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カミオカンデは光電管から何を集め測定したか
カミオカンデで重水中の浜松フォトニクス製光電増倍管11000本を使って水中の光の明滅からニュートリノを測ったとか聞いたのですが、電気信号の処理はどのようにやったのか、知りたいのです。 チェレンコフ光から、その明るさ、時刻が光電管1組で測れるでしょう。11000組あれば、位置、光の分布方向が観察可能だろうと思うのですが、実際には何をどのくらいの精度で測ったのでしょう。 ニュートリノの測定に足りる装置だったか疑問です。50cm径の光電増倍管の信号立ち上がりは10マイクロセコンド、信号線の平均配線長1キロメートル、ナノセコンドの同時性校正の有効期間半日とみこんでいるのですが、実際どのくらいでしょう。それらを実験は評価されているでしょうか。校正周期は何か月に何度でしょうか。各光電管に対して電圧と反応速度は校正されているでしょうか。光電子増倍管は液体窒素の冷却装置がないと熱からのホワイト雑音だらけですが対策はどうしたのでしょうか。 たとえば信号の同時着信を測るにあたっては、0.01ナノセコンド(10ピコセコンド)より短い時間分解能が必要かと思います。それを上記の電気性能ではとても満たせないのでカミオカンデの発表値は誤測定と思います。 現状で一番早い自然現象は静電気の放電です。1nsの時間で10kVの10%から90%まで立ち上がるが、人工発生源の信号では1メートルの信号線の長さで5Vの90%まで立ちあがるのに7ns、最高でも2Vの10%から90%までを10ピコセコンドで、普通なら35ピコセコンドで達成するのがやっとというのが、観察の最高実力のはずです。 光がどちらに向いて走ったかを知るには、受光部の特殊な指向性や、11000組の同時性が確認できないと性能を満たさないでしょう。それらの性能が欠けた装置では測定を達成できないのです。その時刻に宇宙でニュートリノ爆発があったからといって、その時刻付近のホワイトノイズにすぎないデータの恐れが強くあります。 というわけでどこにもその確認が見つけられず、大きな疑いを持っています。カミオカンデには莫大な費用をかけ、優秀な人材を投入したようですが、もしやアンデルセンのおとぎ話に聞いた透明な洋服を着た裸の王様の民衆心理が世界中を支配してはいませんか。
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#4です >ところがカミオカンデの光電管の話、信号線の話、ニュートリノの判断の方法について情報がありません。 修士論文、博士論文のテーマとしては非常にポピュラーな物ですから、 前にも書きましたが、インターネット上だけでも数多くの論文が公開されています。 事実上、専門外から情報を得るのは、公開された論文を読むほかありません。 > そうであってほしいです。光子1個に反応する光電管が1本1対1で、1000本反応で来てほしいです。聞くところによれば、ニュートリノは稀にしか届かず、そして届いてもまれな反応となれば、全く反応しないことの方が多いでしょうね。そして12個の信号だけが1回同時に届いたという話で聴いてます。 > そしてニュートリノがカミオカンデの円筒の中をとおるなんて、おかしいくらい虫の良すぎる話です。 まず、ここで誤解があります。 ニュートリノ自体は、珍しい素粒子ではありません。 太陽というニュートリノ源からは、 地球上のどこでも毎秒数十兆個/1平方メートルくらいは届いています。 ですが、そのうち、カミオカンデ内で検出できるのは、 一日辺り僅か数個だったと記憶してます。 それほど、反応しにくく、検出しにくい粒子だと言うことを、 まず認識してください。 ですので、 >なぜならニュートリノは槽の中に入ってからあちらこちらでリングにならない発光も起こしているので、 一つのニュートリノが槽内であちこち2回以上も反応することなど、 まず考えられないので、あり得ないと書きました。 > カミオカンデでは楕円や真円が槽の中に楕円の全体が収まって現れるのが望ましい姿なのでしょう。でも望ましい測定をするためには円の直径がカミオカンデの径よりも小さくなくてはならないのです。しかしながら最大の円でもカミオカンデの径を超えることができず、そして同軸同心でないと最大は達成できません。望ましい測定はかなり難しいと分かります。 円でもカミオカンデの径より大きいと、投影形状はすべてが見えるとは限りません。放物線、双曲線なら、その一部しか見えないでしょうから発光原点を計算するのも難しい話です。 当然、綺麗な真円や楕円になることは少ないでしょう。 反応点から見て、水槽の壁は平面ではありませんし。 円筒状の容器の上蓋や下蓋の部分にかかることもあるでしょう。 しかし、形状が崩れたと言っても、リングは構成できますよ。 各PMTへのチェレンコフ光の到達時間差を測定してるのは、そのためですし。 その時間差から、反応点は割り出せます。 チェレンコフ光の放射される角度は決まっているので、反応点が決まれば、 円錐は構成できます。 そして、槽内で反応している以上、 リングの一部しか見えないことはありません。 壁際に近いところで反応した場合は、情報不足になるため、 イベントとして勘定されません。 > 学生時分卒論のためにNHKの砧にある技術研究所の撮像管班におりました。まさに光電子増倍管の世界最先端における、その研究場所の人間ですからよく知ってます。 ただし多数の光子、明るい光線の時と違う、たった1個の光子ではちょっと考えを深め哲学をしなくてはならないのです。 >回答者様は宇宙遊泳の記念写真をご覧になったことがありますか。背景の宇宙が真っ暗です。なぜ暗いのでしょうか。そう塵が空気中の密度ほど浮いていないから乱反射がない。正解です。ただし完全な正解ではなく欠けています。 わずかな塵は存在しカメラの感光面に達したはずですが、背景の宇宙部分は真っ暗です。それは多分光軸が感光面に傾いたから真っ暗なままなのです。 正面からの光しか反応しないという根拠はこれでしたか・・ 宇宙空間の真空度をご存じですか? 1立方メーターの分子数が、片手で数えられる程度しかないところで、 いかほどの光子が散乱されるのか。 そういう研究所にいたと言うんであれば PMTの量子効率はご存じでしょうね、1個の入射光子に対する応答もしかり。 光電面は、斜めから入射した方が効率が良い事も、ご存じですよね。 データシートにも載っている基本的なパラメーターなので、 問題があると、当然カミオカンデに限らず、数え切れない実験にも影響します。 当然重要な量なので、多くは実験中でも測定し校正する量ですが。 世界最先端の研究所にいたという人間が、 今までの常識が間違っていると言っているわけですが、 その根拠が、宇宙遊泳の思考実験ですか? >>半導体を用いた素子ではないので、ほぼ冷却する必要はありません。 > 半導体を用いても、用いなくても熱雑音は絶対零度でない限り発生します。そして光電子増倍管の受光面は塗面の場合もあり得ますが、物理的にはアインシュタインの光電子理論による受光信号なので、半導体と同じに金属で最外殻電子が帰属原子内のエネルギー準位間をジャンプしています。物理学者様なら間違っちゃまずいです。全くの間違いで残念です。 ほぼと書いたのは、 一部の赤外領域などの低エネルギー測定用では冷却される事があるからです。 ですが、可視光、紫外光を見るような実験では、まず常温で問題ありません。 熱電子起因の暗電流は確かにありますが、シグナルの大きさに対して、 充分小さなものです。 わざわざ手間をかけて、冷却する意味がありません。 >>>光電子増倍管は真空管の一種です。アクリルだと真空が維持できないでしょうね。 > ガラス製真空管の光電子増倍管1本をアクリル製耐圧容器の中にスッポリ入れて欲しいという意味です。 失礼、これは誤読していました。 事故で多数のPMTを壊した反省で、今はアクリルやFRPのカバーを被せています。 >>何に由来するノイズかが問題です。この場合は、外部から放射線が入射してノイズになるのを防いでいます。外部から来た放射線は、外向きのPMTで検出しておいて、それに由来する信号を区別して、取り除くためですね。 > できないと理解できないようですね。1秒間の中に100万個の事象がランダムな間隔、ランダムな大きさで発生するのが雑音です。積分時間から得た平均という統計の数学が中心極限定理という原理の中で働くから意味があるのですが、そういう平均は外部の岩石が由来なら有効な取り除き方です。 電気回路でのノイズとは違いますよ。 雑音という言葉をそのまま使ったのが、悪かったのですかね。 宇宙線のミューオン起因。水中の不純物の放射線。壁から、岩からの放射線などなど。 実験におけるノイズの原因は分かっています。 一日でのニュートリノイベントが数カウントです。 対して、それ以外のイベントは、一秒で、数カウントあります。 要するに、信号のほぼ全てはノイズな訳です。 この信号はミューオン、これは不純物からのγ線。岩から来た放射線。等と、 信号が何に起因する物か判別して、タグ付けしていかないことには ニュートリノの信号は取り出せません。 外向きの検出器は、外部から入射する放射線の判定に有効ということです。 >>出力シグナルは、回路系までは、アナログ信号として送られるので、減衰こそしても、100m程度はそう問題にはなりません。 > 減衰など私の意見に申した覚えはありません。11000本の信号がサブナノセコンドの時刻一致、同時刻でそれよりも数ケタ速く記録が残されるのが大事です。交流でいえばTHzオーダのサンプリングで記録される必要があります。 なぜ、ピコセコンドに拘っていたか分かったような気がします。 全データをデジタルでサンプリングすると思われているのでしょう。 出力波形をそのまま保存していると思いましたか。 また、連続的にデータをサンプリングし続けると考えたましたか。 それならば、確かにナノセカンドでは、足りないでしょう。 放射線は確率事象であり、イベントのない時間まで、 連続的にサンプリングするのは、無駄が大きすぎ無意味です。 イベントが発生した時点で、その情報、つまり時間情報、エネルギー、位置情報などを セットとして記憶することで、事象は再構成できます。 今の場合、極論すれば、チェレンコフ光のイベントを構成するのに、 ひとつのPMTから必要な情報は、光った時刻のみです。 あるとき、一帯のPMTアレイが光りました。 その間に光ったPMTを抜き出します。 これが解析が必要なPMT達です。 次に一番早く信号を出したPMTを探します。 それが、通常は、反応点から最近接のPMTです。 後は、各PMTに着いた時間差に対応するようなチェレンコフ光の円錐を想定することで、 イベントが構成できます。 当然ながら、水槽の形状による補正は必要ですがね。 さて、イベントのレートは多くて10Hz位。 運良く数多くのPMTが光って100個くらいからデータを拾うとして、 データを2バイトとしても、毎秒 2K 位のデータ量でしょうか。 もちろん、実際には多くのデータを取得してますが、 簡単な流れはそういった感じです。 つぎに、必要な時間分解能を見積もると、 壁から2m離れたところで反応したとして、真正面に行けば、 チェレンコフ光のリングの直径は4m位。光でも10ns以上かかります。 入射方向が10度傾いていたとして、両端のPMTの時間差は2nsくらいで、 PMTの時間分解能と同じくらいです。 実験自体が、nsの精度で設計されていて、またその速度で 行われることに問題はないでしょう。
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他の回答者様の回答を、自信満々で否定されていますが・・・ 物理的な事に対しては知識不足で、とんだ思い込みをされてるように感じます。 何点か、目についたところですが。 まず、ニュートリノについて。 特にチェレンコフ光についてですが、 ニュートリノが直接に発光出来るのではなく、ニュートリノが電子と衝突し、 弾かれた電子の移動する方向に円錐状にチェレンコフ光がでます。 そしてその光子数は、数千個程度です。 ちなみに100Wの電球からの光子数が10^18個位です。 きわめて微量の発光であって、カミオカンデ全体が光るような事はありません。 カミオカンデ内の一部で発光し、それを検出するPMTも一部です。 当然、同時刻に別の場所で発光しても、独立に測定できるようになっています。 チェレンコフ光が円錐状に放射されるため、壁際に並んでいるPMTアレイでは、 円錐を平面で切り取った形で、円、楕円として検出されるわけです。 反応したPMTを抜き出すと、リング上になってるわけですね。 そのPMTの位置の情報も、重要なわけです。 CCDを使ったデジカメみたいに、全体で一つのアッセンブリとして、 一つのイベントを全体で検出しているように思われてるかも知れませんが、 そうではなく、カミオカンデの水槽の周りを独立な1万個以上のカメラで 囲んでいるイメージの方が正しいと思われます。 また、 >なぜならニュートリノは槽の中に入ってからあちらこちらでリングにならない発光も起こしているので、 も、まず考えられません。 ニュートリノの特徴は、その捉えられにくさ。 ニュートリノを確実に捕まえるためには、 なんと、銀河系くらいの大きさのカミオカンデが必要になります。 次に光電子増倍管についてです。 PMTは、光電効果で発生した電子を、 高電圧による電子雪崩で増幅するだけの単純な原理の装置です。 半導体を用いた素子ではないので、ほぼ冷却する必要はありません。 また光電面に光子が入射すればいいので、 必ずしも正面から光りが来る必要はありません。 原理上、全くの闇の中、光子が入射した時にシグナルを出す物で、 逆に光りが少しでもあるような状態では使えません。 出力シグナルは、回路系までは、アナログ信号として送られるので、 減衰こそしても、100m程度はそう問題にはなりません。 あと、個別にすぐ分かることについての返答ですが、 > 10m水柱が1気圧なので4気圧に耐えるのですね。割れちゃったけど。高額器材なので深海用のアクリルボールセルやガラスボール内に入れるべきでしたね。そうすると見てくれこけおどしの圧倒感が減っちゃうかな。耐50m水深の腕時計は珍しくないけど。 光電子増倍管は真空管の一種です。アクリルだと真空が維持できないでしょうね。 >>ついでに、回りの岩石から出る放射線をキャンセル(?)するために、これまた多数のPMTが水槽の外側を向いて設置されています。 >平均雑音ならば引き算でキャンセルできますが、ニュートリノは早い現象ですから、平均雑音では効果が期待できません。熱雑音以上の速さの増減振動がある信号に対しては無力です。 何に由来するノイズかが問題です。 この場合は、外部から放射線が入射してノイズになるのを防いでいます。 外部から来た放射線は、外向きのPMTで検出しておいて、 それに由来する信号を区別して、取り除くためですね。 「カミオカンデ、校正」辺りで検索すると、インターネット上だけでも、 多くの論文が見つかります。 検出器系の校正も大きなテーマとして、大勢が取り組んでいると言うことですね。 修論、卒論などは、日本語で書かれているので、一度目を通すことをおすすめします。 専門だけあって、学生さんと言っても、私などより余程詳しく書かれているので。
お礼
>弾かれた電子の移動する方向に円錐状にチェレンコフ光がでます。そしてその光子数は、数千個程度です。 チェレンコフ光は円錐の底辺上に光点を数千個作るわけです。そして光電増幅管はたった1個の光子でも電圧雪崩効果で百万倍以上に増幅できる装置です。 もしニュートリノがチェレンコフ光を発生すれば、光の環がカミオカンデの壁に投影されます。輪が楕円なら、円に計算で補正し、円の中心軸上のどこかにニュートリノの源があります。 ところが雑音が含まれていればチェレンコフ光の輪と誤解を生じます。 雑音とチェレンコフ光を弁別し雑音を切り分けねばなりません。そのために光電増幅管からの信号には同報同時刻の性質がないと弁別することができません。弁別できない性能不足の装置がカミオカンデです。 光電増幅管は照度によって性能が大きく左右されます。カミオカンデは暗室なので照度0で光信号が受け取られても、電気信号を発するまでに遅れ時間が明るい照度に比べて数ミリ秒遅れます。同時性を光電増幅器にはそれぞれかってな数ミリ秒まで達する遅れの中に得られません。 また数ナノ秒の遅れ以内にするために通信ケーブルにも高性能が必要です。それは30cmよりも長い同軸ケーブル得られない高性能です。 カミオカンデは直径や円周、高さがそれぞれ30センチメートルより大きいので高性能を得られません。 光電増倍管は低温でないと暗電流という雑音が増加します。これもカミオカンデがニュートリノを観測できない理由です。 そのどれもカミオカンデは克服してはいません。
補足
ご回答ありがとうございます。 私は物理学者ではありません。そしてカミオカンデの内容を知りません。情報収集が必要です。 ところがカミオカンデの光電管の話、信号線の話、ニュートリノの判断の方法について情報がありません。そこでまずお訊ねする必要があります。どうもその周辺の話題がないとすれば、吟味が抜けているようで心配です。一応私は高周波信号については高額高級機を自由にしていた測定技術者として実務面で経験があるのでそちらの方面から吟味したいと思います。その部分は自信あります。 >特にチェレンコフ光についてですが、・・電子の移動する方向に円錐状にチェレンコフ光がでます。そしてその光子数は、数千個程度です。ちなみに100Wの電球からの光子数が10^18個位です。 聴いてためになるお話です。ありがとうございます。 >きわめて微量の発光であって、カミオカンデ全体が光るような事はありません。カミオカンデ内の一部で発光し、それを検出するPMTも一部です。当然、同時刻に別の場所で発光しても、独立に測定できるようになっています。 そうであってほしいです。光子1個に反応する光電管が1本1対1で、1000本反応で来てほしいです。聞くところによれば、ニュートリノは稀にしか届かず、そして届いてもまれな反応となれば、全く反応しないことの方が多いでしょうね。そして12個の信号だけが1回同時に届いたという話で聴いてます。 >チェレンコフ光が円錐状に放射されるため、壁際に並んでいるPMTアレイでは、円錐を平面で切り取った形で、円、楕円として検出されるわけです。反応したPMTを抜き出すと、リング上になってるわけですね。そのPMTの位置の情報も、重要なわけです。 そのとおりです。後段にそのことについて私も述べてみます。 >CCDを使ったデ・・の方が正しいと思われます。 ccdの中身は光電管1本と同じに光を受けては明暗を区別する機能を持った半導体受光単位素子がカミオカンデの底面に広がったPMTアレ-の碁盤の目のように碁盤目に広がった面があり、そういう平面がIC(集積半導体)の中にあります。したがってカミオカンデがおっしゃる構造ならおっしゃる結論と逆にccdとおなじです。あげあし取ったと怒らないでください。 ただしカミオカンデでは単なる平面に並ぶccdと異なる形状、すなわち筒の内面に受光単位の粒が並んでいるといえます。おおよそ承服できます。 >>また、 >なぜならニュートリノは槽の中に入ってからあちらこちらでリングにならない発光も起こしているので、 >>も、まず考えられません。 おかしなことをおっしゃいますね。先ほど切り取り面の形状を仰ったじゃありませんか。 物理屋さんが得意な形状に時空空間の光円錐という形状があります。それで円錐曲線についてはお詳しいかと思います。その形を思い浮かべてください。 円錐曲線は平面で円錐体を任意の位置と方向で切り抜くと、円錐の断面(辺曲線)に現れる形です。双曲線、放物線、楕円、真円が現れます。カミオカンデの受光位置はそういう形状がカミオカンデの円筒水槽に投影されます。 カミオカンデでは楕円や真円が槽の中に楕円の全体が収まって現れるのが望ましい姿なのでしょう。でも望ましい測定をするためには円の直径がカミオカンデの径よりも小さくなくてはならないのです。しかしながら最大の円でもカミオカンデの径を超えることができず、そして同軸同心でないと最大は達成できません。望ましい測定はかなり難しいと分かります。 円でもカミオカンデの径より大きいと、投影形状はすべてが見えるとは限りません。放物線、双曲線なら、その一部しか見えないでしょうから発光原点を計算するのも難しい話です。 注意すべきサイズ比が抜け落ちているのです。 ところで光は1秒で30万キロメートル走ります。水の中は遅くなりますが、1mを3nsで通り抜けると考えるべきでしょう。カミオカンデの水槽内に沈められる最長直線xが100メートルとしてみましょう。 ニュートリノは光速と同じ速さで進行する粒子ならば、100メートルを300nsで通り抜けてしまいます。カミオカンデのなかで反応してくれるでしょうか。わずかな時間のワンチャンスです。それが、たった日本の中の小さなカミオカンデの容積のなかで、深海中にも見つからない光、人類30億人の両の眼玉にも見えたことのない光が発光してくれると考えるなんて虫のよすぎる話です。発光原点が槽の上面にも中にも下面にもないでしょう。 そしてニュートリノがカミオカンデの円筒の中をとおるなんて、おかしいくらい虫の良すぎる話です。 >ニュートリノの特徴は、その捉えられにくさ。ニュートリノを確実に捕まえるためには、なんと、銀河系くらいの大きさのカミオカンデが必要になります。 私はそう思いますが、もし回答者がそう思っていらっしゃるなら私と同じ意見です。なのになぜ意見が違うのやら >次に光電子増倍管についてです。PMTは、光電効果で発生した電子を、高電圧による電子雪崩で増幅するだけの単純な原理の装置です。 学生時分卒論のためにNHKの砧にある技術研究所の撮像管班におりました。まさに光電子増倍管の世界最先端における、その研究場所の人間ですからよく知ってます。 ただし多数の光子、明るい光線の時と違う、たった1個の光子ではちょっと考えを深め哲学をしなくてはならないのです。 回答者様は宇宙遊泳の記念写真をご覧になったことがありますか。背景の宇宙が真っ暗です。なぜ暗いのでしょうか。そう塵が空気中の密度ほど浮いていないから乱反射がない。正解です。ただし完全な正解ではなく欠けています。 わずかな塵は存在しカメラの感光面に達したはずですが、背景の宇宙部分は真っ暗です。それは多分光軸が感光面に傾いたから真っ暗なままなのです。 なによりも背景の宇宙には、太陽光線が大量に横切っておりますが、全く見えず写真には写らないのです。このことから推量すると光子の進行する直線上に完全に直交する感光面を有していないと、全く映らないという事です。もしかすると、完全に直交する感光面以外に直交する光子の衝突断面積を得られないのです。 したがって光子が1000個あっても、もしかするとただの1個の光電子増倍管も反応しない可能性があります。光子が量子であると、光子が波動でないのでそういう結果になりますっここまで来て波動だとは言わないでくださいね。アインシュタインの光電子説をアインシュタインは波動説だとは言わないですから。 >半導体を用いた素子ではないので、ほぼ冷却する必要はありません。 半導体を用いても、用いなくても熱雑音は絶対零度でない限り発生します。そして光電子増倍管の受光面は塗面の場合もあり得ますが、物理的にはアインシュタインの光電子理論による受光信号なので、半導体と同じに金属で最外殻電子が帰属原子内のエネルギー準位間をジャンプしています。 >出力シグナルは、回路系までは、アナログ信号として送られるので、減衰こそしても、100m程度はそう問題にはなりません。 減衰など私の意見に申した覚えはありません。11000本の信号がサブナノセコンドの時刻一致、同時刻でそれよりも数ケタ速く記録が残されるのが大事です。交流でいえばTHzオーダのサンプリングで記録される必要があります。 > ・・高額器材なので深海用のアクリルボールセルやガラスボール内に入れるべきでしたね。・・ >>光電子増倍管は真空管の一種です。アクリルだと真空が維持できないでしょうね。 ガラス製真空管の光電子増倍管1本をアクリル製耐圧容器の中にスッポリ入れて欲しいという意味です。ああ私が真空管時代の研究者だと知らなかったのね。 >>>ついでに、回りの岩石から出る放射線をキャンセル(?)するために、これまた多数のPMTが水槽の外側を向いて設置されています。 >>平均雑音ならば引き算でキャンセルできますが、ニュートリノは早い現象ですから、平均雑音では効果が期待できません。熱雑音以上の速さの増減振動がある信号に対しては無力です。 >何に由来するノイズかが問題です。この場合は、外部から放射線が入射してノイズになるのを防いでいます。外部から来た放射線は、外向きのPMTで検出しておいて、それに由来する信号を区別して、取り除くためですね。 できないと理解できないようですね。1秒間の中に100万個の事象がランダムな間隔、ランダムな大きさで発生するのが雑音です。積分時間から得た平均という統計の数学が中心極限定理という原理の中で働くから意味があるのですが、そういう平均は外部の岩石が由来なら有効な取り除き方です。 しかしニュートリノのような単発、100万分の1秒に1発単独に起きるだけという現象には効果なく取り除けません。裸の原信号自身をよく観察するしかありません。 >多くの論文が見つかります。 噛み砕かれた内容がほしくて、この場に尋ねておりますので温かくご対応をお願いします。
- tance
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みなさんのおっしゃるように、素人が簡単に指摘できるようなレベルの問題は残っていないと思います。 ・・・と言っても回答にはならないので、ざっと性能を見積もってみます。(私も素人ですが・・) まず、時間分解能は10psなんていう高分解能は要りません。チェレンコフ光が出るとPMTアレーにはリング状に光が受光されます。チェレンコフ光は粒子が水中にいる時間だけ出ます。直径約40mですから概略200nsecの光パルスです。これは立ち上がり時間20nsecで反応すれば十分な時間であり、PMTから伝送路を含めて周波数帯域は18MHzもあれば足ります。これは地デジのアンテナ線より一桁楽な周波数帯域です。 また、ノイズに埋もれていても、「輪」を検出するのが目的ですから、記録した信号をデジタル処理して、所定の特徴を持った信号だけを抽出することもできます。 結局、masabanさんの見積もった必要性能はかなりオーバースペックであり、また現実の信号伝送や処理は質問に書かれているより高速でできます。オシロスコープの帯域は100GHzのものが売られているし、車の衝突防止レーダーでは60GHzの信号を操作しています。そして、デジタル処理により、ノイズ中から所望の信号を抽出する技術も発達してるので、ニュートリノの検出は十分に実現可能と言えるでしょう。 それより、PMTが水深40mの水圧に耐えることの方が驚きです。 ついでに、回りの岩石から出る放射線をキャンセル(?)するために、これまた多数のPMTが水槽の外側を向いて設置されています。(こちらの画像は見たことがありませんが)水槽内の光の反射防止技術なども、地味ですが大変な高レベルのものです。 しかし、観測の時間分解能や信号のS/N比、デジタル処理のアルゴリズムなど、興味深いものばかりですね。
お礼
計算も加えてありがとうございました。説明で欠きましたが、お椀のなかにすっぽり入る堤防はチェレンコフ光のリングです。堤防が小さくてすっぽり入ればお椀をハスに被せてもリングでしょう。そういう都合の良いリングもあり得ます。 箱型の槽なら受光面は平面かもしれません。それでもお椀の姿を平面とみれば、チェレンコフ光、リングの2句で検索した画像に見つけられるリング像でもあります。同じ推論で結果を求められます。それでもだめなんです。 なぜならニュートリノは槽の中に入ってからあちらこちらでリングにならない発光も起こしているので、その発光自身がリングを隠す雑音になってしまうのです。もしかすると槽の外でも反応して、その原点から発光を始めているでしょうね。200nsひかり続けて40mの空間を照らし続けては、自身が判定の雑音となります。自身が雑音となっては区別不能です。 さらに熱雑音も光電管にはつきものですから、ニュートリノの信号を濾しわけるのは不可能です。 リング全面の面積が光子1個では照らし切れるはずがありませんが、ニュートリノがいくつか光子を発するとしてもそれらが作るリングは、リングとして感知できず、その広がりはカメラの低速シャッターで雨粒の降るのを撮ったように画面を遮るただの線状雑音の集団にしかなりません。
補足
見積もりの回答をくださりありがとうございます。参考にします。 そして、 >「輪」を検出する・・ とありました、このように光電管で何を測ったか、どのような光の現象を測ろうとしたかも、興味があり知りたいところです。またよろしくお願いします。 参考になるお見積もりを下さってありがたいです。教えられた立場で生意気ですが、ご回答に意見感想を逐一つけます。 >チェレンコフ光が出るとPMTアレーにはリング状に光が受光されます。 リングなんですか教えてくださってありがとう。リングは全体が光るのですか。相当多数の光子が発生するのですね。光る確率が高い部分としてリング形状となるかもしれないですね。 もっと大事な疑問があります。リングは常にカミオカンデの円筒槽に同心でしょうか。ふしぎです。高度な物理知識が権威を後押しして、権威が作った建前に都合よく我田引水に考えていないでしょうか。 ニュートリノは地球のどこでも貫くし観察可能事象は少ない密度なので、槽の心を外れて当然端っこに傾いてリングの輪環が作られます。 するとリングの中心軸が槽の同軸同心でない、中心軸が槽の同軸同心でないことからPMT(ホトマルチプライアチューブ光電増幅管)アレーに光の輪をまず描きません。 もしたくさんニュートリノがカミオカンデに届いても、うんと少なく届いてもどちらにしても輪など描かないのです。届いたニュートリノは輪を描かぬが多数派です。 チェレンコフ光が沢山生まれる現象であったとしても、確率的に輪を描く理想的な現象は10の-40乗ほどではないでしょうか。輪の受光をニュートリノ到来の判定基準にしたら、実験は前提から失敗に違いありません。 まだ理解に達せず分からないかもしれないので、そのモデルを砂場のままごと砂遊びに例えてみます。お椀で砂山を切り取って遊んだことがあります。切り取り面に注目してみましょう。 今度は砂で大きな輪状の堤防を作ってみてください。小さいのもいろいろなサイズで作ってみましょう。さっきのお椀でその堤防をあっちこっち切り出してみましょう。お椀が切り取った堤防の面にはいろんな形ができます。 砂の堤防はリングに相当します。お椀はカミオカンデの水槽に相当します。したがってお椀の切り出し(残し)面が、ニュートリノが作ったPMTアレーの受光部分の形状です。たいてい形状はリングにならないでしょう。 今お椀が切った堤防の遊びはリングの一部がカミオカンデ円筒槽の軸に平行な進行方向だけのニュートリノがつくった光面の形です。ニュートリノが天頂から鉛直に届いた場合だけを模擬しました。 つねにニュートリノは天頂から鉛直に届くのではないのです。必ず槽の軸に対して光軸も傾きます。したがって砂遊びよりもっとPMTアレーにリングを描くのは難しいのです。 >チェレンコフ光は粒子が水中にいる時間だけ出ます。 そうでしょうか。原発の核燃料プールでも衝突確率はかなり小さくて、ほとんど光らないのではないですか。ニュートリノは衝突確率、存在確率、反応確率が低いから地球を通り抜けるのでした。このニュートリノだけいつもの話と違うのですか。 >直径約40mですから概略200nsecの光パルスです。これは立ち上がり時間20nsecで反応すれば十分な時間であり、PMTから伝送路を含めて周波数帯域は18MHzもあれば足ります。 計算は合っていると思います。しかしなんです。PMTアレー11000個は何のための存在でしょう。受光光を減衰させない透明な水であれば、槽内面を鏡にしておけば、小さなPMTたった1個で働く性能ではありませんか。無損失のかがみで光電管を働かせるのは普通の受光技術です。たった一個の汎用品で十分です。 いったいPMTアレーは何のための存在でしょう。おかしいでしょう。大げさな見てくれで圧倒しようという魂胆かな。 >また、ノイズに埋もれていても、「輪」を検出するのが目的ですから、記録した信号をデジタル処理して、所定の特徴を持った信号だけを抽出することもできます。 砂遊びのとおり、リングのような受光分布面の特徴などなく、検出不可能です。 > 結局・・必要性能はかなりオーバースペック・・ とはならない証明が今成り立ちましたが、どうします。 >また現実の信号伝送や処理は質問に書かれているより高速でできます。オシロスコープの帯域は100GHzのものが売られているし、車の衝突防止レーダーでは60GHzの信号を操作しています。 交流、すなわちコヒーレント波に対しては帯域100GHzが汎用品に20万円台でおっしゃる通り現状の市場に流通しています。レーダーは詳しくないけれど、そういう単機能のでなく、20GHz用の汎用測定器のHP8510Cという装置を私は使っていたことがあります。たぶん国内の所有者名簿は簡単に作れるほど希少器材ですが、技術の壁が驚くほどすごい高さでした。これらはほぼインパルス電波が使われても回路内ではコヒーレント波信号で組み立てられた道具です。 さらにコヒーレント波よりもインパルス技術はむずかしく、決して「現実の信号伝送や処理は質問に書かれているより高速でできます」とはなりません。 >抽出する技術も発達してるので、ニュートリノの検出は十分に実現可能と言えるでしょう。 再度いいますが以上の説明に証明したように不可能です。 >PMTが水深40mの水圧に耐えることの方が驚きです。 10m水柱が1気圧なので4気圧に耐えるのですね。割れちゃったけど。高額器材なので深海用のアクリルボールセルやガラスボール内に入れるべきでしたね。そうすると見てくれこけおどしの圧倒感が減っちゃうかな。耐50m水深の腕時計は珍しくないけど。 >ついでに、回りの岩石から出る放射線をキャンセル(?)するために、これまた多数のPMTが水槽の外側を向いて設置されています。 平均雑音ならば引き算でキャンセルできますが、ニュートリノは早い現象ですから、平均雑音では効果が期待できません。熱雑音以上の速さの増減振動がある信号に対しては無力です。 >水槽内の光の反射防止技術なども、地味ですが大変な高レベルのものです。 11000本の能力を無駄に20nsという時間分解能、すなわち40mの空間分解能というほどのたったPMT1本分の能力しか使わぬ設計では逆に鏡のような全反射が必要なのです。したがってこけおどしです。 >観測の時間分解能や信号のS/N比、デジタル処理のアルゴリズムなど、興味深いものばかりですね。 私もそう感じるのでお知らせください。
- imoriimori
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全面的に#1様のご回答に同意ですが、ちょっと付言します。 一般人が心配するほどのことは、全てクリアしていると考えてよいように思います。 理由その1:一般論ですが、論文にする段階で、怪しげな点があれば査読者・編集者から「キチンと説明せよ、妥当性の裏付けを示せ」等々のいちゃもんがつきます。専門家が信頼できない測定であると考えるなら、信頼できる測定であることをちゃんと示さない限り、ボツです。 (STAP細胞の論文のようなケースは例外的なものです。そして、そのSTAP論文も結局はいろんな人から問題指摘を受けることになりました。注目された発見とか論文については、おかしいことはキチンとした指摘が他の専門家から来るものです。) 理由その2: 個別問題について。私も素人ですからご指摘の詳細は理解しかねます。それでも、ご指摘の多くは懸念に及ばないものと感じられます。たとえば「50cm径の光電増倍管の信号立ち上がりは10マイクロセコンド、信号線の平均配線長1キロメートル、ナノセコンドの同時性校正の有効期間半日とみこんでいるのですが、実際どのくらいでしょう。それらを実験は評価されているでしょうか。校正周期は何か月に何度でしょうか。各光電管に対して電圧と反応速度は校正されているでしょうか。光電子増倍管は液体窒素の冷却装置がないと熱からのホワイト雑音だらけですが対策はどうしたのでしょうか。」について。ニュートリノの計測の詳細は知りませんが、PETでは光電子増倍管を使って同時計測をしているので、PETを例にしましょう。 1ns以下の精度での同時計測は当たり前の技術です。信号立ち上がりは1ns以下であり、光電子増倍管の立ち上がりが寸法に大きく依存することはありません(10psくらいになると別でしょうが)。信号線の平均配線長1キロメートルとはどこからどこまでの長さを言われているのかわかりませんが、適切な信号伝送路を使えば立ち上がり時間と伝送路長さは無関係です。ぼろい信号伝送路ならば無関係とは言えないでしょうが、それでも光電子増倍管の直近にプリアンプを置けばよいだけの話です。伝送路やプリアンプや光電子増倍管の応答速度を全部こみにして同時計測の校正はします。しかし、毎日校正するようなものではなく、ましてや有効期間半日なんてことはありません。装置をいじくらない限り何か月でも校正しないままでちゃんとPETは動作します。そして、液体窒素の冷却など必要としません。 民生用のPETですらこうですから、多数の専門家が参加した(スーパー)カミオカンデのような気合の入った施設でこんなことはお茶の子の話と考えて自然ではないでしょうか。お茶の子でないとしても、それならそれで多数の研究者の注視する部分になりますから、手抜きやごまかしはバレバレでしょう。 もう一点。 「信号の同時着信を測るにあたっては、0.01ナノセコンド(10ピコセコンド)より短い時間分解能が必要」というのはどこから来たものかはわかりませんが、ニュートリノ観測にあたって10psが必要であるとすれば、たしかにこれはかなり難しい技術レベルに入るように感じます。それでも、そういう問題を回避するような仕事をしている、そういう技術がある、そう信じます。そこをごまかしたままで大規模な仕事を長期間続けられるわけがない、多少とも研究開発の世界に身を置いた人間としてそう確信しています。
お礼
回答ご参加くださりありがとうございます。またどんどん付け加えて教えていただけるとありがたいです。
補足
ご回答ありがとうございます >PETでは・・ 1ns以下の精度での同時計測は当たり前の技術です。信号立ち上がりは1ns以下であり、光電子増倍管の立ち上がりが寸法に大きく依存することはありません 受光素子の性能に光が届いてから電気信号を発生する立ち上がり速度1nsはあり得ます。 しかし指標値は半導体単体であって、システムの立ち上がりが1nsということはあり得ません。 たぶんカミオカンデはシステムでその性能が大事です。 一般に立ち上がりはステップ信号や矩形波信号と、トランジスタや、高速センサー、受光素子という、半導体素子単体の性能を評価する数値です。 一般的に速度や位相について高性能といわれるシステムは1μs程度で、それを交流性能でいいかえればやっと上限がMHZ台の周波数帯域に達する性能です。MHzはたとえば中波ラジオ放送の高い周波数のはずれあたりです。FM放送やアナログテレビの帯域よりも低い。 1nsなら交流性能でいえば周波数の上限がおよそ1GHzです。が、この1GHz帯域の性能を満たしたICとは現在多用されている携帯電話の素子です。 この10年に民生用となったのですが、科学先端用にもまだ10年前にはGHzの測定器は100万円以上の高嶺の花でした。 携帯電話の中身のICはマイクロチップと呼ばれる素子寸法で短い電線で回路が構成されています。素子(信号路長)の寸法が有線信号伝達経路の上限帯域を制限するのでマイクロチップの大きさでないと1GHzの帯域に到達できないのです。 もしカミオカンデのシステムに記録装置までの間に有線接続があると、たとえ数メートルの距離であろうと1GHzの信号を伝えることはできません。システムの寸法に能力の壁があるのです。 光は1秒に真空中を約30万キロメートル進み、それを逆算すれば1メートル進むのに0.3nsかかるとわかります。水中はそれより遅いでしょうが、槽内で光子発生源の位置について分解能を1mにするためにはおよそ0.3nsの速度が必要です。それを11000本の記録から数個が同時に記録できないと光源の発生位置はわかりません。 まずPETは全く知りませんのでWEBで見てみました。{陽電子放出断層撮影) の略で、放射性薬剤を体内に取り込ませ、放出される放射線を特殊なカメラでとらえて画像化します。}と知ったばかりです。 しかし光電管は画像を捉えることはできず、面の平均照度を捉える性質があります。するとPETはカメラ画像で、画像を高い照度ならCCDなどでとらえるか、さらに暗い光からの感度を向上させるために、画像中の1画素だけを光電管でとらえ集めて、違う時点の集合からなる画素を集めた合成画像画像を作るかという2種の方式になるでしょう。 そして受光素子はシャッターが開いている間の光信号の積分値を信号として出す性質があります。もし1nsの立ち上がりならシャッター速度を速くして、流体でもブレの無い画像をとれる性能が高くなります。受光部の部分の性能では十分そのPETはよいようですね。 いかなる受光素子も、もし光源が暗いと、その照度での立ち上がりは性能表にくらべてかなり下回るでしょう。性能表は標準照度での立ち上がり時間なのです。そしてカミオカンデはたった一個の光もない、おもっきり暗い地の底です。 たった一粒の光子をたとえばカミオカンデの光電管は受光時にキャッチボールの球を真正面で受け止めるように、正面から出迎えなくてはならぬでしょう。 なぜなら光子は光子の運動線上にある受光器が直交面を持たないと受光できないからです。 たとえば宇宙の記念撮影で気が付くのですが、宇宙背景は真っ暗闇、なぜなら真空には反射物が少なく、宇宙のチリによる反射もカメラのレンズも光子の進路に正しく向いてないから背景が暗くなるのです。実は真っ暗な宇宙背景にも光子は横切っているのですが記念撮影の背景には写っていません。 11000個のなかに真正面から受ける光電管が運よくあるでしょうか。 >信号線の平均配線長1キロメートルとはどこからどこまでの長さを言われているのかわかりませんが、 理想信号電源から槽を巡って記録計にたどり着くまでの配線距離、到達時間ぶんを配線長と考えます。 >適切な信号伝送路を使えば立ち上がり時間と伝送路長さは無関係です。 立ち上がり時間は半導体素子単体等の能力で、システムの反応時間とは別個の性能です。 ゆえにたしかに伝送路長さではなく、無関係です。しかし伝送路長さは携帯電話の周波数特性でのブレークスルーがマイクロチップの寸法にあったように、カミオカンデでは時間分解能と立ち上がり速度が光源の位置分解能を決定しますので、重要ファクターです。 >光電子増倍管の直近にプリアンプを置けばよいだけの話です。 プリアンプには時間遅れが不安定に発生します。複数チャンネルオシロ(シンクロ)スコープのプローブでプリアンプが使われますが、あまりに不安定で高周波用のチャンネル間の同時性は校正しきれません。 >伝送路やプリアンプや光電子増倍管の応答速度を全部こみにして同時計測の校正はします。 おっしゃるように全部こみにして同時計測の校正をするべきです。 >毎日校正するようなものではなく、ましてや有効期間半日なんてことはありません。装置をいじくらない限り何か月でも校正しないままでちゃんとPETは動作します。 PETが壊れたりするわけではありません。画像もふつうに見えるでしょう。ただし早い運動を観察するなかで、限界性能で使用するときだけに校正の差が画像のブレに現れます。 >液体窒素の冷却など必要としません。 暗いところでも使われ、高感度な、小さい差分信号を正確に測る受光素子では、電子冷却もしくは液体窒素冷却が常識です。赤外線カメラはその事例です。もっとも現在ではヘルメットの上に載る冷却なしの低性能機も軍用や特殊用途にあります。 >民生用のPETですらこうですから・・気合の入った施設でこんなことはお茶の子の話と考えて自然ではないでしょうか。お茶の子でないとしても、それならそれで多数の研究者の注視する部分になりますから、手抜きやごまかしはバレバレでしょう。・・ニュートリノ観測にあたって10psが必要であるとすれば、たしかにこれはかなり難しい技術レベルに入るように感じます。それでも、そういう問題を回避するような仕事をしている、そういう技術がある、そう信じます。そこをごまかしたままで大規模な仕事を長期間続けられるわけがない、多少とも研究開発の世界に身を置いた人間としてそう確信しています だといいのですが、それなら私の心配もアンデルセンの童話の含蓄も失せるのです。
- shintaro-2
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>というわけでどこにもその確認が見つけられず、大きな疑いを持っています。 疑いを持つのは自由ですが、外野でどうこう言っても始まりません。 東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設に直接お尋ねになるか いろいろ論文が書かれていますので、 個々の論文や引用文献、あるいは著者に連絡を取り検証されては如何でしょうか? 例えば http://ci.nii.ac.jp/search?q=%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%87&range=0&count=20&sortorder=1&type=0
お礼
権威の塔で意見を自由に言えると良いのですが、日本は自由ではないようです。
補足
WEBのご案内ありがとうございます。WEBの場所は見てみたけど文献がたくさんあってどれのことやらわかりません。しかも有料です。絞って一つを指してはいただけませんか。専門書です。ここに外野の私の分かる程度に噛み砕いて私の疑問の一つ一つを溶かしてくださいませんか。 外野です。王様の裸を行列で見つけたのは、子供でした。大臣や観衆の大人たちではありません。 裸の王様の各登場人物やものがたりの題意と表現主題を論評した分析サイトにあるので面白いですね。アンデルセンの裸の王様には言外の含蓄が多く、人間の性が示されています。とさ しがらみがあったり、知識があったり、プライドがあったり、利益があったり、不利益を知っていると人間は正しい評価もできなくなり、対応の行動を忘れるそうです。
お礼
お礼じゃなくて質問者からさらに質問を補足します。 カミオカンデの槽を写真で見かけたことがあります。まるでブドウの房のように光電子増倍管PMTが並んで釣り下がり、ガラス魔法瓶の中を覗き込んだように光り輝いていました。 PMTが光り輝く面を作っています。カミオカンデは鏡に囲まれた鏡部屋です。よく遊園地にある迷路の鏡です。 それをみて鏡が並んだ万華鏡思い出しました。 したがって、カミオカンデの円筒水槽はPMTアレーを鏡とした万華鏡です。 万華鏡には必ず多角形が現れ、円に近い姿を見つけることができます。 また万華鏡の中の色粒は鏡面に反射して、映像なのか実体なのか区別できなくなります。 万華鏡の中で色粒と光の点は全く同じ現象の原因になり円に近い多角形を描きます。 すなわち幻の亡霊写真はいつもカミオカンデの中に多角形リングを描きます。 丸い亡霊のリングはいつも観察者のお好みの姿を見せてくれます。 それを防ぎ、だまされずに判断を正しくするために発光原点が同一、発光時点が同一、衝突量子の運動進行方向の同一な円錐曲線群が投影されたと判断できなければいけません。それがもし検出できれば、受光が同一のチェレンコフ現象から発生したことになります。そのチェレンコフ現象が、果たしてニュートリノ由来であるかは、それでもまだ確定できるわけでないのです。このために時間分解能、記録速度、位置分解能が必要なのは間違いないのです。
補足
ASIFT様 >ニュートリノ自体は、珍しい素粒子ではありません。・・そのうち、カミオカンデ内で検出できるのは、一日辺り僅か数個だったと記憶してます。 >それほど、反応しにくく、検出しにくい粒子だと言うことを、まず認識してください。 反応しにくく、検出しにくい粒子だとは私も賛同します。 >一つのニュートリノが槽内であちこち2回以上も反応することなど、まず考えられないので、あり得ないと書きました。 同じニュートリノが数度反応すると私はどこにも全く書いておりません。 ニュートリノがいくつのチェレンコフ光の発生をさせるかについても知らず、それも全く書いておりません。 なによりニュートリノが槽内をとおるとしても遥か認識できる宇宙の最遠端から発生したニュートリノがカミオカンデを通ると考えること自体、おかしなご都合ではないでしょうか。小さな桶の中で反応するのですか、 >当然、綺麗な真円や楕円になることは少ない・・しかし、形状が崩れたと言っても、リングは構成できますよ。 私はそう述べたつもりですが、読み切れませんか。 ただし同時に光っているリング部以外の信号は、すべてがリングの判定を邪魔する雑音光になるといったのです。リング1個が存在すると考えるのは都合の良い間違った判断です。 たとえば光の輪を見ればニュートリノ由来と考えるのは、暗闇に人影や亡霊の姿を見つけて怨念写真が見つかったと恐れるのと同じです。 >各PMTへのチェレンコフ光の到達時間差を測定してるのは、そのためですし。その時間差から、反応点は割り出せます。 その具体的値を私は知らないので、この質問をしています。具体的に明確にこどもの疑いを溶かすように教えてください。 >チェレンコフ光の放射される角度は決まっているので、反応点が決まれば、円錐は構成できます。 同意します。円錐体の疑いを私は一言もどこの文中にも述べたことがないのです。何か変な考えを偏って回答者はお持ちではないですか。 角度を知らないので、事実を明確に数値でなん度と教えてください。投影角でも立体角でもどちらの種類かもつけてください。 >そして、槽内で反応している以上、リングの一部しか見えないことはありません。 なんで槽内だけで反応していると言い切れるのですか。素人には分からないのでなんでそう都合がよいのか教えてください。どこでも突き抜けるのでしたね。反応しないのでしたね。どんな理由でこの矛盾を矛盾と受け止めぬことになるのか教えてください。 >壁際に近いところで反応した場合は、情報不足になるため、イベントとして勘定されません。 もちろんそうあるべきです。しかし受光が壁際とどうやって知るのですか。暗闇にお化けの姿を見つけるのは判断基準が揺らぐので、人それぞれでしたが、そういう判断基準が揺らいだ判定法ですか。それを教えてください。 私の知りたいことはそういう事です。 知らぬならどの回答も今後戴かなくて結構です。 >その根拠が、宇宙遊泳の思考実験ですか? そのとおりです。物理の基礎は、すべての可能性を疑問とし哲学をし、実験で確かめる。そういう学問のはずです。 わずかな光子に起きる反応を確かめるのがまず必要です。 >>半導体を用いた素子ではないので、ほぼ冷却する必要はありません。 >可視光、紫外光を見るような実験では、まず常温で問題ありません。熱電子起因の暗電流は確かにありますが、シグナルの大きさに対して、充分小さなものです。わざわざ手間をかけて、冷却する意味がありません。 いいえ。実測で確かめてこそのご意見です。実測値とニュートリノ信号との比を明確にしてください。 >> ガラス製真空管の光電子増倍管1本をアクリル製耐圧容器の中にスッポリ入れて欲しいという意味です。 >失礼、これは誤読していました。事故で多数のPMTを壊した反省で、今はアクリルやFRPのカバーを被せています。 もったいないからそうしてほしいです。アクリル球は最深海底に耐深が確認できた事例があります。踏んだり蹴ったりしても耐えるでしょう。 >>電気回路でのノイズとは違いますよ。雑音という言葉をそのまま使ったのが、悪かったのですかね。 私はシステムにとって目的外の信号全てを雑音と私は認識しています。 たとえばPMT光電子増倍管由来の電気雑音がひとつですが、それ以外にもニュートリノ由来の光と判定されない光の全ても雑音です。自然由来、人為由来、機能由来、それ以外が原因でもニュートリノ発見、判定の邪魔になる信号の全てです。 周囲の岩盤から発生する自然由来の放射線からの雑音も私の認識する雑音の一つです。 >宇宙線のミューオン起因。水中の不純物の放射線。壁から、岩からの放射線などなど。 実験におけるノイズの原因は分かっています。 それとニュートリノ由来の信号と弁別する基準はなんですか。明確な数値を示してほしいという事がここに質問を始めた動機です。 >一日でのニュートリノイベントが数カウントです。対して、それ以外のイベントは、一秒で、数カウントあります。要するに、信号のほぼ全てはノイズな訳です。 積分器で平均値をとると数カウントは誤差以下に隠れ測定不能です。バックノイズが一定値を示したとき、もし瞬時値から引き算してもニュートリノを観察したのではなく、バックノイズを引いた意味を内外切り分けた意味を持ちません。 それは瞬時値を瞬時値から引いたときにのみ意味があるからです。その瞬時値には事象の数十倍以上の観察精度と観察速度がある時のみ意味を持ちます。 その説明が全く情報不足です。 >この信号はミューオン、これは不純物からのγ線。岩から来た放射線。等と、 信号が何に起因する物か判別して、タグ付けしていかないことにはニュートリノの信号は取り出せません。 そうあるべきです。同意します。ただしただの光にそんなタグは存在しません。光電管からの信号に判定基準は存在しないので、そうあってほしいという思い込みの、ご都合でしかありえません。 >外向きの検出器は、外部から入射する放射線の判定に有効ということです。 外から来た光に対してのお間違いでしょう。 しかし瞬時値同士を引けない限り内と外の切り分けには役立たないのです。 >> 減衰など私の意見に申した覚えはありません。・・ >なぜ、ピコセコンドに拘っていたか分かったような気がします。 全データをデジタルでサンプリングすると思われているのでしょう。 出力波形をそのまま保存していると思いましたか。 そうできているべきなのに、できていないことに誤判定の危惧があります。 そうでなければ、ニュートリノ発見は写真の暗がりに亡霊を見つける事例と同じ判定方法です。 >・・あるとき、一帯のPMTアレイが光りました。その間に光ったPMTを抜き出します。これが解析が必要なPMT達です。次に一番早く信号を出したPMTを探します。 お化けの写った写真とどこが違いますか。一番早いと、ひかるべきPMTが同じ発光起源から照らされたか知るには不十分な速度で回答者は満足したのです。