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危険負担条項と不可抗力条項

ある契約書において、 ■危険負担の移転時期について定めた条項(売買物の引渡時に移転)と、 ■不可抗力条項(天変地異等不可抗力による履行不能については責に任じない) が両方とも規定されている場合、どちらが優先するのでしょうか? 例えば、売主の引渡前に地震で目的物が破損した場合、 危険負担条項だと売主の負担(売主が金銭回収を諦める)になると思いますが、不可抗力条項だと、どのように解釈されるのでしょうか? ちなみに目的物は特定の動産です。 宜しくお願い致します。

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noname#20281
noname#20281
回答No.6

#5の補足への回答です。 「当方がある仕様を提示して、その仕様に則った物体の作成・提供を依頼する」ものであり、地震があっったとしてもなお履行が可能だということであれば、そもそも「履行不能が発生している」という当初のご質問の前提が成り立ちません。

pigle
質問者

お礼

なるほど。ありがとうございました。

その他の回答 (5)

noname#20281
noname#20281
回答No.5

これは必ずしも矛盾する条項ではないと思います。 設例の「売主の引渡前に地震で目的物が破損した場合」でいうと、 危険負担条項により売り主が危険を負担しますから、売り主は買い 主に代金請求することはできません。 一方、地震による履行不能は不可抗力条項により売り主の責に帰す べき履行不能ではありませんから、買い主が履行を受けられなかっ たために損害を被ったとしても、売り主に対して損害賠償請求をす ることはできません。(民法上は、金銭債務以外の債務については 不可抗力を抗弁できることになっているので、この条項がなくとも 同じ結論になりますが。)

pigle
質問者

補足

説得力のある回答ありがとうございます。 一つ教えてください。 「売主は買主に代金請求できないが、買主は売主に損害賠償請求できない」 という結論とのことで、その点は理解しましたが、 「買主は売主に、同じ物を作成して引き渡すよう請求する」ことについては可能と解釈されますか? なお、「特定の動産だから引渡不可能ではないか」と思われるでしょうが、「当方がある仕様を提示して、その仕様に則った物体の作成・提供を依頼する」ものですから、不特定の動産といったほうが正しかったのかもしれません。(このあたり、判断つく方はこの点についてもご教示下さい) 上の疑問点につき、引き続きアドバイスお待ちしております。宜しくお願いします。

回答No.4

契約自由の原則からすれば、当事者としては契約内容として矛盾する内容の複数の条項を定めうるわけです。 本件は、まさにそのケースで、当事者の合理的意思解釈というケースバイケースの処理になるものと思われます。 ですから、動産の形状、性質や、契約締結に至った経緯や両当事者の地位・力関係、目的物が予定する移動距離、契約締結から履行までの期間等の様々な事情を勘案して、合理的に判断することになるのだと思います。 今ある情報からだけですと、危険移転前の帰責性を問われないための不可抗力条項という風に読めますが、(その意味で危険負担条項は適用の余地のない条項になる)あくまで、今ある情報からだけの判断ではそのようになるかと思います。 あくまで参考意見ということで聞いて頂ければと思います。

pigle
質問者

お礼

やはり合理的意思解釈の問題となってしまうのですね。 どうもありがとうございました。

noname#21609
noname#21609
回答No.3

重ね重ね続けての回答すいません。 いま、No1とNo2を読み返してみたら矛盾することを書いてしまいました。 この場合はNo2で書いた内容が正しいと思います。 わざわざ、売主が「履行不能については」と契約書に書いているので引渡し後のことを書いたと考えると意味がないですもんね。 ですからこの不可抗力条項は引渡し前の免責規定だと考えるのが合理的ですね。 すいませんでしたm(__)m。

noname#21609
noname#21609
回答No.2

>この判例を参照したいので、お手数ですが、判例の出た年月日を教えて戴ければ幸いです。 ごめんなさい、この裁判所の解釈は前に大学の教授から聞いた話なのですが、明確に何年何月の判例に載っているとまでは言っていませんでした。 また私の持っている基本書にも明確には書いてありませんでした。 ネットで調べたらこの債権者主義に対する裁判所の立場は不明ということでした。 ですが、このような判例は無いというわけではないと思います。 ただ、裁判所もこの534条の形式適用の不都合性は理解していると思いますが、なにせ裁判所は正面から条文を否定できないので「534条は使うが534条は任意規定なのでこの場合は当事者に黙示の特約があった」、と強引に認定をしているらしいのです。 ですから、注意をしていただきたいのは534条を否定し特定物でも536条を適用するわけではないということです。 >、「本契約の当事者は、不可抗力による履行不能があった場合、その責に任じない」という表現は、つまり債権者主義のことを言ってるのでしょうか?それとも債務者主義のことを言ってるのでしょうか?あるいは別のことを意味しているのでしょうか? これは非常に難しい問題です。なぜならば当事者がこの場合どのような意思でこのような条項を設けたのかがこの文言を読んだだけでは私には分からないからです。 しかし普通売主から買主に対してこのような特約を提示するわけですから自ら(売主)が不利にならないようなことが書かれていると思われます。 とするとこの場合は先の危険負担の条項と併せて読むと『引渡し前に不可抗力で履行不能になった場合は買主は売主に対して債務不履行による損害賠償が出来ない』ということを謳った文言だと解釈できます。 つまり簡単にまとめますと「目的物を引き渡した後は買主の債務は残るが、引渡し前であれば買主の債務は消滅するが同時に売主に対しても損害賠償が出来なくなります。」ということが書いてあるのではないでしょうか。 このような稚拙な説明でご納得されたか不安ですが・・・。

pigle
質問者

お礼

度々ご回答下さり、どうも有難うございます。 じっくり読んでみますね。

noname#21609
noname#21609
回答No.1

これは危険負担の条文とは別にこのような一見矛盾するような特約が二つ結ばれた場合はどうなのか?ということですね。 この場合はまず、「危険負担の移転時期について定めた条項」を基準にその前後を考え、その引渡しの後であれば「不可抗力条項」の特約が適用されると考えます。 そもそも債権者(買主)が危険を負担する場合とは「債務者の責めに帰すべからざる事由によりて」と民法534条にありますので当然不可抗力の場合も入ります。 そして特約によってこの危険の移転時期を引渡しの時としているのでその時に不可抗力のような危険負担も移転すると考えるのです。 ですから不可抗力条項は引渡し後のことを指しているにすぎないと考えます。 逆に引渡しの前であっても原則民法534条が適用されるので危険の負担はその特定物の債権者が負担することになりそうですが、判例では引渡し等の前であれば当事者の合理的意思解釈をすれば債務者がその危険を負担するとするのが相当だ、として債務者が危険を負担するとしています。 こう考えれば二つの特約は矛盾しませんのでこのように考えると思います。 また、このように解しないと特定物の債権者に不当に重い責任を課すことになりますので不可抗力条項は公序良俗違反(90条)になると思います。 つまりこのような不可抗力条項は無効だ、ということです。 本件のような問題は特定物の買主が不当に責任が重くならないように考えるのが社会常識に適っているので一般的にはこう考えると思います。

pigle
質問者

補足

早速のご回答有難うございます。 >判例では引渡し等の前であれば当事者の合理的意思解釈をすれば債務者がその危険を負担するとするのが相当だ、として債務者が危険を負担するとしています。 とのことですが、この判例を参照したいので、お手数ですが、判例の出た年月日を教えて戴ければ幸いです。 また基本的な質問ですが、「本契約の当事者は、不可抗力による履行不能があった場合、その責に任じない」という表現は、つまり債権者主義のことを言ってるのでしょうか?それとも債務者主義のことを言ってるのでしょうか?あるいは別のことを意味しているのでしょうか? この点について、更なるアドバイス戴ければと思います。宜しくお願い致します。