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酸化剤としての過酸化水素の効果
過マンガン酸カリウム等の強力な酸化剤が無い、酸性溶液中で、過酸化水素は酸化剤として働くと認識しております。 その際、よく硫酸酸性中と言う記載が教科書等でありますが、pHで言うとどれくらいの酸性溶液中を指しているのでしょうか? また、液を酸性にする際、燐酸・酢酸を使用した場合、過酸化水素の酸化剤としての機能は変化しないのでしょうか? ちなみに酸化しようとしている対象は、Fe(II)→Fe(III)です。
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Fe(II)をFe(III)にするのにH2O2を使うのは制御も面倒で,量論的にも反応しないので得策とは思えません.理由はすでに挙がっているように,Feのイオン,その錯体などは,H2O2 分解の良好な触媒として作用することが多いからです. リン酸,酢酸は鉄イオンと錯体を形成するために,その存在下での酸化還元には注意が必要です.一般的にFe(II)を酸化還元滴定で定量するときには過剰のリン酸を加えますが,これは錯形成によって反応を速やかにする効果と,Fe(III)の色をマスクして指示薬による終点判別を容易にする効果があります.酢酸は条件によっては多核鉄錯体を作ることが知られています. また,Fe(III) は配位子がないとかなり低い pH でないと水酸化物様の沈殿になってしまいます.したがって,この条件ではどのみち酸性にしておかないと安定なFe(III)が得られないことになります. で,私なら空気酸化か電解を試しますけどね.
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- Ichitsubo
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#2さんのご指摘がありましたので、詳しく補足します。 過酸化水素は過酸化水素だけで自己酸化還元反応による分解を起こします。 2H2O2 → 2H2O + O2 この反応に対して、Fe^2+やFe^3+が触媒作用を持つため、過酸化水素とFe(II)の酸化還元反応は定量的には進みません。Fe(II)→Fe(III)とならないで、過酸化水素が分解してしまうのです。 また、水溶性鉄化合物の場合、均一系での反応となってしまうため、不用意に行うと反応が暴走します。(鉄化合物水溶液にすこしずつ過酸化水素を入れる必要があります)
補足
(No1にも補足しましたが)そうなのですか。Feにそのような機能があるのは知りませんでした。Feには別の酸化剤を検討いたします。 では、酸化される対象が、Fe(II)ではなく、Sn(II)ではどうなるのでしょうか?
通りすがりですが・・・ 過酸化水素が酸化剤として作用した後には、酸素の酸化数は-2にならなければなりません。 つまり、過酸化水素の酸素の酸化数は-1ですので、それが酸化力の原因になっているわけです。 過酸化水素が水と酸素に分解した場合には、O2になった酸素の酸化数は0で、水になった酸素の酸化数は-2であり、平均は-1となりますので、酸化したことにはなりません。 Fe(II)やFe(III)が過酸化水素の分解を引き起こすのであれば、それは酸化還元滴定には使えないことになります。
- mikuron88
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質問からはそれますが・・・ 先の回答に、「Fe(II)やFe(III)は、過酸化水素の分解反応を触媒するのに大丈夫か」という内容の記述がありますが、それ自体が酸化反応なのではないでしょうか。 つまり、Fe(II)をFe(III)に酸化することによって過酸化水素自身が還元されてH2OとO2になるのだから問題ないのでは?
- Ichitsubo
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ご質問そのものより気になったことがあります。 Fe(II)やFe(III)は、過酸化水素の分解反応を触媒しますがかまわないのでしょうか?
補足
そうなのですか。Feにそのような機能があるのは知りませんでした。Feには別の酸化剤を検討いたします。 では、酸化される対象が、Fe(II)ではなく、Sn(II)ではどうなるのでしょうか?
補足
Feを酸化するのに過酸化水素は有効でないのですね。別の酸化剤を検討いたします。 では、酸化される対象が、Fe(II)ではなく、Sn(II)ではどうなるのでしょうか?