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アレニウスの式と衝突理論と遷移理論の関係
jamf0421の回答
分子のエネルギー分布はBoltzmann分布をすると考えます。すなわちエネルギー準位εiにある粒子の最もたしからしい個数niの全体の個数Nに対する割合は ni/N=exp(-βεi)/∑exp(-βεi)...(i) となります。(実はβ=1/kTです。)エネルギーがεj以上の分子の割合ならば ∑(ε>εj)ni/N=∑(i>j)exp(-βεi)/∑exp(-βεi)...(ii) となります。エネルギー間隔が小さくてεの連続関数のように考え (ii)右辺=∫(εj→∞)exp(-βε)dε/∫(0→∞)exp(-βε)dε=exp(-βεj)...(iii) を得ます。さて温度Tで分子直径がdの同一分子が衝突する頻度は Z=πd^2(4kT/πm)^(1/2)(N/V)^2...(iv) です。mは分子質量、Nは個数、Vは体積です。分子がAとBと二種あるならば(iv)は Zab=πd^2(8kT/πμ)^(1/2)(NaNb/V^2)...(v) となります。ここでのdはd=(1/2)(da+db)でそれぞれの分子直径da, dbの平均です。またμは換算質量で1/μ=1/ma+1/mbです。(v)においてNa, Nbはそれぞれの分子の総数ですが、これがあるエネルギーεa, εb以上の分子同士、という場合を考えます。 NaNb→NaNb(exp(-βεa))(exp(-βεb)) になります。これを代入すると(v)は Zab'=πd^2(8kT/πμ)^(1/2)(NaNb/V^2)exp(-β(εa+εb))...(vi) の形になります。反応があるエネルギー以上の衝突の結果起こるなら反応速度は(vi)のZab'に比例するはずで、これは形がArrheniusの式に似ています。(じつはこの式ではpre-exponential factorに温度Tが入っています。) 遷移状態理論なら原系と活性錯体が熱力学平衡です。その平衡定数をK†のように書くと、活性化ギブス関数ΔG†は -RTlnK†=ΔG†...(vii) のように書けます。一方Eyringの式によれば速度定数は k=κ(kT/h)K=κ(kT/h)(RT/po)K†...(viii) ですからここに代入すると k=κ(kT/h)(RT/po)exp(-ΔG†/RT)=[κ(kT/h)(RT/po)(expΔS†/R)]exp(-ΔH†/RT) となります。これもΔH†を活性化エネルギーのようにみなしてArrheniusの式のように見られるかもしれません。(本当は一致しませんが...) 端折った書き方で済みません。
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