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韓国併合直前の韓国の軍事力

KITAIKKIの回答

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  • KITAIKKI
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回答No.3

韓国併合直前の軍事力ということですが、この場合大韓帝国は国としての歴史そのものがあまりにも浅く、またこの時点で日本の干渉を大きく受けていたこともあるので除外するとして、やはり日韓併合直前まで2世紀続いた李朝の軍事力と考えた方がいいかと思います。 ということで李朝末期の政府軍(官軍とも呼んでいます)の軍事力を述べますと、当時陸海空のうち陸軍と海軍がなんとか存在していました。何とかというのは当時の李朝は外からの侵略というものをまったく想定していない政府であり、また当時の宗主国であった清国の軍が各地に駐屯していたこともあって、見るべき軍事力はほとんどないというのが実情です。つまり国としての防衛力はほとんど清国に他力本願していたということです。これは李朝時代の政府官僚が軍事にまったく関心を持っていなかったことにも由来します。 とはいえ末期の李朝公式文書には軍事力について、その当時8つあった道(日本の県にあたります)にそれぞれ10万人前後の兵力を置いていたとあり、総計で100万弱の兵力が存在しているとあります。 これだけをみれば立派な軍事力なんですが、これには大きなからくりがあり、当時李朝は国民皆兵を基本としていて、両班(貴族のようなものですね)を除くすべての国民(といってもほとんどが農民ですが)を徴兵することになっていました。 しかし徴兵してもそれらを訓練したり、また食わせたりする財源が恒常的になかったため結局この国民皆兵制度は形骸化し、単に国威発揚のためと税金(人頭税)を取りこぼさないため、数字だけが一人歩きしたままになっていました。 海軍力については、これも海軍力としての艦艇や兵器には見るべきものはなく(というか存在していなかったと言う方が正確ですが)、単に海軍という制度だけがあっただけと考えてもいい程度です。ただ日本の海軍艦艇に砲台から砲撃をしてこれを撃退したという記述がある文献があるのですが、これが本当なら砲台の管轄が海軍だった可能性もありますが、正直に言えばこれの確証はありません。 陸軍は現在手に入れられる資料で言えば、当時1万人前後の兵力があったことだけは確かです。これはソウルに2個侍衛隊(連隊程度です)、各地に少数部隊の鎮衛隊を合計した数です。ただこれらのほとんどは対外用の兵力ではなく、国内治安用と近衛兵的な存在だと考えられます。 当時の伊藤博文が朝鮮併合時に朝鮮軍の解散を命じ、約9千人の兵士が追放されたとありますので、これに符合するかと思います。 位についてですが、李朝時代の軍人の階級はそれほどシステマティッ久なものではなく(他のすべてもそうなんですが(-_-;))、大将(テジャン・少々から大将までの将軍です)、兵使(ピョンサ・道を担当する軍の指揮官クラス)、営将(ヨンジャン・連隊長クラス)、中軍(チュングン・大尉)監牧官(カンモククヮン)、別将(ピョルチャン)と別れていましたが、大将・兵使などは官僚が兼任してしたことからも、軍事に重きを置いていないことが伺えると思います。 さらにその軍事力ですが、朝鮮半島最大の兵器庫がソウルにありましたが、そこには50門の中国製の旧式大砲と近代戦争にはとても使えない甲冑が数十着、それに若干の小銃があっただけでした。最大の兵器庫がこれですので後は想像しても無駄なほどの軍事力でしょうね。 とはいえ併合前には近代軍隊の必要性を感じ、清の在朝鮮駐屯軍から訓練を受けたこともありましたが、その規模は200人にも満たないものでした。またこれらの軍隊に関しての文献などがほとんど皆無であることを考えれば、どれほどのものだったのかが容易に想像できると思います。結論から言えば小銃と朝鮮刀で武装しただけの前近代的な武装集団ということだったと思っても間違いはないかと思います。 日韓併合後これに反対した国民が蜂起し、農民軍、両班・郷吏(地方役人)が組織した民堡軍(義兵とも呼ばれました)、各地方の警備兵によって組織された砲軍などがあり、その数は数十万を超えていましたが、これは正規軍ではないので参考にならないかもしれませんね。

noname#21423
質問者

お礼

ありがとうございました。 大変詳しく教えていただき、とても参考になりました。

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