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ラジオに使われるゲルマニウムダイオード

noname#60878の回答

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noname#60878
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回答No.4

半導体の元になる原子のエネルギー的な問題で、電流と電圧は直線的な関係にはならず、ある程度の電圧を越えたところから導通しはじめます。そまり、この電圧以上でないと、整流作用が生じません。ゲルマニウムはこの値が比較的低く、かなり低い電圧から徐々に流れだし、約0.3Vでほぼ導通しますので、微小電圧でも整流作用を利用可能です。これに対して、シリコン(の接合を利用した場合)は約0.6Vまでほとんど流れないという特性を示しますので、これ以下の電圧では、整流出力が得られない。シリコンでも、ショットキーダイオードは動作原理が違うので、低い電圧でも導通します。また、入力信号の中点を少しかさ上げ(バイアス)してやれば、シリコンダイオードでも微小電圧の整流は可能です。あるは、仮想ダイオードなどの回路を使用するとか・・・ (トランジスタの動作も同様です。このため、増幅素子として使うには、この電圧の約3倍以上の電源電圧が必要です。) ゲルマニウムダイオードにもいろいろありましたが、普通、ラジオに使われた物というと「検波用」でしょうね。(電源の整流用のゲルマニウムダイオードという物もありしまたが。) 検波用は、高周波での応答が良いように接合部の静電容量が小さい設計になっています。順方向特性を重視していて、電流はあまり流さないので内部抵抗は高く、逆耐圧も低いものです。対して、電源等の整流用は、漏れ電流が小さく、内部抵抗を低く設計してあり、静電容量は大きくなっています。 ゲルマニウムダイオードは、昔はシリコンよりも製造が容易だったので、初期の半導体に使われました。シリコンに比較して、接合での漏れ電流が大きい。逆耐圧が取れない。内部抵抗が大きい。耐熱性が低い。大電力化や高速化が困難。酸化膜が安定しないなど、実用上の特性ではいろいろ問題があり、シリコン半導体素子が一般化する中で、急速に消滅しました。最後まで使われた用途は、低電圧での動作です。電池1本か2本で動くような低電圧の回路を効率良く安価に作るのはシリコンのトランジスタでは困難でした。また、ラジオの受信信号のような低い電圧の高周波の整流(これを検波という)には最後まで利用されました。電源電圧の事以外は、ICなどの発達で回路技術の中(たとえば位相検波など)に吸収されてしまいました。そして、FETや前述のショットキーなどの発達で、低い電圧でも動作する素子が一般化して、ゲルマニウム半導体の意味は無くなりました。 ゲルマニウムラジオとは・・・ 電波をそのままコイルで受け、それをそのまま検波すると音声電圧が得られます。しかし、コイルに発生する電圧はたいへん低いので、低い電圧で整流作用のある素子でなければ出力が得られません。初期には、何種類かの金属化合物の天然結晶(鉱物)の表面の作用を利用した物が作られ、鉱石ラジオと呼ばれました。ゲルマニウムダイオードを使用すると、この鉱石よりも簡単確実に高性能のラジオが作れるので、電子工作の入門用として一般化したのです。この種のラジオは、増幅する部分が無く、検波にも外部からの電圧が不要なので、電池が無くても鳴るのです。(高周波小信号用のショットキーダイオードでも同様にしてこの種のラジオが作れます。) なお余談ですが、増幅する素子を使いつつ、電池不要のラジオを作るアイディアはいくつかあります。受信周波数そのもの、あるいはそれ以外の周波数の電波(今日では空間はこれらの電波でいっぱいです)を集めて、整流し、蓄電して、電圧を上げて、これで増幅回路を駆動する・・・・ 携帯電話の基地局の近くだとけっこう使えるらしい・・・

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