ジェット機とプロペラ機の安全性

質問

アメリカのジェット旅客機のエンジントラブルで思ったのは、果たして、ジェット機とプロペラ機では、どちらが安全性が高いのだろう、ということです。どうでしょうか？

回答No.2

eroero4649 · ベストアンサー

ジェット機とプロペラ機のどちらが安全性が高いのか、というのはガソリン車とハイブリッド車のどちらが安全性が高いのかみたいな比較ですよね。小さい差はあるでしょうけれど、マクロで見ればさほど差はありません。「ジェットエンジンは止まったら大変」ですけれども「プロペラ機はプロペラが折れたら大変」です。

速度と航続距離においては、ジェット機のほうが有利なわけで、世界の旅客機の9割以上はジェット機です。
プロペラ機のメリットは離着陸の距離が短くて済むのと、整備性の良さですよね。自動車の整備ができる人ならそんなに難しいものではないと思います。なので、三宅島みたいな小さな島の、空港というより飛行場といったほうがいいような小さな空港でも使うことができます。

けれどもそういう小型プロペラ機の需要というのはあまりありません。ヨーロッパのような地続きの地域の近距離移動なら、新幹線みたいな高速鉄道のほうが速度もあまり変わらず輸送力がずっと高いです。鉄道では行けない島くらいですよね、メリットがあるのは。
なのでプロペラ旅客機というのは実質的にボンバルディア社の双発機の一択という感じになっています。

しかしこのボンバルディア機はトラブルが多発することで有名です。何年か前も日本でANAが保有するボンバルディア機が前輪が出ず胴体着陸する事故が発生しました。
その原因は、前輪に関わるボルトを1個製造段階で付け忘れたせいだったらしいです。それに気が付かなかったANAにも落ち度はあるでしょうが、製造段階でボルトを付け忘れるってのも基本あり得なければ、もっとあり得ないのはたかがボルトを1個つけ忘れただけで前輪が出なくなる設計にも問題があります。
ボンバルディアはかように評判が悪い会社で、安全性などに口うるさい北欧の航空会社はボンバルディアを使うのをやめたほどです。

けれどもわざわざ今から対抗する新型機を製造する会社も世界中どこにもなく、ド田舎の居酒屋（まずくても他に店がないのでその店に行くしかない）状態となっております。

ちなみにプロペラ航空機の世界のトップは実はロシア（ソ連）です。ソ連時代に開発したTu（ツポレフ）-95は、あのドイツ人でさえ開発を断念した二重反転プロペラを世界で唯一成功（実用）させた爆撃機です。その最高速度はプロペラ機としての最高である時速950キロを記録し、航続距離も最大で15000キロもあります。

またアメリカ空軍は、ベトナム戦争の頃に開発してとっくに退役させていた双発プロペラ軽攻撃機であるOV-10ブロンコを、2015年にわざわざ復帰させました。アフガニスタンのゲリラ兵相手には飛ばすだけで何百万円もかかるジェット戦闘機ではコスパが合わないのです。
21世紀の戦争ではゲームのエースコンバットみたいなジェット戦闘機同士の華麗な空中戦なんてのが起きないので、購入費はもちろん維持費も安くて整備性にも優れているプロペラ機を導入する国が増えています。

お礼

なるほど。旅客機としてはダメでも、軍の飛行機としては使い道があるわけですか。いずれにしても、飛行機に搭乗するのが怖くなったのは確かですね…ありがとうございました。大変、勉強になりました。

回答No.1

tzd78886

今はプロペラ機とジェット機は用途によって使い分けられていて、同じ用途に使用する機体は存在しませんから比較するのは困難です。プロペラ機は大型にするにはエンジンを増やさざるを得ないので、一つくらい動かなくなってもある程度の距離を飛ぶことはできますが、今のジェット旅客機は2発型が大半ですので一つ動かなくなっただけで重大な事故につながりかねないのは確かです。

お礼

そうですか。ま、しかし、今の時代にプロペラ機で、日本〜ハワイ、なんて無理でしょうから、せめてエンジン3基にして欲しいですね…ありがとうございました。参考になりました。