• ベストアンサー

上田敏って昔いた詩人って知ってる?

Nakay702の回答

  • ベストアンサー
  • Nakay702
  • ベストアンサー率80% (9758/12152)
回答No.4

以下のとおりお答えします。 >上田敏って昔いた詩人って知ってますか? ⇒おお、なつかしい! 私は、中高大で各1つずつ、合わせて3つ習った覚えがあります。 A.それぞれの詩 ①中学の国語の教科書に出ていたのは、ヴェルレーヌの「落葉」(らくえふ)でした。 《秋の日の/ヸォロンの/ためいきの/身にしみて/したぶるに/うら悲し。(…)》 ろくに意味も分からず丸暗記したものです。あるときスラスラ暗唱していたら、兄が感心してました。ちょっと面映ゆい気分でした。 ②高校の国語の教科書に出ていたのは、カァル・ブッセ『詩集』から採られた「山のあなた」でした。これも暗記しましたが、訳詩があまりにも有名なので広く知られていますから、以下は省略します。 ③大学の英語の教科書に出ていたのは、Robert Browning, "Spring"でした。 《The year's at the spring / And day's at the morn; / Morning's at seven; / The hill-side's dew-pearled: / The lark's on the wing; / The snail's on the thorn: / God's in his heaven ― / All's right with the world!》 これを和訳して、内容を吟味し、鑑賞し、心行くまで味わおう、というものでした。 B.それぞれの周辺状況 ①「落葉」のあとに訳者上田敏はこんな添え書きをしています。 《仏蘭西の詩はユウゴオの絵画の色を帯び、ルコント・ドゥ・リイルに彫愬の形を具へ、ヸェルレエヌに至りて音楽の声を伝へ、而して又更に陰影の匂なつかしきを捉へむとす。》さすがの学者的詩人。《ヨーロッパの当時の文芸思潮を熱心に紹介し、後進を啓発した。たとえば永井荷風は、「上田先生などの著述の感化で、西欧の風物文物へのあこがれを持った」由を綴っている(書かでもの記)》という。 ②ブッセ「山のあなた」も後世への影響大で、例えば、アルゼンチンの詩人音楽家A・ユパンキはこれに心酔して名曲を書いています。《時々私は、自分がどうして/こんなに世界を歩きたくなるのか/分からなくなる。/いこいの木陰が見つかるあてもないのに…。/たぶん、すすり泣きのような/深い深い一つの和音を/いつかは聞けるだろう/いつかは聞けるだろうと…。》 ③上田敏『海潮音』における"Spring"の翻訳はこうでした。 《「春の朝(あした)」―― 時は春/日はあした/あしたは七時/片岡に露みちて、/あげひばりなのりいで、/かたつむり枝にはい、/神そらに知ろしめす、/すべて世は事もなし。》 ⇒さすがのお訳、勉強になりました。感動しました。琴線に触れました。参りました。 C.訳詩以外の蛇足 (1)手元にある『海潮音』は、初版本(復刻版)ですので、奥付にこうありました。 《明治三十八年十月十三日発行 定価 金壱圓》 (^o^!) 「定価 金壱圓」とは、なんという違いでしょう! それに引きかえ、『海潮音』に収録されている訳詩の与える感動は当時も今も全然変わりがありませんね!! (2)上田敏は数十編の訳詩集を出版していますが、自作の作品としては唯一、自伝的小説『うづまき』(大倉書店、明治43年刊)があるのみ、らしいです。私は、浅学にしてそれを見たことも、読んだこともありません。振内山(@samusamu2)さん、もしあなたがお読みになりましたら、ぜひ感想など教えてください。 (<Q>)

samusamu2
質問者

お礼

Nakay702さんこんばんわ。 すごいですね!今も上田敏の誌をそこまで覚えているとは! Nakay702さんはきっと上田敏の誌にシンパシーを感じたからこそ今も深く覚えてらっしゃるのでしょうね。さすがです! >>振内山(@samusamu2)さん、もしあなたがお読みになりましたら、ぜひ感想など教えてください。 (<Q>) はい、機会あれば読んでみたいとおもいます。 回答ありがとうございます

関連するQ&A

  • 上田敏:千の風にのってという曲をご存じですか?

    こんにちは。 お聞きしたいことがあります。 上田敏さんの千の風にのってという 歌をご存じでしょうか?人に聞いたのですが。。 探しているんですが、よく分かりません。 上田敏という明治時代の翻訳家がいるのは分かるのですが、 同一人物でしょうか。。 どうかよろしくお願いいたします。

  • 詩人になりたいのですが…

    真面目に詩人になりたい19歳のフリーターです。。 どうすればなれますか? 本当、こんな今のくだらない社会に何の希望も見い出せなくて、、まずどうしたらいいですかね。。詩人、詩人、、、、 あ? 真面目に大学行けと? まあそうですよね本来。。 ですが当方、精神的な病気らしきものを昔から患っておりまして、、 勉強やりすぎて勉強恐怖症?みたいな感じなんですよ… はて困った、困った… 勉強する勇気と死ぬ勇気はおなじくらい みたいになっちゃってるんです。本当に人生オワタな19さいであります。 で、、本題にもどりますが… どうすれば詩人に…。 あとよく路上詩人とか聞きますがどういう人たちなのか詳しく知ってる人いれば詳しく知りたいのと… あとは… 詩人として生活していくことはできますかね…。 はあ… 悩み多き19さいの戯言に 些細なアドバイスキボンヌです。。

  • 何故昔の詩人等は短命なのでしょうか?

    おかしな質問かもしれませんがお許しください。、少ない私の知識なのですが、昔の詩人等は短命であったように思えます。 梶井基次郎、中原中也、立原道造、太宰治、ETC。 これってたんに寿命の問題ではないように思えるのですが どういうふうにお考えになるでしょうか? それともたんなる私の錯覚でしょうか? なお太宰は自殺ですが、それも含めて聞きたかったもので。(昔は文学者の自殺は自然のような)

  • 思い出せない詩人の名前

    ある昔の詩人(たぶんヨーロッパの人だったと思います)の名前を思い出そうとしているのですが、思い出せません。 その詩人の詩の一節に 亡くなった人は語ることができない だから生き残った私たちが亡くなった人たちの思いをくみ取らねばならない と言う意味の言葉があったのを断片的に覚えているだけです。 この詩および詩人にお心当たりのある方、いらっしゃいましたら教えていただけたら幸いです。 よろしくお願いいたします。m(__)m

  • 「山のあなた」(カール・ブッセ 上田敏訳・『海潮音』より)

    「山のあなた」(カール・ブッセ 上田敏訳『海潮音』)という詩は以下のとおりです。<山のあなたの空遠く「幸」住むと人のいふ。ああ、われひとと尋めゆきて、涙さしぐみ、かへりきぬ。山のあなたになほ遠く「幸」住むと人のいふ>もし、この原文に間違いがないとすれば、「人のいふ」のヒトは漢字、われひとと尋めゆきて」のヒトは平仮名で表記されておりますが、その理由は何でしょうか。「われひとと尋めゆきて」の意味は、「わたしと同じように「幸」を求めている人と一緒に尋ねていったが」という解釈でよろしいのでしょうか。

  • 詩人について

    詩人について 賞賛されている詩人の詩が誰にでも理解されないのは何故なんでしょう? また、何故何を言っているのか理解できない人は理解できないのでしょうか?

  • 詩人について

    有名な詩人が50音順でのってるサイトとか知りませんか? または、ハ行の詩人を教えてください。 苗字がハ行の人です。 よろしくお願いします。

  • 上田城

    上田城に行ってみたいのですが、お城はあるのでしょうか? 城跡だけで、公園だけですか? 天守閣はありますか? 上田城を刊行するのにどのくらいの時間がかかりますか?

  • 詩人になりたい

    ゲーテをこよなく愛する作家、詩人志望の学生です。 なにとぞ、よろしくお願いいたします。 さて、お聞きしたい事があります。 私は小説と並行して、詩を書いているのですが、 詩の分野では、どんなコンクール、応募先があるのかを知りたいと考えています。 また、もし、詩人になるための支援サイトなどをご存知でしたら、 教えていただきたいと思います。 なにとぞ、よろしくお願いいたします。

  • 今敏さんの様なお方

    今敏さんの様な絵のタッチの人を探しています。どんなマイナーな方でも結構です。今敏さんの様なタッチを描く人を知っている方、教えて下さい。本当にアバウトな質問で、すみません。