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共有不動産の相続放棄について教えて下さい

義理兄が最近亡くなりました。 住んでいた家は夫婦共有となっており(持ち分は1/2づつ)、まだローンが合算で1000万円程度残っております。 義理兄には多額の負債があったため、姉と子供(当然義理兄の兄弟や両親も含めて)は単純放棄か限定承認を考えております。 相続人全員が単純放棄した場合は、義理兄の持ち分は民法255条の規定で他の共有者に帰属する規定があります。 この場合姉は妻としての相続権を放棄しているわけですが、共有者の一方として義理兄の持ち分を取得できるのでしょうか。 またその場合、債権者の権利はどのようになるのでしょうか。 尚、義理兄のローン残債は住宅ローン生命保険でカバーされることになっているそうです。 虫のいい話ではありますが、子供の将来のためにも何とか家を守ってあげられる方法がないのか親族一同で模索中です。 私の乏しい知識では調べても解らなかったので、どなたか助言をお願い致します。

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.1

推定相続人全員が相続放棄すると、相続人不存在となり、利害関係人等(この場合には相続債権者、即ち亡くなられた義理のお兄さんの債権者)の請求により、家庭裁判所が相続財産管理人が選任し、お兄さんの財産は「某○○相続財産法人」となり、相続財産管理人が相続財産を管理します。そして、お兄さんに債務があれば、その財産から債権者に配当していきます。つまり、質問者さんの姉である亡くなられたお兄さんの妻は、相続放棄により夫の財産・債務は相続しませんが、夫の財産は相続人不存在になったからと言って、即共有者に帰属するものではなく、夫の債権者への弁済がされ、残れば共有者に帰属するものと思われます。ですから、お姉さんは、夫の財産より債務の方が確実に多いのであれば相続放棄すべきですが、家の夫の持分についてはお姉さんが買い取り、その金額で夫の債権者に弁済をする事を考えても良いのではないかと考えます。いづれにせよ、夫の持分だった部分が他人所有となると、不動産が他人との共有になりますので、トラブルの元になりやすく、出来る限り避けるべきと考えます。

tsubocha
質問者

お礼

非常にわかりやすい回答をありがとうございました。 私も法学部出身で親族・相続法のゼミを専攻していましたが、 いざ身内のこととなると、全く実務が解らなくて困っておりました。 明日、親族(推定相続人全員)で集まって協議する事になっております。 ローン保険で住宅債務がなくなることと、一般生命保険があるので、 債務額によっては放棄や限定承認しない方法も検討予定です。 ただ故人は浪費家であったので、いまからさらに隠れた債務が出てくるのが怖いです。

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  • matthewee
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回答No.5

1.相続放棄した場合、共有持分は相続財産管理人の管理下になるので、姉(以下、ご質問文の呼称をそのまま使います)は共有者の一方として義理兄の持ち分を取得することはできません。  しかし、「ローン残債は住宅ローン生命保険でカバーされる」のなら、この住宅にはもう債務はいっさいないのですから、その住宅を放棄するのは、どう考えても“惜しい”です。さらに、「一般生命保険がある」のなら、ますます放棄するのは惜しいと思います。 2.懸案なのは、「義理兄には多額の負債があった」という1点だけだと思います。まず、この負債の内容を確定させることが先決です。銀行系のカードローンはおそらく無理ですが、信販系のカードローンの中には、本人が亡くなった場合、弁済不要のケースもありますから、借入先がわかるものについては、それぞれの金融会社に問い合わせてみて下さい。  また、相続放棄は、死亡後3ヶ月以内となっていますが、家庭裁判所が認めれば期間延長も可能です。下記URLの家庭裁判所HPから「第6 代表的な家事審判手続」の「13.相続放棄」でご確認下さい。 http://courtdomino2.courts.go.jp/home.nsf 3.「義理兄には多額の負債があった」とありますが、わかっている負債のほかに、後日、巨額な「隠れた債務」が出てきた場合にどうするかが、難しいのだと思います。 ここから書くのは、その負債が巨額であった場合に、「何とか家を守ってあげられる方法」についての“ヒント”のひとつです。 4.基本的な考え方は、法定相続人のうち姉が相続放棄をし、姉の子どもが義理兄の全てを相続するというものです。  姉は相続放棄をしても、住宅の共有持分1/2を依然所有していますし、占有もしています(この占有しているというのが重要)。  姉の子どもが未成年の場合、家庭裁判所に特別代理人の選任を請求することが必要ですから、この相続に関しては、姉が法定代理人として意思決定するわけではありません。詳細は、家庭裁判所HPから同じく「11.特別代理人選任」でご確認下さい。 5.さて、「隠れた債務」がそれほどでもなく、義理兄の一般生命保険金などで完済できたら、何の問題もありません。 しかし、「隠れた債務」が多額の場合、その時点で姉の子どもは家庭裁判所に相続放棄を申し出ます(認められるか否かはリスクが伴うので、むしろ相続放棄できる期間を延長してもらう手続きを家庭裁判所でしておいたほうがいいかもしれない)。 6.相続放棄の結果、義理兄の持分1/2は、いずれ第三者の所有になると思うのですが、姉が占有している以上、他の共有者はその占有権を尊重しなければなりません。 最高裁昭和41年5月19日判決で、建物の共有の場合に、「持分の価格が共有物価格の過半数を超える多数持分権者といえども、共有物を現に占有する少数持分権者に対して、当然に明け渡しを請求することはできない」としています(下記参考URLを参照)。  これを本件に当てはめて考えれば、土地と建物を利用している姉に対して、他の共有者は明け渡しを請求できないと結論づけられます(共有分割請求された場合の対応は別途考えておく必要はありますが…)。 7.相続放棄をした場合、相続財産管理人がこの住宅の共有持分1/2を競売にかけて、債権の回収を行おうとするはずですが、裁判所の競売の場合、住宅なら必ず占有者(=姉)に裁判所から事前連絡が行きます。このときに、親戚で競売に参加するか、落札者から買い戻すか、他の共有者に家賃相当を支払うかなど方針を決めることができます。  もっとも、これらの一連の手続きは、1年以上の期間を要すると思います。正当な権限のある占有者(=姉)の権利は強いです。

参考URL:
http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/VM2/8F543943A11902E549256A8500312439?OPENDOCUMENT
  • tk-kubota
  • ベストアンサー率46% (2277/4892)
回答No.4

>子供の将来のためにも何とか家を守ってあげられる方法がないのか親族一同で模索中です。 と云うことが最終目的のようですが「まだローンが合算で1000万円程度残っております。」と云うことで抵当権の設定登記がありそうです。 抵当権の設定登記があれば、相続放棄しても、しなくても残債を返済しなければ競売は免れません。 仮に、相続人全員が相続放棄しても競売は免れることはできないのです。

回答No.3

1.再びNo2です。本件重要ですし急がれる話ですから、回答の後、念のため法律書とか、関連HPを探しまくってみました。 2.そうすると次の最高裁のページが見つかりました。カッコ内が重要です。(URLは参考URLに) 15 相続財産管理人選任  (1) 概要  相続人の存在,不存在が明らかでないとき(相続人全員が相続放棄をして,結果として相続する者がいなくなった場合も含まれる。)には,家庭裁判所は,申立てにより,相続財産の管理人を選任します。  相続財産管理人は,被相続人(亡くなった人)の債権者等に対して被相続人の債務を支払うなどして清算を行い,清算後残った財産を国庫に帰属させることになります。  なお,特別縁故者(被相続人と特別の縁故のあった者)に対する相続財産分与がなされる場合もあります。  (2) 申立人    利害関係人(被相続人の債権者,特定遺贈を受けた者,特別縁故者など)  (3) 申立先    被相続人の最後の住所地の家庭裁判所 3.つまり最高裁は手続き上はNo1の方の見解を支持していることになります。私のNo2で書いたことは、その是非を議論している間に、手続き上裁判所がこういっているのですから相続債権者が相続財産管理人に就任することが出来てしまい、質問者のご親族に裁判で争うなどの対抗手段はなくなってしまいます。 4.「清算後残った財産を国庫に帰属させることになります。」と書いてあって、民法第255条のことを、これを書いた人は知らない、または無視しているなど、私には気に入らない点がありますから、「相続人全員が相続放棄をして,結果として相続する者がいなくなった場合も含まれる。」と書かれていても「私はそうは思わない」と言え論破する自信もあるのですが、質問者には関係のない「個人的意見」にしか過ぎないでしょう。 4.No2さんがお書きの「夫の財産は相続人不存在になったからと言って、即共有者に帰属するものではなく、夫の債権者への弁済がされ、残れば共有者に帰属するものと思われます。」という点については最高裁判例平成元年.11.24により「この通り」となることも判りました。 5.民法255条を使うのは良い方法と思い、いろいろ調べてみたのですが、法的手続きが確立され最高裁判例 も出ていれば、いくら「おかしい」と言ってもそれまでです。法律というものは、そういうものでしょう。 6.従って本件民法255条は使うのは危険ということになり、No2の私の回答は1つの考え方としてお読みになった後は忘れて下さい。結果としてお騒がせしてしまい、申し訳ありませんでした。

参考URL:
http://courtdomino2.courts.go.jp/home.nsf
tsubocha
質問者

お礼

ご丁寧な回答をいただきありがとうございました。 明日、親族一同で協議してきます。 現在わかっていない債務がどの位あるのか不明なので不安ですが、まだ2ヶ月以上時間があるのでよく検討してみます。

回答No.2

1.No1さんの考え方も有るかもしれませんが、私は相続人不存在の場合と全員相続放棄の場合は違うと考えます。その理由は相続放棄は「私法上の財産法上の法律行為(最高裁判決昭和40.5.27)」だからです。「相続人は不存在か存在か?」と問われれば、民法887-890条の規定により自動的に「存在する」となります。一方第939条は「相続の放棄をしたものは、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったとみなす。」とありますが「みなす」とわざわざ書いているように、「民法887-890条により被相続人の妻、子は相続人に決まっています。ただし、この相続について、私法上の、財産法上の法律行為を問題にするときは、相続放棄した相続人は、相続人としては扱われないので、そのつもりで。」と解釈すべきでしょう。 2.「相続の放棄は、それにより相続債権者に損害を与えることを目的としていたとしても、権利の乱用とならない。(最高裁昭和42.5.30)」という判例もありますから、「親が借りたお金を妻子がかえさないのはけしからん」といわれてシュンとならなくて良いということです。「そもそもお金を貸した人が死んでしまったらそのお金は返ってこないものと、あきらめるのが筋。それを、相続法があることをうまく利用して、その子や妻に強制的に払わせようとしても、法律は味方しませんよ。」ということです。私は最高裁のこういう考え方を支持します。(妻子に返済の意思があれば、そうする道も残されていますから債権者に対しても公平な考えと思います。) 3.こういう考えでは、死んだ人が借りたお金を、その妻子が返すのはいやだといったら、裁判所がやってきて「今日からあなた方は相続人ではなくなりました。財産はすべて法人の管理下にいれて、貸主への平等な返済にあてることにします」ということはありえない話ということになります。 4.自分のなけなしのお金をはたいて困っているお父さんにお金を貸した善意の人もいるでしょう。そういう人こそ、「お父さんがお亡くなりになったら、もうお金は返されなくて結構です。ご冥福を祈ります。」というでしょうね。「何、死んじゃった?じゃーその妻子が払え」という人は血も涙もない悪徳金貸しにきまっています。こういう業者に法律を味方させるべきでないと、私も思います。 4.全員が相続放棄することが必要のようです。一人でも限定承認者がいると悪徳金貸し業者が飛びついてきます。 5.登記変更が次の関門でしょうね。民法255条の規定で登記の変更をする場合、どんなことが要件となり、どういう書類が必要か、法務局とか司法書士さんに相談されると良いでしょう。(相続の場合は、遺産分割協議書が要件ですが。)登記変更が難関とならないように、今から準備されると良いでしょう。 6.相続放棄は財産に関する重要な法律行為で、本件やや特殊な事情がありますから、専門家のチェックを受ける目的で弁護士会とか自治体の法律相談を受けることを絶対お勧めします。有料でも5千円とか1万円です。この位の金額ですから、納得の行く情報が得られなければ、納得行くまで何度か受けてみるとよいでしょう。

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