- ベストアンサー
酢酸エチルの収率について。
大学の実験で酢酸エチルの合成を行いました。 このとき酢酸エチルの収率が1桁になってしまい、平均で30~40と聞いたのでショックです。何故こんなに少なくなっているのか分かりません。一つ思い当たるのは酢酸とエタノールと硫酸の混合液を十分時間加熱して還流を行ったのですが、その際に還流菅に流す水の勢いが弱かったことです。そもそも還流とは一体なんの為に行っているのかも分からなくて。乱文ですがどなたか助けてください。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
No.2です。操作はわかりました。おおよそ予想通りです。 つまり、酢酸とエタノールをほぼ等モルだけ混ぜ合わせていることになります。 反応の進行に伴って、水が生じますので、それを捕捉するために硫酸を通常よりも多めに使っています。 反応後の無水炭酸カリウムは硫酸の中和と、未反応の酢酸を不揮発性の酢酸カリウムにするためです。 CaCl2は脱水剤としての意味もあるかもしれませんが、主として、未反応のエタノールを除くためです。 収率が低かった原因は、おそらく冷却管の問題だと思いますが、炭酸カリウムや塩化カルシウムなどの固形物が多いはずですので、その固体中に含まれる酢酸エチルを効率的に取り出せなかった可能性もあります。 また、硫酸が少なかったり、水分が混入して収率が低下した可能性も考えられます。 もしも、フラスコ内に液体が残っていたようでしたら、目的物の留出が完了する前に蒸留を止めてしまったとも考えられます。 逆に、未反応のエタノールをCaCl2で完全に除けなかった場合には、酢酸エチルと一緒に出てきて、不純物として、見かけ上の収率を高めてしまう可能性もあるでしょう。 現実問題として、酢酸エチルと未反応のエタノールを完全に分けることが困難であることが問題であるようにも思えます。 以上が、収率を変動させる要因になると思いますが、参考になるでしょうか?
その他の回答 (2)
この実験に関与する物質としては、生成物である酢酸エチルと、原料のエタノール、酢酸、硫酸ですが、沸点は硫酸>>酢酸>>エタノール>酢酸エチルの順だと思います。 したがって、還流冷却管による冷却が不十分であった場合には、目的物である酢酸エチルが真っ先に揮発してしまいます。 また、記述のようなエステル化(フィッシャーエステル化)ではアルコールを過剰量使いますが、仮に未反応のエタノールが残った場合にそれを酢酸エチルと簡単に分離できるとも思えません。 実際に使った試薬類の量的な関係はどうなっているのでしょうか。 また、反応の終結の確認法、生成物の後処理や精製法について教えて下さい。
補足
補足させてもらいます。エタノール11.7ml酢酸11.5ml濃硫酸5mlを用いました。還流が終わった(十分時間経過)後のフラスコに無水炭酸カリウムとCaCl2を加えて放置して液体だけをとりだし再び加熱しました。そして出てくる気体をリービッヒ冷却菅に通して液体として集めました。70~77度付近で出てきた気体を酢酸エチルとして別箇に集め収率を出しました。ちなみに純度を100パーセントとして求めました。以上でよろしでしょうか?分かり難いところがあればお手数ですが指摘してください。
- DexMachina
- ベストアンサー率73% (1287/1744)
「加熱はしたいけど、ずっとその温度にしておいたら蒸発してしまう」、そんなときに活躍するのが還流管です。 酢酸とエタノールから酢酸エチルを合成する場合、還流管をつけずに実験を行うと、原料の酢酸やエタノールも、生成した酢酸エチルも、フラスコの口から蒸発していってしまいます。 還流管は、そういった蒸気を冷やしてやることで液体にして、フラスコに戻してやる役目を持っています。 ですので、akitakenさんが考えた通り、還流管への水供給が充分でないと、中の水が徐々に温まって冷却・液化の能力が低くなり、結果的に收率を下げる一因になります。 また、他の要因としては、 ・反応後の抽出で、分離が不充分だった ・エステル化は平衡反応(→原料から生成物ができる反応と、生成物が原料に戻る反応とが同時に起きる)のため、反応後の処理時に手間取って分解が進んでしまった といったことが考えられます。
お礼
迅速かつ丁寧な回答ありがとうございます。やはり還流の失敗が大きかったんですね・・・。反応の処理時というのは無水炭酸カリウムやCaCl2等の脱水剤を加えた時でよろしいでしょうか?その時に水が十分に取れていなかったので逆反応が進んでしまったんでしょうか?重ね重ねの質問ですいません。。
お礼
大変参考になりました。本当にありがとうございました。次回からは何故この操作をするのか等操作の意味を考えて実験を行いたいと思います。