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固体のエネルギーバンド理論
- 固体のエネルギーバンド理論において、Auの自由電子密度が与えられた場合、フェルミエネルギー、フェルミ波数、フェルミ速度、およびフェルミ温度を求める問題について説明します。
- フェルミエネルギーは物質内の電子が占有するエネルギーレベルのうち、最も高いものを指します。フェルミエネルギーは電子の運動状態を特徴づける重要なパラメータであり、固体中の電子のエネルギーレベル分布を理解する上で重要な役割を果たします。
- 固体中のエレクトロンはフェルミ統計に従い、フェルミエネルギー以下のエネルギーレベルにのみ存在できます。フェルミエネルギーよりも高いエネルギーレベルに存在する電子は存在しないため、フェルミエネルギーは固体の電気伝導や磁性などの物理的特性に影響を与えます。
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まずFermiエネルギーとは何ぞや、ということですが、本サイトでも過去にいくつか議論がありますので「フェルミ」「フェルミ準位」などのキーワードで検索してみるとよいと思います。 固体の中で電子の取りうる状態はいくつかのとびとびの状態(エネルギー準位)に限られます。座席のようなものだと思って下さい。そのエネルギーには高い低いがありますが、電子はだいたい低い方から順に詰めていきます。ただし低い準位にも多少の空席が生じますし、高い準位でも多少は占有されています。だいたいどの辺まで詰まっているかを表す指標がFermi準位です。(例えば、http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=206257などをご参考に) さて数字の代入のお話ですが、m=79は二つの意味で誤りがあります。mに代入するのは原子番号ではなく具体的な質量であること、そして代入する質量は原子1個の質量でなく電子の質量であることです。(m=79では、物理量としてそもそも質量の次元を持ちません!) また長さの単位がmかcmか自信のないまま適当に代入しているとしたらちょっとこれは問題です。基本的に式に数字を代入する時は単位を揃えるのが基本です(*)。[m]と[cm]を混在させたまま計算すると訳が分からなくなりますよ。 Fermiエネルギーの式をちゃんと書くと以下のようになります。ここでhは、質問文中と同様にhバーです。 E_F=(h^2/2m)((3π^2)×n)^(2/3) 代入してみましょう。 (1.05×10^(-34)[Js])^2 ÷ 2×9.1×10^(-31)[kg] ×{3×3.14^2 ×5.90×10^28 [m^(-3)]}^(2/3) 電子の質量が9.1×10^(-31) [kg]であること、自由電子密度を[m]単位に書き直したことに注意して下さい。すべてSI有理単位で数字を入れていますから、結果もSI有理単位系でのエネルギー単位、すなわち[J]で得られます。 多少厄介ですが根気よく計算すると 8.78×10^(-19) [J] くらいになるはずです。 ジュール単位から電子ボルト単位への変換はmahiro19さんのご理解の通りで結構です。1.602×10^(-19)で割ればよく、5.49 [eV]が得られます。 波数kへの変換は、エネルギーをEとして E=(h^2 k^2)/2m で与えられます。ここもhはhバーです。mは電子の質量です。 代入の練習として、Eを[J]、mを[kg]単位で入れてみて下さい。波数は[m^(-1)]の単位で出てくることになります。 速度vは E=(1/2) mv^2 で求めてみて下さい。mは同様に[kg]単位で入れてみて下さい。vは[m/s]の単位で出てくるはずです。 温度Tへの変換はエネルギーをEとして E=kT として求められます。ここにkはBoltzmann定数(1.38×10^(-23) [J/K])です。Tは絶対温度(単位はケルビン、[K])であることに注意してください。 -------- *ある程度慣れてきて計算の見通しが立つようになれば、単位を混在させたままで計算することはできますが、そこまで分かっていないのだとしたら愚直であっても、最初に単位を揃えて計算する方法が結局は確実で早道です。
お礼
丁寧に解説してくださって有難うございます。