漢字の本場では音のみを表す日本語における仮名のような記号がないので,漢詩の押韻だったり,音が同じ漢字をわざと当て字にしたりすることもあるようです。‥‥日本語における駄洒落みたいな効果なんでしょう。
歳という文字は,1年の期間を示しています。必ずしも人の年齢を示すだけではないようです。凶歳,豊歳のように1年間の田畑の収穫を表したり,年毎の齢を重ねることを表すようになったと思います。
才という文字は才能という言葉が示すように,たまわった資質を示しています。国語史でいう中古(仮名物語が盛んだったころ)では,漢学の学識をして「ざえ」と言っていたようです。
才は尺貫法での勺の十分の一や石材や材木の容積を示す単位だったり,織物の長さを示す単位でもあるそうです。
年齢を示すことについては,先に書かれているように当て字でしょう。
年齢を重ねることも,自分で獲得するというよりも,たまわるものだと考えれば,才という当て字もそれなりの意味をもって理解できると思います。