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過失とは?

製造物責任法施行で、事業者は過失責任から無過失責任になりましたが、「故意過失に関わらず流通開始時に欠陥が存在した」というのがピンときません。欠陥の存在を見逃した時点で既に過失だろう、と考えてしまいます。 また同様に独占禁止法で「事業者が違反行為により損害を与えた場合、過失の有無に関わらず被害者に損害賠償しなければならない」というのも尚更解りません。 一体この場合、過失の定義とは何なんでしょうか。PL法施行前後の具体例を挙げて説明してくださると嬉しいです。

noname#17270
noname#17270

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • hakkei
  • ベストアンサー率64% (77/120)
回答No.4

>欠陥の存在を見逃した時点で既に過失だろう 欠陥の存在とそれによる損害の発生が予見可能であり、かつ損害の発生が防止できたのであれば、それは注意義務違反として「過失」と認定されるでしょう。 そして、製造物に関する不法行為責任における予見可能性と結果回避義務を非常に高度なものと考えれば、事実上、欠陥の認定が過失の認定に直結するという事態になりえます。 事実、PL法施行前も、製造物の欠陥が問題となって不法行為責任が争われた事案の多くで裁判実務はそのような方向にありました。 たとえば、有名な「テレビ発火事件」(平成6年大阪地裁)では、PL法施行前でありながら、製造者に高度な安全確保義務を認めたうえで、「製品に欠陥のあることが立証された場合には、製造者に過失があったことが推認される・・・製造者が責任を免れるためには、製造者において欠陥原因を解明するなど、右推認を覆す必要がある」として、ほとんどPL法の内容を先取りしたようなものまでありました。 しかし、過失責任の原則を考えれば、全ての裁判所がそのような判断をするとは限りません。製造者側の注意義務を低く見積もれば、過失の認定は非常に困難なものとなります。 たとえば、「乳幼児用防護柵事件」(昭和54年神戸地裁)では、1年3ヶ月の女児が自宅の乳幼児用防護柵に頚部をはさんで窒息死したという事案で、「製作者たる被告としては、利用者において対象とされる乳幼児の年令、体格、活動状況、利用目的等諸般の状況に考慮を払い十分な注意のもとに設置工作をなし、安全に利用するものと信頼して、そのもの固有の性能に注意を払えば足りるものというべき」であり、使用上の注意をしなかったからといって過失というにあたらないとし、過失を認定しませんでした。 上記の事案など、現在のPL法のもとでは表示・警告上の「欠陥あり」として製造物責任が認められると思われますが、過失責任のもとでは必ずしもそうではないという証左になりませんでしょうか。 上記の「テレビ発火事件」のように裁判実務も非常にいいところまできていたのですが、結局、裁判例のばらつきや予見可能性をめぐる審理遅延などを考慮して、過失責任から欠陥(無過失)責任への転換が図られたものと思われます。

noname#17270
質問者

お礼

大変参考になりました。ありがとうございます。理解できました。

その他の回答 (3)

noname#38051
noname#38051
回答No.3

過失とは、注意義務違反をいいますが、単に悪結果が生じさせたという客観的部分だけでなく、行為者に注意を怠ったという主観的部分が重要になります。被害者の立証は大変です。 PL法における「欠陥」とは「製造物が通常有すべき安全性を欠いていること」とです。 欠陥には(1)設計上の欠陥(2)製造上の欠陥(3)表示・警告上の欠陥の3種類があります。通常有すべき安全性とは、製品が本来の機能を果たす上で必然的に持っている危険な性質も使用上の注意に従っていれば事故にならないということです。 欠陥というモノ自体の特性を立証するのと、行為者の主観的態様を立証するには、相当大変さに差があります。

noname#17270
質問者

お礼

ありがとうございます。なんとなく・・ですが分かった気がします。そしたら、PL以前は本当に大変だったんですね。欠陥つかまされて、それで被害を受けても、訴えられなかったんですよね。認めてもらえなかったというべきか。

回答No.2

法律の施行前は「事故」と「欠陥」の因果関係を証明することが必要でありましたが、それを消費者が立証するのは金銭的等の問題でほぼ不可能でした。 例えばマニュアルに注意事項の記載不備があって本来「やってはいけない操作」をしてしまってケガをしてしまったとします。 法律の施行前はマニュアルの不備と事故の因果関係を立証する必要がありましたが、施工後は「マニュアルの不備」を指摘さえできれば消費者は保護されるのです。 #1の方と同じような回答になりますが欠陥の定義というのは存在しません。

noname#17270
質問者

お礼

回答ありがとうございます。私の手元の資料ではPL法で証明しなくて良くなったのは、「事故と過失の因果関係」であって、おっしゃる「事故と欠陥の因果関係」はまだ消費者側に立証責任があるようなのですが。私の資料が古いのかな?

回答No.1

過失:一定の事実を認識することができるにもかかわらず、注意を怠ったために認識しないこと 通常の民法だと、相手側の故意・過失について被害者が証明しなければならないのですが、 PL法では、故意・過失に関わらずや、過失の有無に関わらずと言う言葉で、 その証明責任を原告からなくしているのです。 なので、訴える方は、”欠陥”を証明すればいいだけなのです。 定義とかは特にないんじゃないですか、そのままの意味で捉えて良いのだと思います。 どちらも過失の有無を問わないわけですし。

noname#17270
質問者

お礼

回答ありがとうございます。でも申し訳ないのですがまだ少し解りません。うまく説明しづらいのですが、民法とPL法で、過失の有無の証明という言葉に重点をおいてるところをみると、欠陥のある商品を市場に出した=業者の過失、というわけではないんだな、と。もし両者がイコールで結ばれるのなら、原告が欠陥を証明した時点で業者の過失は証明されてしまうわけですから。そしたら「無過失責任」ということで話題を呼んだPL法の意味はなくなってしまいますよね。 でも、私は現実的に「欠陥があるのに業者の過失が認められない(PL法の抗弁権を除く)」、民法では損害賠償不可、PLではOK、という状態が想像つきません。 (>_<)

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