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モーターとプーリーの力関係
先ほど「モーターとプーリを使った身近なもの」について質問したのですが(御回答を下された方には感謝しております) 今度は『モーターの動く早さとプーリーを動かす力にはどのような関係があるか』 について教えて頂きたいのです。 なんとなくは・・・分かるような感じなのですが・・・ 分かりやすく御教授してくださると助かります。 ぜひ、よろしくお願い致します。
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#1さんのお答えはひとつの正解だと思いますが、少し補足させて下さい。 ご質問の趣旨は「モーターの回転数とプーリーを動かす力との間の関係」という意味でしょうから、まずそこからご説明します。 まずその前に、プーリー(滑車)の仕組みである以上、モーターの回転軸にもプーリーは組みつけられているものとします。また、この場合、モーターは一定の回転数で回転しているものとします。 モーターに組みつけられているプーリーの直径と、ベルトを介してつながれた「別のプーリー」の直径が等しければ、「別のプーリー」の回転数も、回転力(トルク)も同じになります。 モーターに組みつけられているプーリーの直径に対して、ベルトを介してつながれた「別のプーリー」の直径が2倍になれば、「別のプーリー」の回転数は1/2倍(つまり半分)になり、回転力(トルク)は2倍になります。 逆に、モーターに組みつけられているプーリーの直径に対して、ベルトを介してつながれた「別のプーリー」の直径を1/2倍にすれば、「別のプーリー」の回転数は2倍になり、回転力(トルク)は1/2(つまり半分)になります。 このように互いのプーリーの直径の比を変えてやれば回転数も回転力も変えることができます。この場合、機械的ロスがないものとして考えれば、回転数×回転力は常に一定で、モーターの回転数×回転力に等しくなります。 実際の例では、元々モーターは高速回転していますから、高い回転数がそのまま欲しければプーリーの直径比を小さくしてやればいいし、逆に高い回転力(トルク)が欲しければ、プーリーの直径比を大きくして、回転数を犠牲にしながらも、トルクをかせぐということになります。 この原理はギア装置の場合とまったく同じで、すべては互いに組み合わさるプーリーまたはギアの直径の比で考えればいいだけのことです。 いい例が、自動車や、変速機付きの自転車などが坂道を登る際には高い回転力が要りますから、ギアをローに切り替えてギア比を高め、そのために速度は落ちるけれど、粘り力を強くするということをしますし、平坦な路面では回転力はさほど要りませんからギア比の小さなトップに切り替えて静かに早く走ります。 ところが最近の原付バイクや自動車ではプーリー式の変速機が急速に発達し普及しています。 もちろんこの変速機の仕組みはエンジン側のプーリーと車輪側に至るプーリーの間をベルトでつないだものですが、この変速機の優れたところは、たとえば坂道にかかって車体に抵抗が増し、エンジンに強い負担がかかるようになると、エンジン側のプーリーにベルトが食い込む仕組みにしてあることです。 エンジン側のプーリーにベルトが食い込むと、一定の長さのベルトですから、当然ながら車輪側のプーリーではベルトが余ってしまい、プーリーの外側へ緩みます。その結果、エンジン側のプーリーの直径は小さくなり車輪側のプーリーは直径が大きくなります。もうお分かりですね。 エンジンはウナリを上げるほど回転しますが、その割には車速は落ちます、しかし、その分だけ回転力が増して、強い粘りでグイグイ急な坂を登っていけるということになります。 この変速機の最大の長所は、こうしたプーリーの直径の比というものが抵抗によって自動的に段差なく行われるというところにあります。 ついでに、#1さんがこお書きになったことについてさらに付け加えますと。 ◎プーリーの利点としてモータ軸と出力軸の距離を自由に設定できる・・・ これは事実です。 ◎寸法精度がギヤに比べてラフで良い・・・ 最近ではそうも言っていられません。なにしろ自動車のCVTと呼ばれるベルト式変速機では非常に高い精度が求められますから。 ◎ギヤ駆動より安価である・・・・ ギア装置よりも安価であることはある意味で事実です。それよりも、より大きなメリットはギア装置に比べて機構を「軽くシンプルに」作れるというところにあります。 ◎減速比(増速比)は大きく取れない・・・ これはある意味事実ですが、直径の違うプーリーを何段にも組み合わせれば可能になります。これはギアの場合でも同じことで、いい例が時計のメカなどはそうして回転数を極端に落としています。もしそうしたければプーリーの組合せでも時計の針をゆっくり動かせられます。 ◎すべりが発生する・・・・ これも、プーリーやベルトの摩擦力を上回るあまりにも強い回転力を求めすぎれば事実となります。ただし、滑っては困るという機構、たとえばエンジンのタイミングベルトなどではコッグドベルトと呼ばれる内側に歯が付いたベルトだとか、自転車などでご存知のチェーンを使うことで解決しています。チェーンもまた原理や機能の上ではベルトの一種と考えていいものです。 ◎ベルトの張り調整が必要である・・・ これは事実です、ベルトもチェーンも長い間使用すると次第に伸びて、ことにベルトの場合はそのために滑るという不都合が発生します。そのためにベルトの場合はメンテとして時々張り具合を調整する必要があります。また、チェーンの場合でも、伸びてくるとスプロケットから外れやすくなるのは自転車をお持ちならお分かりと思います。 ◎すべりの抑制やトルク伝達を大きくするにはタイミングベルトがいいです・・・・ この場合のタイミングベルトとは内側に歯の付いたコッグドベルトのことだと思います。事実エンジンのタイミングベルトにこのようなベルトが使われています。 ◎ベルトの本数を複数にすることで、より大きなトルクを伝達することが可能です。 これもまた事実です。たとえば高い抵抗に打ち勝って作動させたい工業用や鉄道車両用のエアーコンプレッサーなどでは、同じ直径のプーリーを並べて、そのすべてに同じ長さのベルトを掛けるということをします。電車の車体の下などでたまに目に入ることがあります。
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- mayan99
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プーリーを使う利点として ・モータ軸と出力軸の距離を自由に設定できる。 (ベルトの長さで調整) ・寸法精度がギヤに比べてラフで良い。 ・ギヤ駆動より安価である。 欠点は ・減速比(増速比)は大きく取れない。 ・力の伝達は、摩擦力を利用しているので大きなトルクを伝達できない。 ・すべりが発生する。 ・ベルトの張り調整が必要である。 減速比(増速比)は、プーリーの直径の比で求められますね。 大きなトルクを伝達するのは、断面がV形のVベルトを使うことになります。 また、ベルトの本数を複数にすることで、より大きなトルクを伝達することが可能です。 すべりの抑制やトルク伝達を大きくするにはタイミングベルトがいいですね。 タイミングベルトは、ギヤのような山形の形状をしておりプーリーもギヤみたいになっています。 ギヤは大きなトルクの伝達と大きな減速比が必要な時には有効ですね。ただし、加工精度が必要なのと伝達距離が自由にできないのが欠点です。 ベルト駆動とギヤ駆動の使い分けは、それぞれの長所を利用することで決まりますね。
お礼
御回答ありがとうございます。 利点もあり、欠点もありですね。 感謝致します。 ありがとうございました。
お礼
御回答ありがとうございます。 長文で御教授頂き、勉強になりました。 本当にありがとうございました。