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スーパーカミオカンデ 上からと下から
スーパーカミオカンデですが、上からくるニュートリノと下からくるニュートリノをどうやって見分けるのでしょうか。 ニュートリノの衝突で水が光る現象を光電子増倍管で検出するとのことですが、これだと、特に中央付近での発行であれば、どこから来たのかはわからないと思うのですが。
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水が光るのはニュートリノの衝突が起きた瞬間だけではありません。 ニュートリノと水中の陽子や中性子が反応すると、衝突した粒子とは別の種類の粒子が複数発生するのですが、その中には荷電粒子(プラスやマイナスの電気を帯びた粒子)も含まれています。 それらの新たに発生した粒子は、ニュートリノが持っていた運動量やエネルギーを吸収しているのですから、ニュートリノがやって来た方角とは反対側の方向に飛び散る事になります。 ところで、光が水中を進む場合、その進む速度は真空中を進む場合の速度よりも遅くなります。 アインシュタインの相対性理論では、物体が光速以上の速度で運動する事は出来ないとされていますが、その場合の光速とは真空中を進む光の速度の事であって、水中を進む光の速度の事ではありません。 つまり、水中であれば光よりも速く運動する粒子があっても構わない訳です。 そして、荷電粒子が水中を光よりも速い速度で移動すると、水分子の中に含まれている電子と、荷電粒子の周りに形成されている電場が相互作用を起こして、超音速で飛行するジェット機の周りに衝撃波が発生するのにも似た形で、高速で移動する荷電粒子の周りに円錐状の光の波が発生します。この光の事を「チェレンコフ光(こう)」と言います。 前述の様に、ニュートリノの衝突によって生じた荷電粒子は、ニュートリノが持っていた運動量やエネルギーの一部を吸収して高速で運動する事になりますから、元のニュートリノが持っているエネルギーが十分に高ければ、発生した荷電粒子の速度も水中での光速を上回る場合があります。 ニュートリノは元々核反応などの際に放出されたものなので、元々高いエネルギーを持っていたものが少なくありませんので、衝突が起きる事は稀であっても、衝突が起きた際に発生した荷電粒子の速度が水中での光速を上回る事は珍しくありません。 そのため、チェレンコフ光による発光が起きている場所が移動して行く方向を調べれば、荷電粒子が進む方向を知る事が出来ます。 光は発生源から光電子増倍管までの間を有限の速度で伝搬するため、各光電子増倍管が光を捕らえた時刻の僅かな時間差を調べて、それらの時間差が生じるためには何処で発光が起きたとすれば良いのかを計算によって求めれば、発光が起きた時刻と場所は判ります。 その発光が起きた場所がどの様に移動して行くのかを調べれば良い訳です。 ニュートリノが衝突した際に飛び散る粒子は複数個あるため、それらの粒子の各々が飛び散って行く方向は、ニュートリノがやって来た方向の正反対の方向にはならないのですが、多数のニュートリノの衝突によって生み出される多数の荷電粒子に対して、その進む方向に関するデータを集めて、それらの方向がどの方向に向かって偏っているのかを調べれば、それら多数の衝突を起こした多数のニュートリノが同じ発生源からやって来ている場合には、それらのニュートリノの発生源がどの方向にあるのかを知る事が出来るのです。 【参考URL】 検出方法 | スーパーカミオカンデ 公式ホームページ http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/detector/cherenkov.html チェレンコフ放射 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%95%E6%94%BE%E5%B0%84
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- doc_weekennd
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前回世界中が大騒ぎになった時は、ハッキリ方向が違うグラフィックが掲載された。
- mpascal
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ニュートリノが飛んできだ逆側で検出するのです。 http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/detector/eventdisplay.html
中央には 光電子増倍管 のようなものがないので 光ったか?わからない。 逆に、方向を確かめたいので中央には何もない。