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求核置換反応において
anthraceneの回答
確かにイオン的に考えると、電気陰性度の高さと逆になってしまっておかしく感じますが、他の回答者の方もおっしゃっているとおり、炭素との共有結合の強さが相当に異なります。 C-F結合は最も強い共有結合の一つですが、C-I結合はかなり弱く、可視光下でラジカル的にぷちっと切れてしまうこともあります。基本的に結合を作ってる原子の周期が異なるほど共有結合は弱体化していきます。 ということで結合エネルギーの差が相当に効いてます。 ちなみに、脱離基ではなくて求核剤としてハロゲンイオンを使った場合もヨウ化物イオンが最も強い急核剤になります。 さっきと言う事矛盾して無いか?と思われるかもしれません。理由は主に二つあります。 ヨウ化物イオンが大きく、またやわらかくて分極しやすいために、遠方から攻撃される炭素中心と相互作用しやすいことが一つ。 および、特に水中反応で顕著ですが、イオンが大きく電荷が広がっているため、溶媒和されにくい、すなわち溶媒分子で反応が邪魔されにくい、ということがあります。 フッ化物イオンは小さく硬い(=点電荷に近い)ため、溶媒和を非常に受けやすく、特に水中では非常に弱いルイス塩基ですが、一方でTHFなどの溶媒中ではOH-などを上回る塩基性を示します。 溶媒の効果ですが、基本的に求核剤や脱離基はイオン(あるいは負に分極した官能基を持つ分子)なので、溶媒が極性を持っているかいないか、また水素結合をする溶媒かどうか、といったことが反応速度に非常に効いてきます。 例えば、上で述べたように水は極性が高くまた水素結合をするため、求核剤の周りに溶媒和して邪魔することが良くあります。 一方、THF、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなど、水素結合部位を持たない極性溶媒はこの手の反応に有用です。 あとメトキシドとチオメトキシドの反応性についてご質問されてますが、一般に硫黄原子が求核剤担ってる方が反応性は上です。この場合だと、CH3S-の方が速いはずです。理由はハロゲン化物イオンの反応性の序列とだいたい同じです。
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