般論としての請求できるかという話ではない」と解さざるを得ません。従って、上記の通り、「正当防衛など関係なくケースバイケース」ということになります。 なお、補足ですが、刑事における正当防衛か過剰防衛かを判断する要件である「相当性」というのは「結果によって判断するものではない」です(これは判例です。条文見たって分かりませんよ。条文を見ただけで法律が語れると思ったら大間違いです)。つまり過剰かどうかの判断に当たっては、「失明した」という結果ではなく「失明させるに至った反撃行為が反撃として妥当か」が問題になります。ですから、体力的に劣る女性が屈強な男に反撃するためにカバンを振り回して顔に当てたところたまたま突起物が目に入り失明させたとして、「失明したという結果が問題なのではなくて、単に、そのような状況でカバンを振り回して反撃するのが妥当かどうか」で判断するということになります。 ちなみに、#5の回答にある例は過剰防衛となる可能性が極めて高いです。はじめから目を潰す目的で目を潰そうとしているわけでして、しかも武道の心得があるとくれば「他にいくらでも方法があったのではないですか?」という可能性が極めて高いからです。無論それもケースバイケースなので絶対とは言いませんが。具体的な事例における正当防衛の成否というのはかなり細かい事実認定に基づいて行うもので一般論で片付くほど簡単なものではありません。 #この話を書くのはここ数ヶ月で3回目くらいな気がします。
お礼
回答ありがとうございます。 民事と刑事は別物とありますが、例えば痴漢冤罪で刑事では有罪になっても、民事で冤罪の慰謝料請求も出来るんですか?
- poosan0011
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No1です。もし貴方が銀行員で後ろから首を絞め、ナイフを突きつけらた状態で銀行に金を要求しました。武道の心得のある貴方はすきを見て目潰しを食らわせ、犯人を取り押さえましたが不幸にも犯人は片目を失明してしまいました。 この場合私は正当防衛が成立すると思うし、成立して欲しいです。 追伸 今回の回答は条文を見ずに書いていますので確信は無いです。
お礼
再度回答ありがとうございます。 この場合は両目を失明させたとしても正当防衛が成立する余地は十分にあると思いますよ。
- poosan0011
- ベストアンサー率22% (44/200)
No1です。ここで認められるのは暴漢の正当性ではなく、過剰防衛の不当性です。勿論暴漢の違法性が軽減するものではないです。 それから裁判官がどれくらいの賠償を認めるかはわかりませんが、日本では少ないでしょうね。
お礼
回答ありがとうございます。 もし、銀行強盗に行員が対抗して失明させても賠償金の支払いを命じられる可能性はあるでしょうか?
そうならない為に「過失相殺」という考え方があります。 やくざに因縁を付けられ殴られそうになり、思わず傘を振り回したら相手の目に刺さってしまった。 老人、女性、子供なら正当防衛ですけど、屈強な男性がやれば過剰防衛になりかねません。 しかし、そもそもの原因はこのやくざですから、賠償金も相殺され何割かということになりますし、刑事罰もこのあたりを考慮して、起訴猶予とかなるのでは。
お礼
回答ありがとうございます。 「過失相殺」というのは過剰防衛の場合ですよね。つまり、過剰防衛でも慰謝料が免れるケースがあると考えていんでしょうか?
- times3
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過剰防衛ですから認める事になりますねぇ
お礼
回答ありがとうございます。 相場的にはどれくらいでしょう。
- poosan0011
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仮定の問題では「ハイ」と答えるしかないでしょうね。
お礼
回答ありがとうございます。 しかし、そこで慰謝料を認めてしまったら暴漢の不当行為を正当化することにも繋がるのでは?
お礼
回答ありがとうございます。 なるほど、過剰防衛どころかAさんが一方的に加害者だと認定される可能性も高いわけですね。正当防衛の判例なら知っています。Aさんは女性でしたが 薙刀か剣道の心得があり、暴漢を失明させたものです。 確かに、この場合は女性の方から男性に襲いかかるというのは考えにくいですからね。この事件では失明させられた暴漢が民事裁判を起こしましたが、暴漢側の請求が棄却されたそうです。