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バンド理論で、E(k)=E(k+G)?

atomicmoleculeの回答

回答No.4

大学での講義ノートなどをひっくり返して、証明を考えてみました。 証明と言うほどのことはないが、ある程度納得してもらえるレベルの説明が可能だと思います。 数式は面倒なのでステップだけ書きます。kyongsokさんはブロッホの定理や格子、逆格子のことなどが理解できているようですから、以下のステップを自分でフォローして見てください。 まず証明したいことを書きます。 ========================================== 周期ポテンシャルをもった結晶中の波動関数は Ψk(r)=Σ_{G} C(k+G) exp{i(k+G).r} ......(A) と書ける。G=n1*b2+n2*b2+n3*b3と逆格子ベクトル b1,b2,b3の整数倍で書ける逆格子空間の格子点 ========================================== 証明のステップ (1)波動関数のフーリエ変換を Ψ(r)=Σ_{q} C(q)exp(iqr) .......(a) と書く。qは周期的境界条件より q=(n1/N1)b1+(n2/N2)b2+(n3/N3)b3 ここで注意したいのは、目指す(A)と(a)は似ているようで違います。(A)ではΣはGの点でけに制限されている。 (2)周期的なポテンシャルのフーリ変換は V(r)=Σ_{G} V(G)exp(iG.r)...........(b) と逆格子空間Gの和で書ける。ポテンシャルが 周期的であることからフーリエ変換はフーリエ 級数に帰着し、その運動量は逆格子Gになる。 (3) (a),(b)をシュレデンがー方程式に代入して そのフーリエ係数を比べると以下の式を得る。 [(h*q)^2/(2m)-E]C(q)+Σ_{G}V(G)C(q-G)=0.....(c) (c)の意味するところはシュレディンガー方程式は波動関数のフーリエ係数C(q)とC(q-G)を関係付けるということ。つまりq≠k...mod G である運動量同士は全く関係なく、独立なシュレディンガー方程式を満足する。 よって波動関数のフーリエ変換においてΣ_{q}はΣ_{G} に置き換えてよく,modGで関係づいてないフーリエ係数は独立なシュレディンガー方程式の解を与える。 証明終わり■ 要約するとシュレディンガー方程式の解としては一つのqに Ψ(r)=Σ_{G}C(G+q)exp(i(G+q).r) という解が対応する。これが(A)の式。異なるqは異なる解とみなせる。しかしq=k+Gとmod(G)で関係づくkは同じ波動関数を与える、 Ψ(r)=Σ_{G}C(G+(k+G'))exp(i(G+(k+G')).r) =Σ_{G}C(G+G'+k)exp(i(G+G'+k).r) =Σ_{G''}C(G''+k)exp(i(G''+k).r) 最後の等式でG+G’を新たな逆格子空間の和G''に取り直したが、これはダミー添え字なのでq=k+Gで関係づく qとkは同じ波動関数を与える。 またこの波動関数はブロッホの定理を当然みたす。 Ψ(r)=Σ_{G} C(k+G)exp(i(k+G).r) =exp(ik.r)Σ_{G}C(k+G)exp(iG.r) ブロッホ波動関数の言葉では,周期的な波動関数部分は u(k,r)=Σ_{G}C(k+G)exp(iG.r) となっている。このことからブリリアンゾーンがずれた運動量は周期関数に吸収されていることが分る。 大体これで証明、説明になっていると思いますが、どうでしょうか。

kyongsok
質問者

補足

ここまで丁寧に解説していただけるとは…嬉しいです、ありがとうございます! はい、式はばっちり追えました!んですけどまだわからないところが(汗)ここまできてまたまた質問するのも気が引けるのですが…しっかり理解したいので聞きます!頭悪くて誠に申し訳ないです(汗) ひっかかるのは (1)>波動関数のフーリエ変換においてΣ_{q}はΣ_{G}に置き換えてよく (2)>C(q)とC(q-G)を関係付けるということ。つまりq≠k...mod G である運動量同士は全く関係なく、独立なシュレディンガー方程式を満足する。 (3)>q=k+Gで関係づくqとkは同じ波動関数を与える。 これです、この言葉の意味を理解できてないんです。 (1)&(2)フーリエ係数同士に関係式がない⇒独立な方程式の解になる⇒Σ_{q}はΣ_{G}に置き換えてよい すなわちΣ_{q}の状態は、違うkをもったブロッホ関数たちの線形結合まで含めた形の解だということですよね? じゃあ置き換えられたとして、 >要約するとシュレディンガー方程式の解としては一つのqにΨ(r)=Σ_{G}C(G+q)exp(i(G+q).r)という解が対応する。 ふつうに計算するとC(G+q)ではなくC(G)となるはずなのですが、ここでなぜC(G)がC(G+q)に取って代わってるんでしょうか? ここがC(G)だったら最後の式はΨ(r)=Σ_{G} C(G)exp(i(k+G).r)=exp(ik.r)Σ_{G}C(G)exp(iG.r)となり、 k⇒k+g(g:ある逆格子ベクトル)とずらしたら、 Ψ(r)=Σ_{G} C(G)exp(i(k+g+G).r)=exp(ik.r)Σ_{G}C(G)exp(ig+G.r)となり、 最後の式で周期関数Uに取り込まれたexp(ig.r)の分だけ、元のものとは違う波動関数になるから混乱しています。 あ、それとも周期関数Uの部分はエネルギーには関係しないんですか?だからUとくくってやればいい、ということでしょうか。 (3)独立な方程式の解になるっていうことは…逆?に考えて「q=k+Gな結晶波数を最初にとったとして上のように計算していくと、結晶波数としてkをとった式(c)とまったく同じ連立方程式が得られる、同じ波動関数になる」ということでしょうか?

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