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使える英語教育はどこにある?

Helfgottの回答

  • Helfgott
  • ベストアンサー率44% (66/149)
回答No.9

No3かつNo7です。 言いたいことは山のようにあるのですが、かいつまんで。 1つ目。 「正解は一つではない」という話は、その通りです。英語を話す 現場では、しばしば規範文法的な英語からは逸脱した表現をしば しば使います。そして、「学校英語」は、しばしば限定された一 つの答えを要求します。ここに、確かに矛盾があることは、その 通りです。 しかし、「規範文法的な」言語を教えることは、必ずしも間違いで はありません。まずは、最も標準的で「正しい」とされる表現を身 に着けることは、言語学習の初歩として欠かせないことです。その 上で、次第により幅の広い表現方法を身につけていけばよいだけの 話なのです。この点に問題はありません。問題は、さらに別の側面 にあります。 それは、日本の学校教育が、試験中心の、「唯一絶対の」正答を求 める教育になっている、という点です。中学入学と同時に始まる定 期試験は、その後大学入試まで続く「唯一の正解」を身につけるた めのまず第一歩です。あくことのなき「正しい英語とは?」「正し い文法とは?」という追求は、だから英語教育だけの問題ではあり ません。日本の中・高等教育全体が抱える問題に起因するのです。 言語における「正解」、あるいは「真理」とは、実は深い問題です。 英語における「正解」「真理」は、辞書や高度な文法書の中に書いて ある、と考えている人がたくさんいます。そうではなく、本当は言語 における「正解」「真理」とは、その言語を話す現場にしか存在しま せん。人々が、ある言語を使ってコミュニケーションを図る現場にの み、言語の「正解」は存在します。そして、言語は徹頭徹尾、変化し ていくものです。それは、決して辞書や文法書の中に、固定した絶対 的な真理として、存在することはありません。この点ほど、一般に理 解されていないことはありません。 少し話がずれました。問題は、「正解」を作ってしまう試験中心の 教育にあります。「正解」を要求する中で、不必要に瑣末な文法事 項を追求するような試験問題、それに正答するための英語教育とい ったものが生まれてきました。 これを変えることは、至難の業です。なぜなら、こうした教育は最 終的に大学受験につながっていて、それはいまだに根強く残る学歴 社会に起因するからです。もはや、学歴は意味をなさない、そんな ものは通用しない時代になった、という人もいるでしょう。しかし、 現実はそうではありません。教育「市場」では、いまだに需要は、 「学歴」を強く求めます。これは、徐々に変えていかなければなり ませんが、今ある「現実」として認めざるをえません。 そして、下で書いたとおり、英語をどうしても使わなければならな い、という社会的インフラのない日本において、受験は、英語を習 得するための、ほぼ「唯一」のモチベーションです。これには、反 論があるでしょうが、現実にいる中学生、高校生に触れてみてくだ さい。1000人、2000人、それ以上の中高生、その親に、じかに触れ てみてください。そして、彼らに英語を教えてみてください。 そうすれば、ある程度はわかります。 だから、こうした教育を変えるためには、学歴社会そのもの、試験 中心の日本の教育制度そのものを、根本から考え直さなければなら ないのです。それは、とてもとても大きな変革を意味するのです。 私自身は、大学受験の様式を、少なくとももう少し変えて欲しい、と 思っています。少なくとも、瑣末な文法知識を問う問題は、減らして 欲しいし、一発試験の形式とは、また別の形式もあるのではないかな、 と思います。ただ、これについては、やや無責任な立場でしか物が 言えません。 現場の英語教育も、もっと改善の余地はあるでしょう。これは一つ、 というならば、音声指導をもっと徹底的に取り入れることでしょうか。 しかし、Oral Communicationを特に嫌がる年代である中学・高校生の 教室現場を思い浮かべる限り、革命的なまでに効果のある方策は思い つきません。飛びぬけて実力のある教師にのみ可能な方策ではなく、 現実的に現場の教師が行える具体的な方策が求められているのだと 思います。 2つ目。・・なのですが、長くなったので本当に簡潔に。 大変残念なのは、この議論になると、現実的・具体的・実践的な方 法論を検討することよりも、現在・過去の日本英語教育に対する非 難、不満が、論述の大部分を占める、ということがしばしばある、 ということです。私はこのサイトは新参者だし、過去に何があった かは全く知りません。ガチガチの文法主義者に対する苛立ち、とい った思いも、わからないではありません。しかし、そうしたことよ りも、もっと具体的で現実的な方策を論じて欲しいです。 私は、英語教師になるつもりは全くありませんでした。文法英語、 学校英語にはずっと批判的で、「評論家」的に、学校教育では本当 の英語は身につかない、と言っていました。しかし、予想外の巡り 合わせで、英語教師になった今、それが以下に無責任な発言だった かが痛感されます。日本の学校英語の教育が役に立たない、という ならば、まずは現実に日本の学校英語の現場に立ってみて、あなた 自身が変革の先頭に立ってみてください。日本の学校教育の現状、 そして現実の中学・高校生を目の前にして、本当に変革するため には何ができるかを、批評家的な言葉ではなく、現実に実践してみ てください。壁は厚いのです。自らの力のなさを、嫌というほど 思い知らされるのです。 「変革は起きない」という現場の声は、保守的で現状を諦めたよう な声に聞こえるかもしれませんが、現実を知っている分、重みがあ ります。そうした中で、私も何ができるのかを、ずっと思い悩んで います。

taroandjiro2001
質問者

お礼

以前、テレビで教師と芸能人の公開討論みたいな番組を見てびっくりしたのは、教師の言い訳や現状に理解を求める意見に、「一切言い訳するな」という一方的な意見で大勢が一致したことです。 これには驚きました。 どこにどのような問題があるのか、現場の声を聞き、現実を認識しなければ、問題には取り組めないじゃないですか、自分が教師出身で、現状をよく知った上で、言い訳はできないと諭すならともかく、ほとんどの親・大人は現実の子供たちの荒廃をまったく知らずに、夢のようなことばかり考えているようにしか見えないですからね。 他人の話を一切聞かず、「君たちはプロなんだから」で終わらせているから、プロの建築家や、プロのアスベストやフロン製造業者のなすがままになるのでしょう。いずれにしても、現場の話を聞くことは、どこの世界でも大切だと思いますね。 私も子供が学校に行っている頃は、学校ぐるみの構造的問題などよくわからず、腹を立てることも多かったのですが、実際は、少しずつでも変革はできる、少なくとも可能性があることがわかってくると、考えも変わりました。 いずれにしても、改革、変革者は逆風にさらされるものでしょう。 学校の先生でも、有名になると学校に居づらくなって辞めさせられたり、まぁ、こういうことは何処でも同じなので、受け入れるしかないと思います。 最近、キリスト教でも「神はいる。人間(あなた)を通じて御業を現される。」という概念があるのを知ったのですが、不完全な人間が失敗だらけの試行錯誤するこの世、少しでも社会が良くなる様に「あなた」がここにいると考えるのは、未来の希望かもしれません。 ありがとうございました。 Helfgottさんをはじめとする現場の方々に期待しています。

taroandjiro2001
質問者

補足

お礼が長すぎたので、ここを使います。 >規範文法的な英語からは逸脱した表現 アメリカでもESL教師の悩みの種だそうです。 >コミュニケーションを図る現場にのみ、言語の「正解」は存在します。 まったくその通りです。 >現実の中学・高校生を目の前にして、 これは学校の先生のつらさはわかりますね。教師の言うことにはいちいち逆らう人間も、普通は塾ではおとなしく勉強しますから。 ただ、この件に関して言うなら、学校の風土の荒廃---学校内部での責任の押し付け合い、「校長や管理職、国が悪い」、「教育委員会が、親・生徒が悪い」の類から始まって、あの生徒はA先生が担任だから口出しできないといった、大人の空気に加え、教室内部の荒れた空気に、一層、荒廃のスパイラルがかかっているように見えます。 生徒たちは、大人に比べれば、はるかに純真な心を持っているのに、ある意味では、大人社会以上に荒れているかなと思うことはあります。受験しか頭にない進学校なら、まだ、ましな気もしますが・・・

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