• ベストアンサー

量子力学の正統的な学び方

質問:「量子力学は暗記せざるを得ない?」に対するnzwさんの回答で、解析力学を学んだのち、離散固有状態の話から入ると量子力学に対して自然な理解が得られるとありましたが、私も工学部で天下り的にシュレーディンガー方程式を与えられて量子力学を学んだクチなのですが、もう一回順に一から学びなおすのに良い教科書など(○○を読んだ後、△△を学び、云々といったこと)がありましたら教えてください。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • nzw
  • ベストアンサー率72% (137/189)
回答No.1

解析力学は、物理的イメージを簡単に描くことができるニュートン力学をわざわざ抽象化する理論ですから最初はかなりとっつきにくいというか、何でこんなことするんだと感じる場合が多いので、注意が必要です。量子力学を理解するという点に絞るなら、それを意識した教科書の方がいいでしょう。  と書きつつ、そのような教科書の例を知らないのですが、佐藤文隆先生の書かれた「運動と力学」(岩波書店)の参考文献において、量子力学や統計力学との関係を意識した入門書として 宮下精二著「解析力学」(裳華房)と 高橋康著「量子力学を学ぶための解析力学入門」(講談社) があげられています。申し訳ありませんが、ご自身で確認してみてください。(なお、文隆先生の「運動と力学」も解析力学の本なのですが、物理屋以外には多分とっつきにくいでしょう) なお、前の投稿で、解析力学をマスターしてからと書きましたが、量子力学の基本的概念である行列とベクトルによる現象表現を理解するには、離散固有状態の系について勉強するのが一番で、それだけなら解析力学の知識はあまり必要ありません。 たとえば、 J.J.サクライ著 「現代の量子力学」(吉岡書店)や ペレス著「ペレス量子論の概念と手法」(丸善) などの最初の方を読めばよいと思います。 J.J.サクライは私が学生のころ、理学部物理における量子力学の教科書の定番でした。(今でもかな?) ペレスの本はEPR相関やエントロピー、観測問題など標準的な量子力学の教科書でさらっとしか触れていない話を多く取り上げており、最近流行りの量子暗号などを理解するには好適な教科書です。

vitaminQ
質問者

お礼

返事遅くなりました。回答ありがとうございます。 「量子力学を学ぶための解析力学入門」は運良く古本屋で 見つけたので速攻買いました(といっても定価も1500円くらいで安いですね) まえがきを読みましたが饒舌な感じで、本編への期待が高まりました。これから本編を読んでいきます。 J.J.サクライとペレスもそのあと読んでみようと思います。

その他の回答 (4)

  • nzw
  • ベストアンサー率72% (137/189)
回答No.5

>となるとディラックの本も入門としては敷居が高かったりするんでしょうか? ディラックの本は、具体的な実験についてほとんどふれず、数学的定式化から入っていきますから、やはり他の本で学習してからの方がいいと思います。あと、旧字体!なので読みにくいというのはあります。(良い本なので読んでおいて絶対損はないと思いますが) 量子力学は人の直感とかなり異なった論理展開をしますので、やはり最初に量子力学的考え方をしなければ説明できない実験事実について知っておくほうがいいと思います。シュレーディンガー方程式を天下り式に与える教科書では水素の固有スペクトルをその例にとるのですが、それよりもJ.J.サクライやペレスの教科書が取り上げているシュテルンゲルラッハ実験の方がいいと思います。  なぜなら、シュテルンゲルラッハ実験では、 ・固有状態が一つの物理量に対して2つしかない系であること(したがって、高校で習う線形代数ぐらいの数学的知識で記述できる) ・物理量の固有状態が時間発展しないため、観測や重ねあわせ状態、固有状態への波束の収縮といったこと理解しやすいこと ・同じ状態に対して3種類の非可換な物理量(スピンのX成分、Y成分、Z成分)が存在するため、不確定性原理につながる非可換という概念を簡単に理解できること ・3つの物理量を表現するために、複素数の導入が不可欠であることから、波動関数がなぜ複素数になっているのかという必然性が理解できること ・異なる状態の古典的混合ということが容易に可能であり、その取り扱い(密度行列)を学習することにより、波動関数が表現している量子力学的な確率密度(重ねあわせ状態の固有状態の成分)と、古典的な粒子の存在確率(密度行列に現れる確率)がまったく異なる概念であることを理解できること などの理由があるからです。 私も教養で天下り式にシュレーディンガー方程式を与えられた時、納得がいかなかったのですが、学部でJ.J.サクライで量子力学を習った時に多くの疑問が氷解して非常にすっきりした記憶があります。

vitaminQ
質問者

お礼

詳細な説明していただきありがとうございます。J.J.サクライ(とペレス)なら自然に学べるということですね。ぜひ読んでみたいと思います。シュテルン・ゲルラッハの実験は良く知らなかったです。僕が使ったアトキンス物理化学では黒体放射の話が載っていて、エネルギーの量子化が導入になっていました。 (あと、まったく関係ないですが、吉岡書店のシリーズの装丁の雰囲気とかも好きです。^^;) 回答してくださったみなさん、どうもありがとうございました。

  • bttf2003
  • ベストアンサー率37% (230/614)
回答No.4

私も、物理学を専攻しなかったので、量子力学の教科書は、先人の方々が推薦する本を片っ端から読んで、やっと分かってきたというのが実情なんですが、結論は、シュレジンガーの波動方程式とハイゼンベルグの行列力学を両方理解しないと駄目だと思います。 解析力学は、古典力学から勉強するには敷居が高いので、ある程度量子力学の概要が分かってから、勉強した方が理解しやすいと思います。 (物理学に早くから興味をもっていて、数式を苦労しないで分かる人は、解析力学から量子力学へ進むほうが、論理が一貫しているので、無駄がないと思いますが) 波動方程式から入って量子力学が分かる、これが絶対お勧めだという私の場合は、ありませんでした。 行列力学から入る場合は、朝永振一郎の「量子力学(1)・(2)」私には分かりやすかったです。 量子力学では、「粒子性」と「波動性」の二重性をどう解釈するかと、「不確定性原理」がどのくらい理解できるかで、能力差がでると思います。 あとは、数学的素養をどの程度積み重ねているかが重要ではないか?と感じています。 また、物理学を専門に勉強する必要が無い場合は、表面的に分かっているだけで十分だと考えています。

vitaminQ
質問者

補足

回答ありがとうございます。朝永振一郎も本屋で見たことがあります。今度よく見てみます。 アトキンス物理化学で量子力学を学んだので、いろいろな実例には親しんできてはいます。ただ、自分はなんといっても数学的素養が足りなすぎますね。 キャレンの熱力学を読んでいて目からうろこが落ちた(?)のですが、そのときも偏微分関係の式でかなり戸惑いました。微積なんかももっとよく理解しないとダメだなって思っています。

  • shiara
  • ベストアンサー率33% (85/251)
回答No.3

 私は、シッフの「量子力学」を使って勉強したのですが、その中の第(6)章「量子力学の行列形式」がとても分かりやすかったので、お勧めします。

vitaminQ
質問者

お礼

回答ありがとうございます。シッフも読んでみたいと思います。やはり定番なのでしょうか?

  • KENZOU
  • ベストアンサー率54% (241/444)
回答No.2

量子化する場合、正準交換関係が主役を演じますが、これは解析力学でのポアソン括弧に相当します。またハイゼンベルグの運動方程式にもポアソン括弧がでてきます。量子力学を勉強し始めたときは、何だこれはと思いつつ鵜呑みで通過したり、ハミルトニアンもそんなもんだと素通りしたりして、なんとなく分かったような気に落ち着きやすいですが(←小生だけか:笑い)、少し量子力学に慣れてくるとその辺のからくりが気になってきたりします。そういうときに解析力学の知識があればより深く量子力学の理解が進みます。ということで、解析力学のテキストとしてはnzwさんがあげられている高橋康著「量子力学を学ぶための解析力学入門」(講談社)を推奨します。これは厚みは薄いが物理的中身は非常に濃く、数式の展開もキチットなされているので非常にとっつき易いです。さらに加えてGoldsteinの「古典力学」を副読本とすればもう言うことなしでしょう。量子力学のテキストは沢山出版されていますのでご自分にあったものを選択されればいいと思います。J.J.サクライ著 「現代の量子力学」(吉岡書店)は代数的な記述(ディラックのブラケット記法)で統一されており、ある程度量子力学を学ばれた後で読まれるのがいいと思います(←老婆心)。

vitaminQ
質問者

お礼

回答ありがとうございます。高橋康の本を買ったので、演習問題を解いたりしながらじっくりやっていきたいです。 サクライの本はディラックのと似ているみたいなことを講義ノートに書いている先生がいらっしゃったのですが、となるとディラックの本も入門としては敷居が高かったりするんでしょうか? ゴールドシュタインはちょっとだけ立ち読みしたことがありますが、かなり難しそうな印象を受けました。もう一回チャレンジ(?)してみます。

関連するQ&A

  • 量子力学の教科書選び

    今年から量子力学の授業が始まります。 使う教科書の指定はありません。 現在先輩や友達、親から何冊かの本をもらってます。 学校の先生はどれか1冊を通読しなさいと言っています。 持っているのは以下の本です。 ・初等量子力学 原島鮮 ・量子力学1 小出昭一郎 ・量子力学1 江沢洋 ・初等量子力学 P・Tマシューズ 原島さんのと小出さんのを先生は結構すすめていました。 自分は江沢さんという人の本はシュレディンガー方程式にいたる導入部分が丁寧な印象を受けました。 原島さんのは概念がつかみやすそうでした。 小出さんは少しわかりにくかったです。 僕は天下り的に式が出てくるのが好きではないのですが、量子力学においては仕方ないと先輩に言われました。 江沢さんの本はあまり先生はすすめていなかったです。 これらの本でどの本がなぜおすすめなのか、またどの本のどこが欠点かを教えてください。 お願いします。

  • 量子力学

    量子力学 理学は専門ではないのですが興味から朝永振一郎さんの量子力学上・下を読んでみました。とりあえずなぜシュレーディンガー方程式があの式になるのかはなんとなく分かった気になったのですが、結局、歴史的には実験結果と理論で偶発的に波動方程式を発見したという理解で良いのでしょうか?理学関係の方教えてください。ちなみに角運動量とスピンはまだ読んでません。

  • 量子力学において運動量を微分演算子に代える物理的意味

    量子力学をきちんと物理的,数学的に理解したいので,独学で量子力学を勉強しています.学部時代は量子力学の授業がなかったこともあり,正直分からないことだらけで不思議に思うことがたくさんあります. そのうちの一つとして,ある原子内の電子群を考え,ハミルトニアンHを持つ系だとすると,波動関数Ψの絶対値の二乗(存在確率)で存在する原子内にある一つの電子は,あるエネルギ準位(固有値)εしか取り得ないという考え方をシュレディンガー方程式 HΨ=εΨ で表される固有値問題に帰着するということをとりあえず納得したとすると,線型代数学で出てくる固有値問題 Ax↑=λx↑ のように「ある固有ベクトルx↑に対してある固有値λが決まる」 ということと似ているのでなんとなく分かります. 波動方程式からシュレディンガー方程式を導出していくこともなんとなく分かりました.分からないことは,シュレディンガー方程式の導出として,ハミルトニアンを波動関数に作用させ,ハミルトニアン中に含まれる運動量を微分演算子に代えれば,シュレディンガー方程式になっているということです.この方法は,結果として成り立つだけで,後付けくさいなあと感じました. 過去にも同じような質問をされていた方 http://oshiete1.goo.ne.jp/qa587812.html がいましたので見てみると,運動量を微分演算子に代えるのは数学的には導けるようですが,その導く過程が物理的には分かりにくいと感じました. 量子力学を勉強する前に基礎知識が不十分なのもあるとおもいます. なので,量子力学を勉強する前に習得するべき学問は何かと,どの順番で勉強すれば効率がよいかも教えていただきたいです. (1)量子力学において,運動量を微分演算子に代えることの物理的意味は?もっと一般的に,その他の物理量(角運動量,スピン角運動量など)を演算子に代えることの物理的意味は? (2)量子力学を勉強する前に習得するべき学問は何かと,それらをどの順番で勉強すれば効率がよいか? です.長くなりましたが,よろしくお願いいたします.

  • 量子力学は暗記せざるを得ない?

     量子力学の概念が理解できません。というのも、方程式の中に確率が入っていたりと、これまで学んできた物理学と矛盾する点があり、考えても分からない点があるのです。量子力学は理解するというよりは暗記せざるを得ない 学問なんでしょうか?

  • 量子力学

    はじめまして、KKCBです。 量子力学の質問なのですが、よろしかったら協力していただけるとありがたいです。 ■■■■■□□■■■■■ ■■■■■□□■■■■■ ■■■■■□□■■■■■ ■■■■■□□■■■■■ ■■■■■□□■■■■■ □□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□ ■■■■■□□■■■■■ ■■■■■□□■■■■■ ■■■■■□□■■■■■ ■■■■■□□■■■■■ ■■■■■□□■■■■■ ■:ポテンシャル=無限大 □:ポテンシャル=0 2次元平面上に上の図のような十字型のポテンシャルがひろがっており、この中に電子を閉じこめます。(”道”にあたる部分は無限に伸びています) すると電子は”交差点”部分に局在するらしいのですが、これをシュレディンガー方程式を使って(直感的に)説明したいのです。 どなたか解説していただけたらすごく助かります。 すみませんがよろしくお願いします。

  • 量子力学を学ぶにあたって

    大学の工学部2回生の者です。材料科学科に所属しているのですが、最近理論物理(特に量子力学)に興味が出てきました。そこで質問なのですが、量子力学に必要な数学の知識を教えて下さい。やはり、微積、微分方程式、線形代数、ベクトル、関数論などでしょうか?あと、理論を勉強するには計算をゴリゴリやるようなやり方ではなくて定理が厳密に証明されていく過程を勉強するのでしょうか?   よろしくお願いします。

  • 量子力学の教科書

    1973年工学部を卒業、電気会社に就職し高度成長時代を駆け抜け、昨年定年退職となりました。 これを機に学生の時にいまいち分からなかった量子力学を勉強しなおしています。 数学的についていけなかったのがその理由でしたので、複素数と線形代数(行列)をもう一度最初から読み直して、ある程度理解が進んだところで、行列力学のさわりを解説した本を読みました。 飽きることなく3時間ほど読み耽りました。50年前に読んだ『○○火星探検』以来でしょうか? この年齢でもこんなにわくわくするのなら、24歳のウエルナー・ハイゼンベルグの興奮は如何ばかりであったかと、羨ましく思えました。 最初はシュレディンガー方程式をきちんと自分で解いて理解を深めようと考えていたのですが、今では行列力学の方が興味深深です。 あまりに難解なものは減少中の脳細胞が受け付けないでしょうし、ブルーバックス的なものは結局理解にはほど遠いと思っています。 JJサクライ『現代の量子力学』か朝永振一郎『量子力学』を読もうかと思っています。 小出昭一郎『量子論』(裳華房)は苦にならず読める程度ですが、お勧めの本はありますか?

  • 量子力学を学ぶのに確率論は必要でしょうか

    男子大学2年生。 工学部ですが量子力学を独学したいと考えています。 解析力学を勉強しているのですが、数学の理解不足かなかなか前に進みません。 微積分と線形代数、複素解析は必要だと分かるのですが、他に常微分方程式や偏微分方程式の知識や群論の知識も必要とか。 確率解釈も興味があるのですが、確率論も必要なんでしょうか? 勿論知っているに越したことは無いと思うのですが・・・・。 アドバイスください。

  • 量子力学の微分方程式の解

    量子力学の微分方程式の解 動径方向の微分方程式は(1)のようにかける。 固有関数は(2)のようにかけるとき、 パラメータaとエネルギー固有値Eを求めよ。 この問題↑を解いたのですが、 答えは(3)のようになりました。 これであっているでしょうか? また、エネルギー固有値をどう求めればよいか分かりません。 どなたか教えていただけるとうれしいです。

  • 量子力学とは?

    こんちわ。 物理の基礎的を勉強しているものです。 ボーアの理論とか,シュレーディンガーの方程式とか,いろいろ出てきているのですが。どうも,読みにくくてつらいです。 物理学全体の体系を理解していないので,何を勉強しようとしているのかも分からないのだと思います。 そこで,先に進むきっかけとして,量子力学とはなんなのか?何が目的なのか?教えていただけると非常にありがたいです。 例えば,原子中に含まれる電子の存在状態を説明するもの?程度の答えを期待しております。最終目標が分かれば,独学できると思っていますので。 この質問自体,変なことを言っていると思いますが,御手柔らかに・・・