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DTL(Diode-Transistor Logic)のスイッチング速度
LCR707の回答
- LCR707
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Vcc -------+---------+-- | | | R3 R1 | | +--OUT | | D1 | D3 |/ In1--|<|--+--|>|-+--| Q1 | | |\ In2--|<|--+ | | D2 R2 | | | GND -------------+----+-- あまり上手には書けませんが、上図は、DTLの入力部です。2入力NANDゲートに相当します。 In1とIn2が共にHighのとき、R1-D3-Q1(B)-Q1(E)の経路でベース電流が流れ、Q1はONになります。 ダイオードや、トランジスタのベースエミッタ間の順方向電圧は約0.7Vなので、In1が0.7Vまで下がるとQ1のベース電流が半分になります。つまり、この回路のスレショルド電圧は0.7Vです。 In1が0.7Vより下がってLowレベルになると、Q1に流れ込むベース電流が無くなり、Q1のベースコレクタ間に蓄積された電荷がR2を通って放電し、その後Q1はOFFになります。この、蓄積電荷の放電にかかる時間(Tstg)がバイポーラ型スイッチングトランジスタの場合、スイッチング時間の多くを占めます。これを短くするには、R2を小さくして放電を速くすれば良いのですが、R1の大きさが決まっているため、R2をあまり小さくするとベース電流がR2に取られてしまい、Q1が十分にONできなくなるので、R2を小さくするにも限度があります。 TTLは、上記のD1,D2,D3を1個のトランジスタにしたものです。D1,D2がエミッタ側に、D3がコレクタ側になり、R1はベースにつながることになります。エミッタが複数あるので、マルチエミッタトランジスタと言います。 TTLも、直流的な動作はDTLと同じです。異なるのは、In1やIn2がHighからLowに変化したときです。このとき、マルチエミッタトランジスタはトランジスタとして働き、D3に相当するPN接合が逆方向に導通し、Q1のベースコレクタ間接合にある電荷を急速に抜き取ります。この仕組みにより、TTLはDTLよりもかなり高速なスイッチングが可能になりました。 上記の回路のスレショルド電圧は0.7Vでしたが、実際のTTLはQ1をダーリントン接続にすることにより、スレショルド電圧を1.4Vにしています。 TTLは最初、テキサスインスツルメンツ社からSN7400シリーズとして発表されましたが、その後も改良され、低消費電力型の74L00シリーズ、高速型の74S,74LSシリーズなどが発売されました。Sと言うのはショットキーの意味で、順方向電圧が0.2Vと低いショットキーバリヤダイオードをQ1などのベースコレクタ間に並列に接続すると、トランジスタの動作点が飽和手前のリニア領域で留まり、蓄積電荷の影響が無くなるので、非常に高速になりました。
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