ステンレス鋼のオーステナイト系とフェライト系の磁性の違いについて

このQ&Aのポイント
  • ステンレス鋼において、オーステナイト系は非磁性体である一方、フェライト系は磁性体です。
  • この違いは結晶構造によるものであり、オーステナイト系とフェライト系の結晶構造は異なります。
  • なぜ結晶構造の違いが磁性に影響するかは分かりにくいですが、オーステナイト系が非磁性体である理由はまだ完全に解明されていません。
回答を見る
  • ベストアンサー

ステンレス鋼について

素朴な疑問です。ステンレス鋼においてオーステナイト系は非磁性体でフェライト系は磁性体なのはなぜですか?結晶構造が違うのは分かりましたがそれが磁性非磁性にどう影響するのか分かりません。なにぶん素人な者ですので簡単に分かるようにしてもらえると助かります。どうぞよろしくお願いします。

noname#230358
noname#230358
  • 金属
  • 回答数4
  • ありがとう数4

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
noname#230359
noname#230359
回答No.3

◎munshiさんが、結晶構造と非磁性であることに明確な回答されているので、つぎの2問について回答します。 Q1:冷間加工すると磁性体になると聞きました、ということは冷間加工で結晶構造が体心立法格子に変化しているということですか? A1:その通りです。オーステナイト系ステンレス鋼は、除冷すれば、2相の組織(フェライト;α相+オーステナイト;γ相)になりますが、市販されている材料は、約1100℃から急冷して常温でもオーステナイト組織;γ相のみの材料としています。、冷間圧加工により、安定な2相組織にもどろうとするわけですから、加工誘起マルテンサイト変態(γ相⇒α’相)を起こして、磁性を持ちます。この加工誘起マルテンサイト相(α’相)は固く、強固な組織となります。 Q2:冷間加工後焼鈍をすると非磁性になると聞きましたが、ということは再び面心立法格子に戻ると理解してよいのでしょうか? A2:焼鈍の温度によりますが、一般的にプレス部品などの場合、軟化と磁性防止を目的に、固溶化熱処理を行います。  このときの温度も1100℃付近から水中急冷させます。 A3:磁性をきらう理由ですが、  ?重電関係の筐体などの場合、高電圧下では磁性体であると誘導が生じ、渦電流による発熱等の問題が出てきます。  ?加工誘起マルテンサイト変態が発生すると、防錆力が落ちます。  ?硬度も同時にあがり、前述したようにプレス加工などの場合、次工程で加工が難しくなります。  ?絞り加工などの場合、残留応力も発生し置き割れ(時期割れ・時効割れ)の原因にもなります。

noname#230358
質問者

お礼

ありがとうございました オーステナイト系ステンレスを冷間加工する場合、磁性、防錆力、置き割れを考えると焼鈍は避けて通れないことになるのでしょうか?

その他の回答 (3)

noname#230359
noname#230359
回答No.4

A1:必ずしも冷間加工で熱処理を必要とするものではありません。むしろコストアップ・リードタイムからも、さけるべきでしょうね。  下記のに深絞り加工時の時効割れについて回答してありますので見てください。  さらに不明な点があれば、ご連絡ください。      http://mori.nc-net.or.jp/ul.php?key=37baa78fd988006e:2552:8023:1084675240

noname#230358
質問者

お礼

素朴な質問で聞き始めた内容に対してここまで明確に回答していただき本当にありがとうございました。又何かありましたらよろしくお願いします。

noname#230359
noname#230359
回答No.2

そのとおりです。結晶構造(原子配列)の変化が磁性・非磁性の変化につながると考えていただければよいと思います。(と私は理解しているのですが、冶金学に詳しい方がおられれば念のためご確認ください。自信が無くてすみません)

noname#230358
質問者

お礼

ありがとうございました。 また何かありましたらよろしくお願いします。

noname#230359
noname#230359
回答No.1

通常の鋼は常温では体心立法格子という結晶構造をもっています。フェライト系ステンレスもこの中の一つです。これに対し、オーステナイト系ステンレスは18%のCrと8%のNiを含有することにより、常温での結晶構造が面心立方格子となります。ではなぜ面心立方格子が非磁性かといいますと、結晶構造の中で原子の持つプラスとマイナスがちょうどバランスして打ち消しあうような配列になっている状態と考えていただければよいかと思います。 通常の鋼も変態点以上の高温になるとオーステナイト(面心立方)組織になり、非磁性になります。真っ赤な鉄に磁石を当てられてみるとわかると思います。(ヤケドにご注意!)

noname#230358
質問者

お礼

早速の回答ありがとうございます。 追加で質問なんですがオーステナイト系ステンレスは冷間加工すると磁性体になると聞きました、ということは冷間加工で結晶構造が体心立法格子に変化しているということですか?又冷間加工後焼鈍をすると非磁性になると聞きましたが、ということは再び面心立法格子に戻ると理解してよいのでしょうか?どうぞよろしくお願いいたします。

関連するQ&A

  • オーステナイト系ステンレスの非磁性について

    いろいろ調べまして、 結晶構造と、“スピン”の向きが、 磁性に影響を与えるということは、 大雑把に理解したつもりです。 最後に、調べ切れなかった事を質問させていただきます。 wikipedia(2007年5月25日付け)によると、 オーステナイト系ステンレスは「非磁性体」と紹介されてますが、 実際、この「非磁性体」というのは、 「反磁性体」「常磁性体」「反強磁性体」のいずれでしょうか? オーステナイト系ステンレスで一概に括れない場合、 「SUS304」の場合で結構です。。 ご教授ください。 よろしくお願いします。

  • オーステナイト系とフェライト系ステンレスの耐食性…

    オーステナイト系とフェライト系ステンレスの耐食性の違いの原因 オーステナイト系ステンレス鋼とフェライト系ステンレス鋼では基本的にオーステナイト系のほうが耐食性が高いということですが、その理由はなんでしょうか?調べても、オーステナイト系のほうが耐食性が高いという事実ばかりで原因がわかりません。 Fcc構造による充填率の高さなどが関係しているのでしょうか? どなたかよろしくお願いします ある条件下において、オーステナイト系のほうが安定度が高い、とずっと思い込んでいましたが、基本的にはフェライト系もオーステナイト系も耐食性は大体同じなんでしょうかね? 色んなサイトで「オーステナイト系ステンレス鋼はフェライト系スレンテス鋼よりも耐食性に優れ・・・」とあったから、どの条件下でも基本的にオーステナイト系のほうが耐食性が高いと思っていましたが、実際はどうなんでしょうか

  • フェライト系ステンレスとオーステナイト系ステンレ…

    フェライト系ステンレスとオーステナイト系ステンレスの違いと加工物 今、材料の勉強をしてるのですがフェライト系ステンレスとオーステナイト系ステンレスの違いと加工物(どういう製品に適してるか)教えてください。 宜しくお願い致します。

  • オーステナイト系ステンレスを窒化したときの磁性に…

    オーステナイト系ステンレスを窒化したときの磁性について オーステナイト系ステンレスを窒化すると 磁化すると聞いたことがあります。 これは本当でしょうか? オーステナイト系ステンレスを窒化すると クロム窒化物を生成するため、 マトリックス中の固溶クロム濃度は低下します。 そうするとマトリックスは相対的に ニッケル濃度の高い鉄-ニッケル合金が 出来上がります。 鉄-ニッケル合金はオーステナイト組織で 強磁性体ではありません。 残念ながらCrN、Cr2Nの磁性については調べがついていませんが、 これらが強磁性体でないと仮定した場合、 窒化クロムを析出させればさせるほど、 マトリックスは安定なオーステナイトになり 強磁性ではありえません。 ところが冒頭のような話を聞いたため、 混乱しております。 SUS316のようなγが安定なSUSを窒化して 磁石にくっつけてみたことのある方いませんか? 実際にくっつきましたか?

  • ステンレス鋼の鋭敏化について

    素人な質問でなんですが、オーステナイト系ステンレス鋼の問題点として必ず鋭敏化の話が出てきます。 600度くらいで徐冷した際に粒界近傍のCrが炭化物となり、粒界付近のCr濃度が下がって腐食してしまうとの話ですが、 その理屈でしたらマルテンサイト系やフェライト系でも(たとえ温度は違えど)Cr欠乏層ができる鋭敏化は起こると思うのですが ステンレスや熱処理の本を見てもオーステナイト系の話しか出てきません。 マルテンサイト系やフェライト系では鋭敏化のような現象(Cr炭化物生成→粒界付近のCr欠乏層生成→腐食)は 起こるのでしょうか?

  • 電磁石の前にステンレスを置くと?

    平面の板状のもの(いわゆる定盤)の下に電磁石を複数設置して、その板状の上に置いた鋼製の物体をその磁力で固定しようと考えています。 このとき、平面の板状のものを軟鋼にするとその板自体が磁気を帯びてしまうので、非磁性体のオーステナイト系ステンレスにすべきだろうと思っています。  非磁性体の金属というものの意味がよく分かっていないので、教えていただきたいのですが、非磁性体のオーステナイト系ステンレスの下に電磁石をおくと、その上で固定物を吸い付ける磁力は大幅に減衰してしまうものなのでしょうか?それともそんなことはないのでしょうか?  仮に減衰する場合には、どれくらい磁力が落ちるのか、概算で計算する方法があれば教えて下さい。 よろしくお願いします。

  • 2相ステンレス

    加圧水型原子炉の1次冷却水系統で起こる材料の脆化に関する資料を見ていると、ク○タ社の2相ステンレス遠心鋳造管(JIS SCS14A, ASTM CF8M相当)という表現が頻出します。この会社自身も、約10~20%のフェライト相と約90~80%のオーステナイト相の二相から形成されている、というような表現をしています。 SCS14Aは立派なオーステナイト系と思っていましたし、2相はフェライトとオーステナイトがほぼほぼ1:1と思っていました。2相ステンレスの公的な定義がありましたらアドバイスお願いします。 原子力関連の2社から返事を頂きました。 確かに、普通言うところの2相では無いそうです。オーステナイトが正解。 ただ、昔から原子力関係者は2相と呼んでいるそうです。改善するとのことでした。

  • ステンレスの焼き入れ

    ステンレスの焼き入れについてですが、 1.マルテンサイト系以外のフェライト、オーステナイト系では、なぜ焼きが入らないのでしょうか。ステンレスは、他の炭素鋼のように、加熱して変態温度から急冷しても組成は変わらないのですか。 2.ステンレスの焼き入れの可否は、何に起因するのでしょうか。もしかしてしょうがない質問かもしれませんが、どなたか、ご回答頂けますでしょうか。

  • JIS0551に掲載されている結晶粒度について

    お尋ねします。 JIS0551に掲載されております、『鋼のフェライト及びオーステナイト又は旧オーステナイト結晶粒界現出方法の要約』の結晶粒度ですが、これはステンレス(SUS316L)でもあてはまるのでしょうか? ステンレスでシュウ酸エッチ試験にて腐食させ、粒界を表出させましたが、JISにのっているように、粒界がはっきり表れません。 JISの粒度番号はステンレスはあてはまらないのでしょうか? どなたかご存知の方、教えてください。

  • ニッケル自体は磁性があるのに、ニッケルが含有され…

    ニッケル自体は磁性があるのに、ニッケルが含有されているステンレスや10円硬貨は?  素朴な疑問に悩んでいます。ニッケル自体は磁性があるのに、なぜSUS200番台やSUS300番台のオーステナイト系ステンレスは磁石がつかないのでしょうか? 同じような質問を検索し、回答を拝見いたしましたが、やっぱりすっきりしません。加工により変態し組織が変わり磁性を帯びるという事は知っていても、どうして磁石がつかないのかと言う事が今ひとつ解りません。1+1=2が理解できないような感じなのです。  仕事でSUS304を多く扱っていますが、こんな事を今更誰にも聞けず困っています。ネット上の検索もさんざんし、ステンレス協会の他鋼材メーカーさんのH・Pもたくさん見ましたが、どこにも書かれていませんでした。  ある鋼材屋さんに聞いたところ、「SUS200番台やSUS300番台はニッケルが入っているから磁石がつかない、フェライト系などはニッケル含有量が微量だから磁石が付く」と言われ、ますます解らなくなりました。磁性のあるニッケルが多く含有されるほど磁性がなくなるなんて・・・  どなたか解りやすく教えていただけないでしょうか? よろしくお願いいたします。