• 締切済み

ノーム・チョムスキーの「生成文法」に関する質問

ノーム・チョムスキーの「生成文法」に関する質問です。 生成文法のもともとの英語呼称は"Generative Grammar”ですが、ある本では「変形文法」"Transformational Grammar"を「生成文法」と訳しています。 チョムスキーの生成文法"Generative Grammar”と変形文法"Transformational Grammar"は全く同じものなのですか?

みんなの回答

回答No.3

変形の概念を打ち出したのはチョムスキーの師で、構造主義のトップだったゼリグ・ハリス。 変形操作を受け継ぎつつ、生成という概念を打ち出したのがチョムスキー。 変形文法だが生成文法ではない理論はフランスの語彙文法を含めていくつかある。 生成文法はその後、変形を使わない理論も生まれた。 HPSGやLFGである。 (なおLambの成層文法は生成文法ではない。ガチガチの構造主義) だからチョムスキーの理論としては変形生成文法とか生成変形文法と呼ぶのがいいのだが、長すぎるし、実際には変形は理論的にはそれほど重要な意味を持たない。 少なくとも受動化変形などというのはもはや存在しない。 いまでは生成文法と言えばチョムスキーの理論を指す。 チョムスキー以外の理論はHPSGとかLFGとか固有名詞で呼ぶ。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率80% (9717/12085)
回答No.2

質問者からの補足を拝見しました。 >Transformational Grammarの訳としては「変形文法」と訳し、補足に「生成文法(Generative Grammar)を現在ではこう呼ぶ傾向があります」と入れればよいですか? ⇒「当たらずとも遠からず」という意味で、お書きのままでもいいと思いますが、厳密に言えば、次のようになります。 すなわち、「生成文法」(Generative Grammar)には、必ずしも変形を要しない文法も含まれる*ので、それと区別するために、特にチョムスキーの文法を「変形文法」と呼ぶわけです。 *例えば、ラムの「成層文法」(Sydney M. Lamb, "Stratificational Grammar")も「生成文法」の一種です。 >何か、他にも補足できるような説明文があれば教えていただけますでしょうか? ⇒以下の2点を補足します。 ①チョムスキーの文法論で特に重要なのは、前便で触れた"Syntactic Structures"ですが、もう一つあって、それはチョムスキー (1965, "Aspects of the Theory of the Syntax")です。これは、「将来への展望を与える一大道標となる役を担った」という意味でとても重要です。 ②「変形」とは、深層構造(基底文)から表層構造(表現文)を導き出すための「(変形)操作」のことです。例えば、The mother was taught it by her son.という表現(表層構造)は、基底にあるThe son taught it to his mother.という文(深層構造)に、《受け身・主語や目的語・所有語などの変形操作》を加えた結果表出された表現文である、と解釈されるわけです。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率80% (9717/12085)
回答No.1

以下のとおりお答えします。 >ノーム・チョムスキーの「生成文法」に関する質問です。 生成文法のもともとの英語呼称は"Generative Grammar”ですが、ある本では「変形文法」"Transformational Grammar"を「生成文法」と訳しています。 チョムスキーの生成文法"Generative Grammar”と変形文法"Transformational Grammar"は全く同じものなのですか? ⇒ほとんど同じと考えていいと思いますが、細かいことを言うと、研究の歴史的展開を考慮して区別する場合があります。 どういうことかと言いますと、まず、"Generative Grammar”「生成文法」はチョムスキー (1957, "Syntactic Structures") に始まったわけですが、早々に圧倒的な勢いをもって世界に広まり、受け入れられて、多くの言語学者が鋭意研究し、理論を精緻化していきました。それで、わずか2, 30年のうちに上掲書は古典と呼ぶにふさわしい権威あるものとなりました。 そんなわけで、大勢の学者が "Generative Grammar"「生成文法」なる名称を用いるようになった結果、もはやこの呼称はチョムスキーの文法だけを指すのに用いるべきではないという状況に至りました。そこで、チョムスキーの文法のように変形操作を不可欠の要素と考える生成文法を、特に、"Transformational Grammar"「変形文法」、または、"Transformational Generative Grammar"「変形生成文法」と呼ぶようになった、というわけです。

dotejp60
質問者

補足

Nakay702さま 早速のご回答ありがとうございました。 大変助かりました。 それでは、Transformational Grammarの訳としては「変形文法」と訳し、補足に「生成文法(Generative Grammar)を現在ではこう呼ぶ傾向があります」と入れればよいですか? 何か、他にも補足できるような説明文があれば教えていただけますでしょうか?

関連するQ&A

  • チョムスキーと生成文法

    苫米地英人さんのインタビューか何かで見たのですがチョムスキーという人が出ていて、聞いたことないなと思い調べてみたところ生成文法という理論を作った人と知りました。そこでなのですが、生成文法とは一体何なのですか?英語の文法とかとはまったく違うのは何となくイメージできるのですが。またその理論等について書かれたサイト、書籍等御存知でしたら教えてください。また言語学とはどういう学問なのですか?質問が多くなってすいません、回答お願いします。

  • チョムスキーの生成文法は動物にも当てはまりますか?

    最近チョムスキーの生成文法というものを知りました。 そこで疑問なんですが、これは人間にのみ言えることなのですか? 動物にも言えることですか? もし動物にも当てはまるとすれば、本能的には人間の言葉を理解できるということになるのでしょうか?

  • 変形文法について

    変形文法(transformational grammar)のよいところ、わるいところは具体的にはどんなことでしょうか。

  • 生成文法について

    こんにちは。私は今大学1年で、英語学概論という授業で生成文法を勉強していますが、くだらなくて(つまらなくて)仕方ありません。そこで質問なんですが、今も昔も、大学でも短大でも、英語や英文学を専攻している人はみんな、生成文法を習うのでしょうか?

  • 最近の生成文法というのは?

    大学時代に変形文法をしきりに教えられましたが、どうも最近は生成文法というようですね?日本語に関して、伝統文法との違いを簡単に知りたいんですが・・・。

  • 生成文法

    生成文法の変形規則についてです。 「Wash yourself」という文を生成するには、変形規則として、置換→移動→削除の順に適応されていくと思うのですが合っていますか? 移動というのは自信がなくて、間違っているかもしれませんが。。 また置換は、1つの文で同じ名詞が2度出たら、前の合せてに合わせて再帰代名詞に置き換えるというものですよね? 削除は、2人称の名詞を削除ですよね。 移動はよく分かりません…。 どなたかアドバイスよろしくお願いします!!

  • 生成文法についての質問です!

    現在生成文法について勉強中です。そこで何点か質問があります! (1)チョムスキーらは、障壁という概念を、「補部でない最大投射は、すべて障壁になる」と考えました。なぜこのようにシンプルに定義づけすることができるのでしょうか。 (2)高橋(1994)の理論では、日本語の主語の特徴を正しく予測していますが、日本語が主語の島の効果を欠いていることを示す具体的な例を挙げるとしたら、どのようなものが挙げられるでしょうか。 (3)また、高橋の分析によると、すべての島の違反が相対性最小性条件の効果によって説明されることになりましたが、彼の分析では、いつ疑問視が移動を開始するでしょうか。 どなたか専門的知識をお持ちの方、何卒宜しくお願い致します!m(_ _)m

  • 言語学(生成文法)について

    お世話になります。 言語学の参考書を読んでいるのですが、変形生成文法のところで変形の循環適用(cyclic application)というものが出てきました。とても簡単な参考書のなのでこのことが説明されていません。変形の循環適用とは具体的にはどんなことを言っているのですか。変形についてはほんの少し知識があります。 よろしくお願いします。

  • 生成文法について

    現在生成文法を勉強しています。わからないところが見つかりましたので質問させてください。 Subjacency Conditionという項目がよくわかりません。移動に関することだとは分かるのですが、具体的にどういうものですか?TPやNPを超えて移動ができないというようなことが本に書いてあったと思うのですが詳しくは説明できません。 詳しい方教えてください。よろしくお願いします。

  • 基本的な文法について

    ある英語のサイトを見ていたら一つの疑問にぶつかりました。 ある質問者さんが I have much money. はおかしいかどうかという質問でした。私はI don't have much money.は聞いたことがありますが、肯定文プラスmuch(上記文)は聞いたことがありませんしグラマーの本で調べても使えないとあります。でも殆どの回答者さん達は使えますよと言っていました。なぜ 文法的に使えるのでしょうか?まだ私が知らないグラマーがあるのでしょうか?教えてください。